運動する女性のための食事&栄養ガイド【川﨑泰代の美筋食 第1回】

こんにちは。「走るフードコーディネーター」の川﨑泰代です。私は42.195kmのフルマラソンを競技として行うランナーであり、体づくり、健康づくりのための食事と栄養について皆さんにお伝えするフードコーディネーターとしても活動しています。この二つの活動を通して、しだいに「走るフードコーディネーター」と呼ばれるようになりました。

運動することと食べることはセット

私が食事や栄養を考えるようになったのは、食べないと力が出せない、うまくパフォーマンスにつながらない、勝てない(結果が残せない)、だからお腹がすいたら何かを食べるということを、幼い頃からスポーツをやっていて感じ、実践してきたからです。

今はマラソンにも女性アスリートがけっこういます。健康志向であっても、美を追求することを目的としていても、食事、運動、休養の3つは必ずセットとして考えるべきものです。ところが女性は痩せたい願望が強いため運動=スポーツはしても、食事つまり栄養を摂らなさすぎなのです。栄養を摂らずに運動をすると故障もしますし、病気にもつながってしまう。消費カロリーよりも摂取カロリーを低くすると、そのときは確かに「痩せる」という結果が出るのですが、体には大きな負担がかかっています。

栄養が足りていないので貧血になりやすい、年齢を重ねるにつれて骨粗しょう症になりやすい、肌荒れを起こしやすい、便秘がちになる、などなど。食事について間違った考え方、間違った食べ方をしていては健康的に痩せることはできませんし、運動も続けることができません

私は、「上手に健康的に痩せたいのであればもっと栄養もしっかり摂ってくださいね」ということを、自分の経験や失敗も生かしつつ栄養面から皆さんにお伝えしたいです。このコラムでは、運動する20~40代の女性を中心に、女性に必要な食事と栄養についてお話していきたいと思います。第1回目は、運動と食事についての基本の知識についてお話しします。

「これを食べればいい」という食品はない

運動する女性にとって、これを食べたら絶対に疲れないとか、強くなれるとか、そういった食品はまずありません。日頃の食事をバランスよく摂ること、それが鉄則です。五大栄養素といわれるタンパク質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラルは、どれを抜かしてもダメです。

タンパク質は、骨や筋肉、髪の毛、血液など、体そのものをつくります。脂質は、体の中で細胞を包む膜をつくったり、エネルギーにも変わったりしてくれます。油だからと特に女性は脂質を抜かしがちですが、「油断大敵」という言葉もある通り、これを抜かしてしまうと体が危険な状態になります。脂質と聞くと脂っこい揚げ物などを想像する人が多いかもしれませんが、アマニ油、えごま油、魚の油などは摂ったほうがいい油なのです。

糖質は、まず脳が働くために必要です。つまり体全体を動かすエネルギー源でもあるので必ず摂ってください。ビタミン、ミネラルは体の機能を潤滑にしてくれます。疲労の回復を助けてくれるビタミンB1は野菜や果物だけでなく、お肉にも豊富に含まれていています。ミネラルは海藻やナッツ類からも摂ることができます。

©Nishihama-Fotolia

そのほか、食物繊維、酵素、発酵食品、クエン酸などの機能性成分も注目されています。これらの栄養素や成分がすべて合わさることでパーフェクトな体がつくられます。ですからどれ一つ抜かすことなく、毎日バランスよく食べることが大事です。

私は食育アドバイザーとしても活動していて、その際皆さんによくお伝えしているのは、カロリー計算をするよりも、厚生労働省と農林水産省が策定した「食事バランスガイド」にのっとって食事をしましょうということです。1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかを考える際の参考になる食事の望ましい組み合わせとおよその量をイラスト付きの表でわかりやすく示したものです。女性か男性か、何歳か、運動するかしないかでも分かれています。毎食その表を見ながら組み立てればパーフェクトな献立ができます。

ただし、あまりにストイックになりすぎると続けることができません。ときには手を抜くこともよしとしてください。今日はこの食事を食べられなかったので翌日にまわそうとか、今日は飲みすぎてしまった翌朝は控えめにしようとか。全部を完璧にやろうとするのではなく、ゆるーくでよいので、頭の中でバランスのとれた食事というのをまず意識することです。

構成/石田佳子


川﨑泰代(かわさき・やすよ)
フードコーディネーター。アスリートフードマイスター。食育インストラクター。IHクッキングクリエーター。小学生のころよりバレーボールを始め、以来スポーツが生活に欠かせないものとなる。「走るフードコーディネーター」として、自らもフルマラソンに挑戦するなどアスリートとしての顔も持つ。自身の経験から「強い体と心は『食事』で作られる」というコンセプトのもと、一般アスリートからトッププロまで幅広く食事を指導。現在はサッカーJリーグU-18育成選手の食事指導にもあたっている。テレビ、ラジオ、雑誌などメディアでも活動している。
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