たかが体重、されど体重(阿部美早)【マッチョ女子倶楽部⑰】




コンテストに挑む女性は何をキッカケにトレーニングを始め、どんな日常を送っているのか。そんな内容を阿部美早さんと高橋夏美さんに交互に綴ってもらう連載。今回は阿部さんが『体重』について考えます。

前回のコラムで2015年の日韓親善大会についてお伝えしました。この年は、日韓親善大会後にオールジャパン選手権を控えていました。まずオールジャパンの結果からお伝えしますと身長別で第2位でした。

前年は身長別で優勝し、オーバーオールでも優勝していましたから、結果的には、比較するとよくなかったのです。この「よくなかった」というのは大会への過程からも、結果からも言えることです。

どんな過程だったかというと、自分自身プレッシャーに押しつぶされ、勝たなきゃいけないという焦る気持ちと、前年の優勝したコンディションになかなか近づけることのできない調整面からの不安……。

優勝したコンディションの体重が56~57㎏、2015年のコンディションが、推測ですが60~61㎏。

※なぜ推測かというと、大会直前の体重の数字で一喜一憂して、乱れていたキモチを自分なりに抑えるためには、体重計に乗ることを止めるという行動を取ったからです。

ちなみに、昨年のオールジャパンは57㎏のコンディションで、身長別で優勝しました。しっかりとシェイプされていなければ、いくらアウトラインが美しくてもいい評価を受けることはできません。
厳しい表現の仕方ですが、”先ず絞れていないと比較審査で評価をされない”ということを頭に置いて、減量期間取り組んでいました。

ここからは、体重に関してお話したいと思います。
コンテストへの調整段階に入るとき、体重測定は毎日行うことが自分自身ベストだと考えています。数字はカレンダーもしくは手帳に記録します。
食べたもの、運動量、睡眠時間、女性特有のホルモンバランスの問題、さまざまなことで体重は変化します。

たかが体重、されど体重。
体重はコンディションをつくる上での目安のひとつとなります。

ウーマンズシェイプ誌の表紙を飾った2013年秋。
月刊ボディビルディング誌の表紙となった2014年秋。
どちらも体重は58㎏前後であるが、肉体的成長が見てとれる

そんな偉そうなことを言っても、オフ期間の私はどうしても体重計から目をそらしてしまいがちでした。
自宅にある体重計が壊れたのをいいことに、私はしばらく体重計に乗っていませんでした……。

今の私はボディフィットネスの競技から離れ、趣味でトレーニングをしている日々を過ごしています。オンとオフの差が激しい私は服のサイズも幅広く、すでに大きなサイズのものを着ています。

先日、職場の健康診断があり久々自分の体重を知ることになりました。
体重計に出た数字を見て絶句。思っていたよりも、4㎏オーバー。カラダはデカイのに、ハートはナイーブ……。

『重い分、ガンガントレーニングだ。今だ! 筋肉量を増やすのだ』
『体重なんて、たかが数字だ。気にするな』
『いや、気にする。腰まわりの脂肪が現実だ。目をそらしてはいけない。なるべく脂肪を増やさずに筋肉量アップだ』
『その一口が1週間後には脂肪となる。今は“美味しい! 幸せ!”でも後で後悔』
『よし体重測定、再開だ』

自問自答。
キモチの整理で、自宅に姉が購入して置いてある、なぜかアナログな体重計に乗ることに決めたのでした。

今年も残すところ、2カ月切りました。人前でお腹を出しても恥ずかしくない、ある程度引き締まったお腹で年を越すことが私の密かな目標です。

体重計に乗ることを避けている方がいらっしゃいましたら、ぜひ私と一緒に、現実と向き合い、余計な脂肪とはスッキリおさらばして新しい年を越しましょう。

あと今年も残すところあと2カ月です。2カ月あれば、人は変われます。