「トレーニングは何歳からでも始められます」筋肉ハローワーク第1回(人力俥夫・後編)

鍛えることで人生が少しずつ変わる

第2回 金大熙さん(人力俥夫)

世の中にはたくさんの仕事があります。労働によって対価を得て、日々の糧にする。すべての仕事は尊いものです。その仕事で、体を使う仕事もたくさんあります。体を酷使する人たちの仕事ってどんなものなんでしょう。筋肉ハローワーク浅草のイケメン俥夫の金大熙さんの後編です。

――現在は、どのようなトレーニング生活を営んでいるんですか?

:帰ってきて、トレーニングの1時間前にプロテイン、アミノ酸を摂っておきます。ごはんを食べる前の午後8時から10時ぐらいまでの2時間から2時間半ぐらいがトレーニングですね。筋トレしながらBCAAを飲んでますね。あと、日によって部位を分けてます。プッシュデーだったら、胸と肩を一緒にしたりします。腕なら三頭筋。背中の日だったら引っぱる種目になるので、そこで腕のトレーニングを行うなら二頭筋。各部位の種目はベンチプレスとスクワット、デッドリフト、ショルダープレスの4つは、メニューの最初にもってくるようにしてます。その重量も、ちょっとずつでいいんで上げる。それで筋力アップできたかどうかのプログラムを作って、ノートに書くんです。

――プログラムを自分で考えるというのは、どういうものを基準にして?

:ネットや雑誌で。重量を挙げるのは、7~8回が理想といわれてるんですね。それを簡単に挙げられる日が来たら、次の日は重くする。それを続けていたら比例して上がっていくんですけど、体がチャレンジしたくなるんですよ。今の重量では、物足りなくなる日が来るんです。僕も最初に買った30㎏のダンベルが今では軽くて、どんどん増やしてマックス60㎏まで付けられるようにしてるんですけど。たとえば、100㎏のベンチプレスを5回、5セット挙げられるようになると、その次のワンレップは120kgとか。その数値を合わせるために、日々トレーニングするという感じですね。自分の体型を、客観的に鏡で見ながらやっています。

――もうセルフトレーナーの域に達している……。

:ハハハ(笑)。あと、胸と背中の割合は比例してるんです。たとえば懸垂なら、僕の体重が90㎏で、ベンチプレスを120㎏挙げられるなら、腰に30㎏のダンベルをぶら下げて行うと、ちょうど合うとか。足すと120kgになります。ここが合ってないと、胸だけがついて背中が足りてないから、バランスのよくない体型になるんです。背中も、上、真ん中、下に分かれてるから、下が弱かったらデッドリフトを入れようかなぁとか。

――さぼりたくなる日はありませんか?

:もう習慣になってるんですよ。お風呂に入る感覚と同じなんで、2日やらないと、気持ち悪いです。

――食事管理はどのような感じですか?

:これも決まってるんですけど。朝はオートミールとヨーグルトとプロテイン40g。バナナにはちみつを入れて、ミキサーでシェイク。これで1200kcalです。昼は食堂でいただいて、間食はコンビニでゆでたまご2個、サラダチキン、鮭のおにぎりを買うのが、ルーティーンになってます。夜は鶏肉、魚、ステーキとかを玄米と食べてます。G1値が低いものを選んで食べてますね。

――自己管理がすごすぎる!

効率よく筋肉をつけたいんですよ。論理的な考え方が好きなんで、できるだけ最短で効率を上げたいし、筋肉に役立つものを食べたい。プレワークアウトというパウダーが最近はあるんですけど、あれを飲むと筋肉が覚醒するんですよ。人力車が終わって疲れてても、集中力がフォーカスされる。

――筋トレをやっていて、何が楽しいですか?

:2つあって、やっぱり体型が変わること。36歳のおっさんやけど、がんばって体を鍛えているということは、まだ向上心があるのかなぁと。脳ってごまかされるらしいんです。筋トレして、自分の体は若いと思いこんでると、普通ならあきらめてしまいがちな方向とは逆にいいほうに伸ばしていけるらしい。あともう1つは、人力車って見られる仕事なんで道を歩いてる人でも「マッチョ!」とか、「三頭、すごい」とか言われるんですね。修学旅行生なんかは、「あいつ、ヤバイ!」とか(笑)。乗ってるお客さんでも、勝手にさわってくる人とかいるんですけど、それはうれしいし、鍛えたことによって今回も取材も受けられて……。1年半前なら考えられない。

――1年半前と、生活が激変したんですね。

:昔はたばこも吸っていましたし、夜はビールを3缶あけて、中華料理なんかも気にせずに食べてました。今とは正反対です。人間、やる気になれば、何歳からだって始められるんですよ。

文/伊藤雅奈子