自分で自分の体の説明書を書けるように【髙田一也のマッスルラウンジ 第6回】

タレントや会社経営者など多くのクライアントを指導してきたパーソナルトレーナー、髙田一也が「仕事」と「トレーニング」、「社会」と「トレーニング」の正しい関係性を探るこの連載。今回は新人トレーナーの頃の経験談。

 

トレーニングは多くの問題を解決する手段になり得る

現代はさまざまな情報を、いろいろなところで得ることができます。何かわからないことがあっても、インターネットで検索すれば、すぐに回答を得られます。私たちは、自分の身に問題が起こったとしても、それらを解決する手段がたくさん存在する時代に生きているのです。

そんななか、説明書を見ることなく酷使しているのが自分の体です。本当は、自分の体の説明書はしっかりと読み、内容を把握しておかなければいけません。体に関する知識を広げ、自分で説明書を書けるくらいにならないと、健康をキープしていくことも仕事もやり抜くことも難しいと思います。

多くの人が自分で自分の体の説明書を書けるようになれば、今の日本が抱えている高齢化社会などの問題も、その大部分は解決できるのでないでしょうか。そこで必要になってくるのがトレーニングです。我々40代のトレーナーは、若い世代のトレーナーを引っ張っていくためにも、「トレーニング」というものを広く普及させていかなくてはなりません。

トレーニングは、本当はつらいものです。時間をつくって、お金をかけて、重たいものを持ち上げて。そのつらさが、いかにして人生にプラスの作用をもたらすのか。そういったことをより多くの人たちに伝えていく必要があります。僕個人としては、それらを伝えきれないようでは、この仕事をやる意味はないと思っています。計画性を持って仕事に取り組んでいる人は、トレーニングの重要性に気がつきやすい傾向にあります。また、しっかりと仕事をこなしながら、しっかりとトレーニングも行って、ビジネス的にも成功を収めている。そういった人を人生の目標にしている方もいます。なかには、社会的地位の高い人たちが取り組んでいるから自分もトレーニングをやってみよう、と思う人もいるはずです。「トレーニングはお金持ちがやるもの」と思われてしまうこともありますが、そういった方々が日常的にジムに通うことは、トレーニングの普及には大きく貢献していると思います。

ただ、僕自身は現状のパーソナルトレーニングの料金は高いと感じています。将来的にはもっと低価格して、トレーニングというものをもっと広げていきたいです。優秀な指導者が増えて、トレーニングを行う人が増えれば、パーソナルトレーニングの料金は下げられるはずです。今、現場で活動しているトレーナーがどれだけ普及させることができるかが、この業界の今後を握っています。「トレーニング」「トレーナー」という存在は、まだまだ一般の人たちが認識している「普通」の概念からはかけ離れた場所にいます。それをいかにして「普通」に近づけていけるか。テーマは「一般とのリンク」です。かつてはテレビへの出演を断り続けていた時期もありますが、今は一般にトレーニングのすばらしさを伝えられるものであれば出演していきたいと思っています。せっかく「トレーナー」という職業に就いたのですから、よりトレーニングを普及させて、より低価格でクオリティの高いパーソナルトレーニングを受けられるような環境をつくっていきたいです。

高田一也(たかだ・かずや)
1970年、東京都出身。新宿御苑のパーソナルトレーニングジム「TREGIS(トレジス)」代表。華奢な体を改善するため、1995年よりウエイトトレーニングを開始。2003年からはパーソナルトレーナーとしての活動をスタートさせ、同時にボディビル大会にも出場。3度の優勝を果たす。09年以降はパーソナルトレーナーとしての活動に専念し、11年に「TREGIS」を設立。自らのカラダを磨き上げてきた経験とノウハウを活かし、これまでに多数のタレントやモデル、ダンサー、医師、薬剤師、格闘家、エアロインストラクター、会社経営者など1000名超を指導。その確かな指導法は雑誌やテレビなどのメディアにも取り上げられる。
TREGIS 公式HP