「代償運動」ってなんですか?【長畑芳仁のストレッチの教科書 第19回】

代償運動を「コントロール」しながら伸ばしてくことが重要

文字通り、「代わりに償う運動」のことです。ストレッチを行った際に、伸ばそうとした筋肉が硬いために目的とする動作がうまくいかない、または強く伸ばされることから逃げようとして別の箇所が動いてしまうことによって、本来行うべき動きを補う動作が発生します。これが「代償運動」です。

例えば、「腕をまっすぐ上に上げる」という動きを行うとします。筋肉が硬くなってしまっている箇所があり、ある角度までしか腕を上げられない。しかし、そこから体を少し倒すことによって「腕をまっすぐ上に上げる」という動作を遂行できたとしましょう。これは、べつの箇所が動作を補って、目的としていた「腕をまっすぐ上に上げる」という動作を完了させたことになります。

ストレッチにおいて代償運動が発生すると、伸ばしたい場所が伸ばしづらくなり、ストレッチの効果を得られにくくなります。パートナーがいる場合は、動かないように押さえてもらうといいでしょう。それでも動くようなら、「動かさないように」と声をかけるのも有効です。

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ただし、代償運動があったほうがより伸ばせる場合、代償的な動作を含めて総合的に伸ばしたほうがいいという場合もあります。動かないようにとにかく押さえておけばいい、というわけではありません。

パートナーストレッチでは、相手によって押さえ方を変化させたり、相手のフィーリングを確認したりしながら伸ばしていく必要があります。代償運動を「コントロール」しながら伸ばしてくことが重要なポイントになります。

長畑芳仁(ながはた・よしひと)
1960年、大阪府出身。 特定非営利活動法人日本ストレッチング協会理事長。日本体育協会認定アスレティックトレーナー。 帝京大学講師。早稲田大学教育学部卒業、順天堂大学大学院体力学専攻修了。 2001年「すとれっち塾戸田公園店」開設。専門分野はアスレティックトレーニング、スポーツ科学、アスレティックリハビリテーション。リコーラグビー部など、多数の社会人・大学チームのストレングスコーチ、および日本代表ボートチームのフィジカルサポートなどを務める。「ストレッチまるわかり大事典」(ベースボール・マガジン社)「アクティブBODYストレッチ」(日東書院)など著書多数。
日本ストレッチング協会HP