トップトレーナー対談「見られているところは人間性」(有馬康泰②)【髙田一也のマッスルラウンジ 第14回】

かつて原宿ゴールドジムのオフィシャルパーソナルトレーナーとして活躍していた髙田一也さんと有馬康泰さん。2人はよい意味のライバルでもあり、ともに『先駆者』として今日に続くパーソナルトレーニング業界の礎をつくってきたと言っても過言ではない存在だ。今回のシリーズでは、そんな2人のカリスマによるに「夢の対談」をお伝えする。第2回目は、パーソナルトレーナーとして今の地位を築くまでの道のりを語ってもらった。

僕たちの仕事は相手の立場に立つことが大事

髙田:トレーニングをはじめたのは25歳からです。そのジムで4年間、トレーナーをしていました。その後、原宿のゴールドジムに移ったのですが、そのころのパーソナルトレーナーは、まだ職業としては成り立っていませんでした。しかも僕なんかはいい歳になってからトレーナーをはじめたので「それ一生食べていけるんですか?」と言われたこともありました。そんなこともあって不安は強かったんですけどね。

でも、当時から今に至るような将来像は考えていました。具体的に「自分でジムを持って」とまでは固まってはいなかったんですけど、フリーのパーソナルトレーナーとしてではなく、ゆくゆくは何かをしないといけない……。そんな気持ちを持っていて。でも体づくりを含め、今できることを最大限にやるということが、将来に繋がることだと信じていました。当時、有馬くんが「自分たちはモデルであって、指導者であって」とmixiに書いていたんですが、思い出してみると、それが自分のジムを創ることに繋がってきたってことですよね。

有馬:よく覚えてますね! 確かにそれを書いたな~って。トレーナーは指導者でもあるんですけど、「目標となるカラダ」を持っていたほうが、よりお客様には説得力があるじゃないですか。それにキツいトレーニングをしているからこそ、インターバル中は楽しい話を心掛けていたりと、ある意味芸人みたいな要素もあったり。そこが髙田さんや長沼くんのすごいところだなって思ったり。

今は誰でもパーソナルトレーナーになれるじゃないですか。僕のところにも有名ジムのトレーナーさんがレッスンを受けにくるのですが、人間性って大切だと思うんです。

スタッフにも言うんですが「人として成長できなければトレーナーとしても成長できないですよ」って。知識・技術があっても、その人に合うレベルで伝えられているかとか、カタチだけを教えてないかとか、そういうことがすごく大切で。僕はそんなようなことを伝えたいんです。

髙田:そういった考えが有馬くんとは一致したんです。よく言うじゃないですか、トレーナーは指導ができて当たり前って。これは学校の先生でも同じで、勉強を教えられるのは当たり前。だけど、子どもに好かれる先生と興味を持たれない先生がいる。どうやったら子どもに好かれる先生になれるか、どれだけ子どもに影響力を持って伝えることができるか。トレーナーも指導力というのは当たり前の話で、人間性とか、生き方を通してクライアント様にどれだけ影響を与え、わかってもらうことができるかだと思うんです。有馬くんとは深刻に話さなくても、その振る舞いや指導から、同じような気持ちを最初から感じたんです。

最近はパーソナルトレーナーを目指す人も多くなってきて、単純に「体をつくったらいいんでしょ?」とか、「大会で結果出したらいいでしょ?」とか、そういう意識を持っている人も多いんですけど、僕は全然違うと思うんです。だってすごい人はいっぱいいる。でも、その人たちが全員トレーナーをしているかというと違いますよね。ほとんどの人は趣味でトレーニングをしている。だからトレーナーは体づくりができて当たり前だと思うんですけど、でもそれだけじゃない。よさを伝えるにはプラスアルファが必要なんですよ。

有馬:僕も、現にトレーナーや、これからトレーナーになりたいという人から「コンテストで何位になればココで働けるんですか?」とか、「テレビとか雑誌とかに出るにはどうしたらいいですか?」って聞かれることがあるんです。でも順位はまったく関係ない。やっぱり見られているところは人間性と思うんです。

知識・技術を持つのは当たり前であって、でもそれをうまく伝えられなければ、その知識・技術を活かしきれません。指導の際には相手の立場を理解したり、その時々の順応性がないと伝えきれないと思います。この仕事は人と人とのやりとりなので、やはり大切なのは、人間的な部分。自分を知って頂き相手を理解することで その人に合った処方箋を出すことができ、信頼を築きあげていけるのだと強く思います。

髙田:ウチのトレーナーたちにも「人の気持ちを考えなさい」とよく言っています。僕たちは人から教わったことがあまりない。でも、どうしたら大勢いるパーソナルトレーナーの中から僕を選んでもらえるか、それを常に考え仕事をしてきたんです。でもそれって人の気持ちだったり立場だったりを理解して、その人に適したものをどれだけ指導できるのかだと思うんです。

髙田一也(たかだ・かずや)
1970年、東京都出身。新宿御苑のパーソナルトレーニングジム「TREGIS(トレジス)」代表。華奢な体を改善するため、1995年よりウエイトトレーニングを開始。2003年からはパーソナルトレーナーとしての活動をスタートさせ、同時にボディビル大会にも出場。3度の優勝を果たす。09年以降はパーソナルトレーナーとしての活動に専念し、11年に「TREGIS」を設立。自らのカラダを磨き上げてきた経験とノウハウを活かし、これまでに多数のタレントやモデル、ダンサー、医師、薬剤師、格闘家、エアロインストラクター、会社経営者など1000名超を指導。その確かな指導法は雑誌やテレビなどのメディアにも取り上げられる。
TREGIS 公式HP

 

有馬康泰(ありま・みちひろ)
日本体育大学で運動処方を主に学び 教員免許を取得。卒業後、大手フィットネスクラブへ入社し パーソナルトレーニングの存在を知る。1999年に国際ライセンスを取得し、フリーランスパーソナルトレーナーに。GOLD’S GYMを中心に活動し 2009年よりアンダーウェア&フィットネスモデルとしても活動。2014年にはReebokONEアンバサダーに就任。2012年ベストボディジャパン ミドルクラス優勝を機に、フィジークコンテスト優勝・入賞多数。2014年にパーソナルトレーニングスタジオ「Body Work Space EVOLVE.」を設立し、『運』を『動かす』"運動"の魅力を発信し続けている。
有馬康泰公式ブログ
EVOLVE.公式HP