スポーツ吹矢って何!?(後編)

名前は耳にしたことがあっても、どんな競技か知っている人は少ないと思われる「スポーツ吹矢」。どういった経緯で生まれた競技で、どのように競われるのか? スポーツ吹矢の実態を日本スポーツ吹矢協会の広報であり自身も公認指導員の資格を持つ宇佐美綾乃さんに聞いてみた。

スポーツ吹矢のルールと腹式呼吸による具体的な効果

――簡単にスポーツ吹矢のルールを教えてください。

「段や級によって変わってきますが、的までの距離は5m〜10mあり、1ラウンドで5本吹きます。的は中心の白い部分が7点、その外側の赤い部分が5点、その外側の白い部分が3点、さらに外側の黒い部分が1点です。全部真ん中に当たると35点獲得できます。2級の場合は5mを2回吹いて42点以上。六段の場合は、10mを6回吹いて186点以上獲得する必要があります」

――1ラウンド何分なのですか?

「約3分です。その間に5本を吹きます」

©日本スポーツ吹矢協会

――スポーツ吹矢に具体的な健康面の効果を感じている人はいますか?

「結構いらっしゃいますね。腹式呼吸を使って矢を吹くため継続することでお腹の力を使うので、ウエストが引き締まり、なかには高血圧が改善した方もいます。そのほかには、喘息が改善した方もいらっしゃいます。効果については個人差がありますが、そのような効果があったという方はよくいらっしゃいます。自律神経に関係しているのではないかと思います」

――会員数はどのくらいいらっしゃるのでしょう。

「全国合わせて約5万5千人です。年齢層は4歳から97歳までの方です。また、全国各地に”支部”があります。47都道府県全てにあり、その数は1200以上です。なかには会員にはならず、支部に入っているたくさんいらっしゃいます。愛好者を含めたら、10万人以上はいらっしゃるのではないでしょうか」

――海外にも支部があるのでしょうか。

「はい、あります。ハワイ、タイ、ニュージーランド、マレーシアの4カ国です。ハワイは大丈夫なのですが、アメリカではスポーツ吹矢の道具を持ち込んではいけない州もあるようです。もちろん、スポーツ吹矢の“矢”は先端が尖っていないので安全なのですが……」

一般社団法人 日本スポーツ吹矢協会 広報室の宇佐美綾乃さん。ご自身も公認指導員の資格を持つ

――現地にいる日本人の方がスポーツ吹矢を広めていったのでしょうか?

「それも広まった要因の一つですね。あとは会員さんが、たまたま旅行などでよく海外に行いったり、仕事で海外に行ったりすることで、現地の日本人会を中心にスポーツ吹矢をぜひ現地の人たちに楽しんでもらいたいという思いが、広まった大きな理由のようです。また、現地の人が実際にやっている人を見たのがきっかけで、興味をもって始めた方もいらっしゃいます。アーチェリー経験者など的に当てる競技は親和性が強い面があるようです」

やってみたい、と思ったら

――体験するにはどうすればいいのでしょう?

「大会と段や級の取得は会員にならないとできません。ですが、体験はお住まいの近くにある支部でできます。まず、『やってみたい』と思ったら、協会のホームページから近くにある支部を探してみてください。また、こちらにメールか電話をいただければ、お近くの支部を探してお伝えすることもできます」

――レッスンは定期的に行っていますか?

「はい、やっていますよ。直営の銀座教室では基本的に年中無休で行っています。体験申し込みをして来ていただければ、専門の先生が指導します。45分間のレッスンで1500円です」

――「やってみたい」と思う方は多そうですね。

「スポーツ吹矢には作法があるので、お子様にもすすめやすいですね。点数のカウントで簡単な計算も行えるので、年配の方の頭の運動にもなります。矢を抜く際に柔らかく小さいものをつまむ行為も、ボケ防止に効果的なのだそうです。何よりゲーム性があって楽しいから続けやすい、楽しみながら健康になれるとみなさん『良いスポーツだ』とおっしゃっています」

スポーツ吹矢協会の今後の活動

――やはり目標はオリンピック競技ですか?

「そうですね。国体のデモンストレーション競技ではありますが、正式種目を目指したい。また学校の部活動として広めて行くのが課題です。というのも、オリンピック競技になるには学校の部活として広まらないといけないからです。中学・高校ではまだ行ってはいませんが、小学校ではクラブを設立しています。また、高等専修学校ではまとまった大会も開催しています」

――日本スポーツ吹矢協会の今後の活動について教えてください。

「もっとたくさんの人に知ってもらいたい、体験してほしいですね。47都道府県協会全自治体に一つの支部を、そして国体正式種目といつかはオリンピック競技になるといいですね。まずは目標は10万人ですが、達成できない人数ではないと思っています。ぜひたくさんの人にスポーツ吹矢の良さを知ってもらえれば嬉しいですね」

©日本スポーツ吹矢協会

取材/藤本かずまさ
構成/高橋静奈