「努力は報われないことも多々ある。でも努力しなければ何も変わらない」伊達公子【名言ニュートリション】

記録にも記憶にも残るレジェンドの遺した言葉

2017年9月12日、ジャパンウィメンズオープンテニスを最後に、2度目の現役生活に終止符を打った伊達公子。2度の現役時代それぞれにおいて、新たな歴史を築いた、女子テニス界のレジェンドの信念である。

「時として、努力は報われないことも多々あることはわかってるから。でも努力しなければ何も変わらない」(伊達公子オフィシャルブログ『Always Smile』2012年9月24日、21:24:52

1989年にプロデビュー。1994年の全豪オープン、1995年の全仏オープン、1996年の全英オープンでベスト4進出。中でも全英オープン準決勝では、当時の世界女王、ドイツのシュテフィ・グラフを相手に、セット数1対1となったところで日没延長という、2日間に及ぶ名勝負を演じている。全米オープンでのベスト4進出はならなかったものの、2度ベスト8に進出。4大大会以外では、1996年のフェドカップ決勝でグラフを下す快挙を達成した。世界ランキングは最高で4位(1995年)。グラフに勝利した1996年、26歳の若さで、1度目の現役生活から退いた。

1度目の引退から10年以上の時を経て、2008年に37歳で現役に復帰。翌2009年、韓国オープンを38歳11ヶ月30日で制し、「キング夫人」ことビリー・ジーン・キングに次ぐ歴代2位となる、WTA(Women’s Tennis Association、女子テニス協会)ツアーシングルス年長優勝記録を達成した。2010年には、東レ パン・パシフィック・オープンで30代最後の日にマリア・シャラポワを撃破。同年、キング夫人以来となる、40代でのシングルス世界ランキング50位以内入りを達成(46位)。2度目の現役生活でも、目覚ましい活躍ぶりを見せてきた。

2度目の現役引退の理由は、肩と膝の故障。輝かしい記録の数々に彩られているが、長い現役生活において、怪我に限らず、様々な問題に突き当たってきたことは、想像に難くない。今回紹介する言葉は、2012年の東レ パン・パシフィック・オープンで、1回戦敗退を喫した際に、当時の悩める心境をブログに吐露した文章の一部である。

自分で乗り越えるしかない今の現状。
何が、いつ、どんなことをきっかけに
乗り越えられるときがくるかわからないけど
いつかのその時のために….やれることをやり続けるしかない。
(もしかしたらその時が訪れないなのかもしれないけど)
努力は必ず何かしらの形でいつか成果があるけど
時として、努力は報われないことも多々あることはわかってるから。
でも努力しなければ何も変わらない。

揺れ動く心境が読み取れるが、「努力しなければ何も変わらない」という、力強い決意が語られている。この言葉を記した日から約5年、46歳になるまで現役生活を続け、数々の記録を残した。翌2013年1月、全豪オープン3回戦に進出、同大会史上最年長勝利を記録。ダブルスでも好成績を残し、2015年には、1度目の現役時代の最高位を更新し、世界ランキング28位にまで上り詰めている。

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努力とは、誰もがする当たり前の行為である。だが、早々に諦め、努力を放棄することの、なんと多いことか。人の成功を、「才能」という言葉で片付けるのは止めよう。「年齢」を理由に、努力を放棄するのは止めよう。成果を得るには、時間が必要だ。いつ結果が出るのかは、わからない。報われないこともある。「でも努力しなければ何も変わらない」のだ。

参考
伊達公子公式HP
伊達公子公式ブログ

文/木村卓二