はじめは距離ではなく時間で目標を設定【金哲彦の教える“正しい走り方”④】

フィットネスに親しんでいる人や、過去に部活などで運動をしていたことのある人のほとんどが“自分は走れる”と考えているのではないでしょうか? でも、プロのコーチから見ると、多くの市民ランナーは“正しく走れていない”ようです。そこで、市民ランナーからオリンピックを走るアスリートまで、幅広いランナーを指導するプロランニングコーチの金哲彦さんに“正しい走り方”についてレクチャーしてもらいます。

最初は15分走ることを目標に

早歩きで1時間程度歩けるようになったら、足腰の筋肉などもある程度できてきているはずですので、いよいよ走り始めましょう。ここでいきなり「10km走ろう」という目標は立てないほうがいい。はじめは15分走ることを目標にしましょう。15分が楽に走れるようになったら、その時間を30分、45分、1時間と伸ばしていくようにします。

距離よりも時間を目標にするのには理由があります。距離を目標にすると、どうしても「早く終わらせたい」と思ってペースが速くなってしまうのです。まだ自分のペースがわかっていない初心者ほど、距離ではなく時間で目標を立てたほうがいい。始めはとなりの人と話せるくらいのペースで十分です。まずは走ることの気持ち良さを味わうことが大切です。

1時間くらい走れるようになったら、その中で徐々にペースを上げてもいいでしょう。まずは30分5kmくらいを目標に、1時間で10km走れるペースが目安となります。ただ、無理してペースを上げなくても大丈夫です。継続して走っていれば、ペースは自然に上がってくるものです。

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ランニングの頻度ですが、体が慣れてきたら目安は週に3回。1回や2回だとなかなかペースが上がるようにはなりません。それを3週間続けると体に変化が出て来るはずです。だいたい3週間が1つの単位だと考えてください。3週間続けたら時間を伸ばすなど、ステージを少しずつ上げていく感覚です。

よく「ランニングを始めたら1回で●kg体重が減った」という話を聞きますが、これは汗で水分が出ているだけで水を飲めば元に戻ってしまいます。きちんと脂肪を燃やして体重を減らすには、ある程度の期間は継続しないと変化はわかりません。こちらも3週間単位で体重を比較すると変化がわかりやすいでしょう。


金哲彦(きん・てつひこ)
プロランニングコーチ、駅伝・マラソン、陸上競技解説者、ランナー。福岡県北九州市門司区出身。早稲田大学教育学部卒業。在学中競走部に属し、中村清監督の下、箱根駅伝で活躍。卒業後はリクルートに入社し、陸上競技部を創設。1987年には別府大分毎日マラソンで3位に入る。1995年より同部監督に就任。同部の消滅後は、陸上のクラブチーム・ニッポンランナーズを創設する。現在は、テレビのマラソン・駅伝中継の解説も務める。
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