お酢は疲労や病気の原因を取り除いてくれる【川﨑泰代の美筋食 第11回】

「走るフードコーディネーター」川﨑泰代さんに体づくり、健康づくりのための食事と栄養について教わる連載。第11回は健康を保つためにお酢がしてくれる役割についてです。

悪玉コレステロールを除去してくれる

「お酢を飲むと体が柔らかくなる」と言われますが、本当でしょうか。

結論から言うと、お酢が人体を柔らかくするという効果は実証されていません。ただ、食肉のタンパク質を柔らかくするという作用はあります。固いお肉をお酢に付け込んで調理すると、タンパク質が柔らかくなってお肉自体が柔らかくなる。例えば骨付きのお肉をお酢をプラスした調味料で煮込むことによって肉の身離れがよくなります。

© kazoka303030 – Fotolia

酢酸の分解産物であるクエン酸には血液をサラサラにしたり血管を拡張したりする作用があることが発見されています。つまり血行改善効果があるので、筋肉中の疲労物質の分解、筋肉のコリをほぐすことにつながる可能性はあります。疲労が溜まって固くなっていた筋肉が柔らかくなれば柔軟性も戻ります。本来の体の柔らかさに戻すくらいの効果はありそうですね。継続してお酢を摂取すれば内臓脂肪も減るでしょうから、「お酢を摂り始めたら何となく体が動かしやすくなったな」と実感することができるかもしれません。

お酢には活性酸素を除去する「抗酸化作用」(第4回、第5回を参照)もあります。穀物酢よりも黒酢がいいですね。とくに黒酢に含まれているメラノイジンという成分が、過酸化物質(血管内に血栓を作る原因となる物質)の生成を防いでくれるのです。製造過程で熟成されることで、他のお酢に比べて悪玉コレステロールの酸化防止、動脈硬化の予防など、体の中に入っている活性酸を除去する働きがあるといわれています。ちなみに同じく抗酸化作用がある食べ物は、色の濃い野菜です。パプリカやナス、トマトですね。

お酢には食事と一緒に摂ることによって糖の吸収を穏やかにして、食後の血糖値の上昇を緩和させてくれる効果もあります。もし血糖値が一気に上昇するとインシュリンが過剰に分泌され、脂肪の合成を促す恐れがあります。また、血圧がボーンと上がるのを抑えてくれる効果もあります。酢酸の血管拡張作用のおかげで血流がよくなり、血圧も安定するということです。

構成/松川亜樹子


川﨑泰代(かわさき・やすよ)
フードコーディネーター。アスリートフードマイスター。食育インストラクター。IHクッキングクリエーター。小学生のころよりバレーボールを始め、以来スポーツが生活に欠かせないものとなる。「走るフードコーディネーター」として、自らもフルマラソンに挑戦するなどアスリートとしての顔も持つ。自身の経験から「強い体と心は『食事』で作られる」というコンセプトのもと、一般アスリートからトッププロまで幅広く食事を指導。現在はサッカーJリーグU-18育成選手の食事指導にもあたっている。テレビ、ラジオ、雑誌などメディアでも活動している。
公式HP