「まずは社会人としてちゃんとしていることが基本」島陽平さん⑤【髙田一也のマッスルラウンジ 第34回】

大好評のカリスマトレーナー対談は、島陽平さんを迎えた5回目。若さという甘えを感じさせない島さんのしっかりした考え方は、常に先を見据えた行動力の表れ。今回も引き続き、若き経営者の姿に迫ります。

髙田:島くんとは同じトレーナーではあるけど、そのカテゴリーは異なっているように思います。一緒にトレーニングをすることもありません。でも、仕事に対しては、島くんも僕も行きつくところは同じで、健康という方向に向きながら仕事をしている。

仕事ができる人や何かに真剣に取り組んでいる人は、発言がプラス思考だと思います。島くんがまさにそんな感じで、そういう人が話す言葉は、冗談でも説得力があります。また、そういった言葉がその人の魅力にもなっていくと思います。僕も結構いい年齢になってしまいましたが、年齢を気にすることなく、島くんには話しやすさを感じています。彼に魅力があるということなんだと思います。

:僕は年上の方とのほうが話しやすいんです。会社経営を引退した70歳以上の方と飲みに行くこともあります。たぶん孫のような感覚だと思うんですが、僕が若いからといって年上の方が無条件に受け入れてくれる訳ではないと思うんです。70歳の方は70年間生きてきた知恵をお持ちでいらっしゃる。それに70歳の方からすれば、その人ができなかったことを僕に投影させたいと思ってくれているのかもしれません。

現実的にこれから高齢者の人口は増えていきます。そのときに自分が若者として、高齢者の方々の気持ちを汲んでカタチにしているのが僕の使命かなとは思っています。

髙田:異なる世代の間に立って橋渡しできる人は必要だと思います。島くんはその橋渡しをするポジションにピッタリだと思う。

:僕がこのような考えを持つようになったのも、パーソナルトレーナーの仕事を始めてからですね。

髙田:パーソナルトレーナーは例えば10代の女の子から70歳過ぎの男性まで幅広い世代を指導する機会が多い仕事なので、その人たちが考えるであろうことを先読みして話題を提供する場面が多々あります。話が仕事とプライベートに及ぶこともありますし、完全に趣味の話だけをしてくる人もいらっしゃいます。その場合必要とされるのは、「分析力」です。パーソナルトレーナーの仕事を極めようとすると、本当に必要なのは人の気持ちを汲み取るという部分なのかもしれません。

:そういう意味では僕が特に印象に残っているのは、髙田さんがトレジスのスタッフさんに「君はまだ若いから、まず時計屋さんに行って時計の勉強をしなさい」と言っていたことです。そのスタッフさんには時計の雑誌を読む、時計屋さんに行くなど、ビジネスマンや経営者が身につけるような時計の教育をされていましたね。

僕もトレーナーとして前の会社にいるときにやったのが、お客様から下に見られたらコチラの話を聞く耳を持ってくださらないので、まずは社会人としてちゃんとしていることが基本ということ。それがあるから体を任せようという気持ちにもなる。その関係構築が大事なんです。

髙田:その時はクライアント様の層を見て、男性の嗜みとして選んだお題がたまたま時計でした。クライアント様から話題を提供していただいた際、様々なジャンルの会話に対応できる様に会話力を養う事が大切だと思っています。そこから会話が発展していきます。

例えば医療関係者を指導する時の会話として、疾患についてや、薬やその副作用などの話題が出たときに詳しく話せることが多く、驚かれることがあります。それは病気で薬を服用されているクライアント様の指導をさせていただいたときに、薬の効能から副作用まで全て調べましたので知識として蓄積されて自然と会話に繋がったからだと思います。

視野を常に広く持っていくということは何においても大切だと思いますが、トレーナーを目指すなら、特に必要です。

まずはクライアント様のタイプを自分なりに分析し、こだわりなどを把握した上で受け入れていただけるよう、会話を進めます。

特にご高齢の方の場合、トレーニングに対して敷居の高さを感じられている場合が多いので、心のハードルをどう下げるか。それには、トレーニングや健康以外の話から入っていく方が効果的な場合もあります。

きっと島君もそんな感じで指導されているのではないかな?と、いつも二人で話していて感じています。そんな考え方が共通するので話が会うんでしょうね。

髙田一也(たかだ・かずや)
1970年、東京都出身。新宿御苑のパーソナルトレーニングジム「TREGIS(トレジス)」代表。華奢な体を改善するため、1995年よりウエイトトレーニングを開始。2003年からはパーソナルトレーナーとしての活動をスタートさせ、同時にボディビル大会にも出場。3度の優勝を果たす。09年以降はパーソナルトレーナーとしての活動に専念し、11年に「TREGIS」を設立。自らのカラダを磨き上げてきた経験とノウハウを活かし、これまでに多数のタレントやモデル、ダンサー、医師、薬剤師、格闘家、エアロインストラクター、会社経営者など1000名超を指導。その確かな指導法は雑誌やテレビなどのメディアにも取り上げられる。
TREGIS 公式HP
島 陽平(しま・ようへい)
1988年6月5日生まれ。東京都出身。株式会社DIETA代表取締役。一般社団法人ヘルスケアフォワードジャパン協会代表理事。読者モデル、メイクアップアーティストを経てトレーナーの道へ。RIZAP関東エリア12店舗の統括マネージャーを務め株式会社DIETA設立。パーソナルトレーニングジム「DIETA」を麻布十番、さいたま新都心、目黒に3店舗展開中。モデル、タレントなどのボディメイクを担当しながら、ジム経営、セミナー主催、フィットネス関係のコンサルティングなどを行っている。

インタビュアー
立華徳之真(たちばな・のりのしん)
パフォーマー兼パフォーマー専門の美容家・治療家・スポーツ指導者。陸上競技・体操・バスケットボール・フィットネス・トレーニング・ジュニアスポーツ・体育施設運営管理・サプリメント・スポーツボランティアなどの専門資格を所持。また柔道整復師・美容師・登録販売者・診療情報管理士として美容・健康・医学領域および出版・映像・イベント・教育・ITなどの実務をこなす。ほか殺陣やアクション、神経系コーディネーションや能力開発などの分野で活動しているハイブリッド。
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