日本最大級の筋肉をつくったトレメニューを公開!・横川尚隆②【人物クローズアップ「筋の旅人」】

今思えば必要な負けだった

現在、ボディビル業界で“ポスト鈴木雅”の最右翼と言われている横川尚隆のインタビュー第2弾。今回はほろ苦かったボディビルデビュー戦、そして現在のトレーニングメニューをきいた。


――ボディビル転向を決めた時点で、出場する大会も決めたのでしょうか。

横川 はい、東京選手権(2016年)に出ようと思いました。やはりボディビルでも大きなタイトルを狙いたかったですし、「優勝できるんじゃないか」とも思っていました。今思うと、甘い考えでした。

――ボディビル雑誌のIRONMANでは、東京選手権に出場するまでの軌跡を追う連載記事が組まれました。ボディビルデビュー前から大きな注目を集めていました。

横川 注目してもらえるのはありがたいことです。ただ、これで優勝できればおいしいな、くらいにしか考えていなかったです。

――しかし、減量が思うように進みませんでした。「これは大会当日までに間に合わないのでは」と思ったことは?

横川 調整に入ってすぐに思いました(苦笑)。絶対に(減量が)間に合わないことがわかったので出場するのを辞めようかなとも思いました。雑誌の連載記事がなかったら、出ていなかったと思います。出場しても、出場しなくても、(批判的なことは)言われるだろうなと。

――精神的にもつらかったのでは?

横川 はい、けっこうキツかったです。ただ、人として変われるキッカケになりました。つらかったですけど、いろんな人が支えてくれて、応援してくれた。それまでの人生で、人から応援されることってなかったんです。一人で勝手にフィジークの大会に出て、優勝して、調子に乗って……、という感じできてしまっていたので。応援されるということを、そこで初めて体験しました。大会では負けて、悔しい思いをしましたけど、人として成長できた時期だと思います。あの経験がなければ、調子に乗ったままになっていたかもしれません。

――ボディビルデビュー戦は予選落ちという結果に終わりました。敗因はなんだったのでしょう。

横川 減量に入るのが遅すぎました。減量幅が20kgくらいあったんですよ。でも、減量に入ったのは5月でした。

――東京選手権は8月に行われたので……。

横川 調整期間が3カ月しかなかった(苦笑)。

――月に7kgのペースで落としていかないと間に合わないという。

横川 今考えると、何をやっていたんだろうと思います(苦笑)。ボディビルでは筋肉を大きくしないと勝てないと思っていたので、ぎりぎりまで(増量して、減量せずに)粘ったんです。それがミスでしたね。最後の1カ月間は、1日にリンゴ1個しか食べていませんでした。朝にジムに行って、トレーニングを4、5時間行って、有酸素運動を3時間ほどやって、食べるのはリンゴだけ。そういった生活を続けました。そんな験をしたから、今の減量は楽に感じます。だから、僕にとっては必要な負けだったんじゃないかと思います。

――そして今年、2017年の東京選手権にも出場しました。

横川 絶対に優勝しないといけないという気持ちでいました。今年は3月から減量に入りました。減量幅は16、17kgくらいでした。

――減量中の食事は、どのように進めていくのでしょう。

横川 まずはジャンクフードなどを食べないようにするところから始めます。そこから、徐々に炭水化物の量を減らしていきます。

――トレーニングはどのように?

横川「胸」「背中」「肩」「腕」「脚」の5分割です。胸は以前は4時間ほどかけてトータル50セットほどやっていたんですが、なかなか発達しなかったんです。今は1時間半ほどにまとめるようにしたら、発達するようになってきました。

――背中のトレーニング時間は?

横川 3時間くらいかけています。これでもかなり短くしました。背中は上背から下背という順番でトレーニングして、最後にデッドリフトで全体を刺激するという感じです。肩はリア(三角筋後部)から入ります。僕は上腕三頭筋が大きいので、サイドポーズを取ったときにリアが小さく見えてしまう。それを改善するために、リアから始めるようにしました。腕は二頭筋の種目は各3セット、三頭筋の種目は各5セットやっています。脚はレッグカールから始めます。

――腿の裏側の筋肉、ハムストリングスのトレーニングから入るのですね。

横川 ボディビルは、規定ポーズが7つもあり、全身の筋肉を審査されます。弱点が一つでもあるとダメだと思うんです。弱点がなく、全身の筋肉がバランスよく発達していないと評価されないと思っています。大腿四頭筋はもともと強かったので、それと比べて弱いハムストリングスのトレーニングを最初にやるようにしました。ハムの種目は各3セット、大腿四頭筋は各4セットです。時間は4時間くらいかかります。

<主なトレーニングメニュー>

・ベンチプレス(5セット)
・インクラインベンチプレス(5セット)
・ペックフライ(3セット)
・インクラインチェストプレス2種類(各5セット)
・チェストプレス2種目(5セット)
・ケーブルクロスオーバー(3セット)

背中
・ラットプルダウン(3セット)
・プルオーバー(3セット)
・チンニング(3セット)
・ワンハンドロウイング(3セット)
・ハンマーマシン・フロントプル(3セット)
・ラットフレクサー(3セット)
・ハンマーマシン・ロウイング(3セット)
・ベントオーバーロウイング(5セット)
・Tバーロウイング(5セット)
・デッドリフト(5セット)
・パーシャル・デッドリフト(5セット)


・リアレイズ(3セット)
・ラットプル(リア狙い)(3セット)
・ライイング・リアレイズ(3セット)
・リアデルトマシン(3セット)
・ハンマーマシン・ショルダープレス(5セット)
・ストライブマシン・ショルダープレス(5セット)
・バーベルフロントプレス(5セット)
・EZバー・フロントレイズ(3セット)
・ダンベル・フロントレイズ(3セット)
・サイドレイズ2種類(各3セット)
・シュラッグ(3セット)


・EZバー・プリーチャーカール(3セット)
・ワンハンド・ダンベルカール(3セット)
・ツーハンズ・ダンベルカール(3セット)
・スピネイト・ダンべルカール(3セット)
・インクラインカール(3セット)
・ストライブマシンカール(3セット)
・ナロウべンチプレス(5セット)
・EZバー・フレンチプレス2種目(各5セット)
・プレスダウン2種目(5セット)
・ケーブル・オーバーヘッドトライセップスエクステンション(5セット)
・マシントライセップス(5セット)


・ライイングレッグカール2種目(3セット)
・シーテッドレッグカール(3セット)
・スティックレッグドデッドリフト(3セット)
・ブルガリアンスクワット(3セット)
・スミスマシン・シングルレッグスクワット(3セット)
・ウォーキングランジ(3セット)
・ワイドスタンススクワット(4セット)
・ナロウスタンススクワット(4セット)
・ハックスクワット2種類(各4セット)
・レッグプレスorスミスマシンスクワット(4セット)
・レッグエクステンション2種目(各4セット)
・インナーサイ(3セット)
・カーフレイズ3種目(3セット)

横川尚隆(よこかわ・なおたか)
1994年7月生まれ。東京都出身。身長170cm、体重75kg(オン)、97kg(オフ)。2015年にオールジャパン・メンズフィジーク選手権172cm級で優勝した後、ボディビルに転向。16年の日本ジュニア選手権で優勝し、世界ジュニア2位入賞。17年の日本選手権で6位入賞。

聞き手/藤本かずまさ
撮影/やまなか順子‵