「未病」「治療院の選び方」について【スペシャリストに訊く・宮澤資長⑤】

最良の治療院に出会うためには

スポーツ選手やトレーニング愛好家から支持を受けている宮澤先生。前回までは先生の治療法や考え方などを伺ってきたが、最終回となる今回は、先生の提唱する「未病」についてと、現在は数多くある「治療院の選び方」について伺う。パフォーマンスアップや健康のために、ぜひ参考にしていただきたい。

 

Q.原因不明の症状を解決するにはどうすればいいのでしょうか?

病気の人というのは氷山の一角なんですね。世の中には健康の人がいて、病気の人がいます。またその中間には一見健康でありながら病気の症状がはっきりしない「未病」という状態の人が物凄くいるはずなんですね。そして未病な人というのは原因はわからずとも、絶えず体調不良や痛みを抱えているわけです。

毎年、厚生労働省が発表しているのですが、病院の受診理由では女性の1位が肩こり、2位が腰痛、男性の1位が腰痛、2位が肩こりとの統計が出ているんです。いうなれば、なんか腰が痛い、首がおかしいと病院を受診している人がいる。逆にいえば、世の中の肩こりと腰痛を治せば医療費も削減するし、これこそが「未病」と言えます

未病はまたアスリートやトレーニングをされている方にも多い。絶えず痛みを感じながらトレーニングしている。しかし医学のエビデンスでは証明できない……。僕のところにもこの未病の人はめちゃくちゃ多くて、しかも僕が診ている患者の半分くらいがプロスポーツ選手やトップアスリートです。

未病はエビデンスが出ないので診断をつけることができませんが、この未病を治すことができれば素晴らしいと思いませんか? 病気になってしまえば、それは医師の領域ですが、未病は未だ病気じゃないから僕たちにだって治せます。そういう意識で施術にあたっています。

Q.先生のような施術を受けるには接骨院、整骨院、整体院、治療院…どこに行けばいい?

まず大きな違いを説明すると、圧倒的に違うことは国家資格を持っているか・持っていないかというのが違います。

接骨院や整骨院は柔道整復師という国家資格者のみが施術者となり、新鮮な怪我である「骨折・捻挫・脱臼・打撲・挫傷」を扱う施設です。新鮮な怪我には保険を適用することができ、保険適用の施術だと電気をかけて手技を行うのが一般的です。接骨院や整骨院は国家資格を持っていなければならず保険適用にもルールがあります。法制化もされているので出来ることと出来ないことが明確であり、様々な制約があるんです。

しかし整体院の施術は法制化されていないので何をしても良いんです。施術者になるのも資格を持つ必要がなく、なろうと思えばいつでも誰でも施術者になることができます。但し医療行為に限れば本来は医療機関でしか行えませんので、病気の症状改善を目的に治療を行うことは本来できません。

ほか鍼灸師は国家資格であり、またマッサージと宣伝できるのも医師を除き本来はあん摩マッサージ指圧師のみが業務を許されていますが、無資格治療院も数多く存在しています。

これらは私たちのように業界にいれば当たり前のようにわかることなんですが、一般の人にとっては区別がつきづらいですね。このことは事実と感じています。またこの問題は非常に大きい問題でもあります。ある全国調査で接骨院の認知度を調べたんですね。質問の中で「整体と整骨院の違いがわかる人はいますか?という項目があったんですが、10%くらいしか違いがわかる人がいなかったんです。つまり90%の人が整体と整骨院の違いがわかっていない

トレーニングされている方は身体のメンテナンスなどで利用されている方も多いので、厳密ではなくても違いを知ってる方も大勢いらっしゃるとは思いますが、一般の方を含めるとほとんどの人が違いをわかっていないので、ここで覚えていただければと思います。ただし資格の有無も大きいですが、資格を持っていてもダメなものはダメで、資格がなくても良いものは良い、ということは付け加えておきます。

Q.最後にメッセージをお願いします!

僕は、開業以来20年以上に渡り、整体、カイロ、鍼灸、美容など、ありとあらゆる治療法を勉強してきました。そして今ではどこに行っても良くならなかったアスリートやプロレスラー、格闘技選手、体操選手、力士の方など、またトレーニーや一般の眠れないという人にも来ていただいています。様々な治療法を半年以上試してもなかなか良くならなかった患者様が、たった数回の施術で劇的に改善する姿も目の当たりにしてきました

記録に挑戦するアスリートや日頃からジムに通うトレーニーまで、トレーニング効果を最大限に高め、ベストパフォーマンスを発揮するには、トレーニングと同じくらい「予防メンテナンス」も重要と考えています。身体バランスが整い関節や筋肉が正常に機能してこそ、効果的なトレーニングが可能になるのです。

痛みや症状を一時的に緩和させる対症療法的なマッサージやストレッチングではなく「根本療法」というものが中心になければなりません。痛みや症状は結果であり原因ではない。人は症状が軽くなると治ったと勘違いしてしまいますが、痛みは身体の異常を知らせてくれる大切な非常ベルなのです。根本的な原因を見つけて解決しない限り、真の健康へは辿り着けないのです。

今こそ注目すべきは「根本療法」。現在、根本療法であるバックエイジングセラピーを施す僕の弟子は全国に30人くらいいますが、この連載で述べたような考え方を、一緒に広げていければと思っています。

最後に中国の諺では「普通の医者は病気を治す、一流の医者は人を治す、本物の医者は国を治す」というのがあります。これを治療家に例えるなら「普通の治療家は痛みを治す、一流の治療家は根本原因を治す、本物の治療家は患者さんの人生を治す」。皆様のパフォーマンスと健康の一助になれば幸いです。

取材・文/立華徳之真

宮沢 資長(みやざわ・もとなが)
せたがや整骨院・院長。柔道整復師、鍼灸師、(株)メディカルワン代表取締役。日本体育大学を卒業後、整形外科・整骨院での研修を積み、西洋医学のエビデンスと東洋医学の思想を融合しカイロプラクティックを学ぶ。東京都世田谷区にアスリートをベストパフォーマンスへ導く専門整骨院を開業し、クチコミだけで常に予約待ちの状態が続き、プロスポーツ選手や著名人を始め、どこに行っても良くならなかった患者が全国各地より来院している。
せたがや整骨院:http://www.vitaltokyo.com/

 

インタビュアー
立華徳之真(たちばな・のりのしん)

パフォーマー兼パフォーマー専門の美容家・治療家。陸上競技・体操・バスケットボール・フィットネス・トレーニング・ジュニアスポーツ・体育施設運営管理・サプリメント・スポーツボランティアなどの専門資格を所持。また柔道整復師・美容師・登録販売者・診療情報管理士として美容健康領域および出版・映像・イベント・教育・ITなどの実務をこなす。ほか殺陣やアクション、神経系コーディネーションや能力開発などの分野で活動しているハイブリッド。
AVEX Entertainment:http://athleteclub.net/norinoshin_tachibana