「1日単位ではなく、1時間単位で生きよう。この後の1時間で、君は何を成し遂げるんだい?」フランク・ゼーン【名言ニュートリション】

時間の使い方の巧拙は、成功を左右する。成功する人は、時間や分単位で行動するものだ。

Live your life by the hour, not by day. What will you achieve in next hour? –Frank Zane (https://twitter.com/Frank_Zane, 8:30 AM – 15 December 2015)

計画とは、規模や実行可能性などに応じ、異なる期間で設定される。週間計画や月間計画のような比較的短期間のものもあれば、旧社会主義国の「5ヶ年計画」のような複数年単位の計画もあり、さらには「Jリーグ百年構想」のような世紀をまたぐ長期計画も存在する。

政治学には、「漸進主義」という用語がある。急激な変化や改革を推し進めようとする「急進主義」の対抗概念であり、小さな変化を積み重ねていくことを是とする主張を指す。政治思想を論ずることが本稿の目的ではないが、日々の実践による変化の積み重ねが無ければ、5ヶ年計画も100年構想も達成不可能であることは、容易に理解できるだろう。子どもが抱く将来の夢は、努力なくして現実のものとはならないのだ。

だが、小さな変化を効率よく重ねることができるか否かは、1日という単位の捉え方、その使い方の巧拙にかかっている。周りにこんな人はいないだろうか?「あたし、今日、忙しいの。銀行に行くんだから」。「おれ、今日、忙しい。歯医者に行くから」。こうした人たちは、1つの用件で1日が占められてしまい、1つの用事を24時間という単位の1部分として捉えることができていない。

大学の講義は1コマ90分が主流だが、大半の中学高校の授業は50分だろう。その1時間弱の間に新たなことを学び、積み重ねることが成績につながる。自宅での学習は、「〇時間勉強した」という時間単位での認識が普通であり、「昨日勉強した」と口にするのは、家での学習習慣が身についていないことを表している。時間単位の積み重ねが重要であることに、大人も中高生も関係ないのだ。

今回紹介したのは、20世紀を代表するボディビルダーの1人、フランク・ゼーンの言葉である。ボディビル界における世界最高峰の大会「ミスター・オリンピア」において、1977年から3連覇を達成したフランク・ゼーンの特徴は均整美。ボディビルダーを「気持ち悪い」と感じる人であっても、フランク・ゼーンのような身体には、ギリシャ彫刻に通じる審美性を見て取ることができるだろう。

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数学教師であったフランク・ゼーンは、ミスター・オリンピアを初制覇した1977年に心理学の学位も修め、引退後の1990年に実験心理学の修士号も取得している。知性と肉体、その両方を手に入れ、神の領域に近付くのが、古代ギリシャ人たちの理想である。フランク・ゼーンを、現代のギリシャ神話へと昇華させたのは、時間単位で生きる、その思想の実践であると言えよう。

少しぐらい忙しくとも、1時間あれば、出勤前や昼休みにジムやロードワークに行くことができるだろう。その積み重ねが、理想の体に近付くための条件だ。自分自身に問いかけよう。「1日単位ではなく、1時間単位で生きよう。この後の1時間で、何を成し遂げるのか?」と。

文/木村卓二