カリスマ指導者対談「何かにこだわっているわけじゃなく、やりたいと思ったことはやる」(高田巖③)【髙田一也のマッスルラウンジ 第21回】




パーソナルトレーナーとして確固たる地位を築いてきた髙田一也さん。今回の対談はエアロビクスのインストラクターとして多方面で活躍されている高田巖さんを招いての第3回目。超ポジティブ思考の巖さんと、普段着の一也さんのやりとりは必読です!

※読まれる前にひとつだけご注意。「(笑)」が多く、うるさく感じる方もいらっしゃると思いますが、それくらい笑いが絶えない対談となりました。雰囲気を正確にお伝えするため何卒ご容赦ください。


高田一也(以下、一也):以前、巖さんが大阪の大会に出場するときも「これから大阪に行ってきます」とあいさつにきてくれたんですよ。そのとき「水はどのくらい飲みました? 腹筋見せてください」というやり取りがあったんです。そこで「今のタイミングで水1ℓを全部飲んでください」と言ったら、冷たい水にも関わらず全部飲んでくれましたよね。

高田巖(以下、巖):そのときには水抜き、塩抜きや仕上がりとかいう言葉の意味をわからなかったし、恥ずかしながらカーボアップって言葉も知らなかった。

一也:でも、そのまま一気飲みして。その後の大阪ではちゃんと優勝してきてくれました。

:大阪の大会とき、一也さんから白米とスイカを買っておくように言われまして、大阪に着いてスイカを買いにスーパーを探したんですけど、駅の近くにはスーパーがないんですよ‼︎ しかも、その時はまだ5月、スイカの季節でもない(笑)。仕方がないから電車に乗って郊外のスーパーまで行き、やっとの思いでスイカを買いましたよ(苦笑)。
 
一也:こういうことも、巖さんはちゃんとやってくれる(笑)。

:そして大会直前に買い物しようと近くのコンビニに行ったら店のオーナーらしき方に「君、ボディビルダーかね!?」と地元の人に話しかけられてもらい、ボディビル初心者でありながら、ボディビルダーに見られているんだなぁ〜と思ったらなんだが嬉しくなり、気合も入ってまさかの優勝ができました。エアロビクスの大会のときは、ここまで徹底した体調管理もしてなかったし、そこまで考えてもいなかったので、今思うと無鉄砲でホント恐ろしいなと(笑)。

一也:そしてグアムの大会にも出たんですよね。

:グアムの大会のときは、連盟がメンズフィットネスのカテゴリーを設けていただけるという、とてもありがたく嬉しいお話をいただき「ならオールジャパンチャンプとしては行くしかないでしょ⁉︎」と意気揚々的な感じで参加しました(笑)。しかも海外での大会なんて滅多に経験できないチャンス‼︎ その中でも、のびのび自由に、そして自分らしさが大会で発揮できればという気持ちでしたね。

一也:いつくらいからボディビルにはまりました?

:やはり大阪の大会で優勝してからかな⁈ 今さらながら「優勝したら辞めます」ってキレイに引き際よく言っておけばよかったのにね(笑)。でも、気がついたら優勝した次の日もいつもと変わらずトレーニングしてたし(笑)。ここが体が変わる楽しさを自ら感じた瞬間だったかも⁈

一也:そういう向上心もある。それに特定のジャンルにこだわってないという感じ。エアロビクスが専門なのに体づくりも結果を出してる。その年齢的でのチャレンジ精神は、本当にすごいと思っています。

:自分は特に取り柄もないので、だから何かにこだわっているわけじゃなく、やりたいと思ったことはやるって感じですかね!? やりたいことをやるのが楽しい、ただのハマり性ですかね〜!?(笑)

一也:エアロビクスの先生で巖さんに憧れる人もいるかもしれませんね。そうすると体づくりにも興味を持ってもらって、また新たしい何かができるかもしれない。僕は巖さんがそういう人になってもらいたいなとも思っているんです。生き方を含めて、僕は巖さんをすごいなと思っている。まったく悲性壮感というものもないし。だからトレーニングでは逆に大変そうにしてやりたいんですけど(笑)。

大変そうって何が大変なの?(大笑)

一也:そういうところが、僕も見習うべきところなんですよ。多くの人が面倒臭がるようなことも、巖さんはまったく面倒臭く感じさせない。それに、例えば風邪をひいたとしても「そんなのひいてる暇ない」という感じ。自己管理なども徹底している。

それにまた、フィットネス系以外にもさまざまな資格を持っていたりもするんですよね。大型免許とか溶接の資格とか。巖さんとトレーニングしていると、そういう部分でも新しい発見があるんですよ。例えば「大型をなんで取ったの?」って聞いたら、「前に働いていたスポーツクラブの送迎で取らなきゃいけなかった」と。

:スイミングバスの送迎は、そのとき働いていた上司から大型免許は国家資格だし、持っていてたら、何かの役に立つかもよ〜と言われ……。自分の中で万一、今の仕事で自分がケガをしてしまったときも運転手として生活できるじゃんなんて軽い気持ちでした(笑)。

一也この雑草魂みたいな所が自分と共通してて気が合います(笑)。巖さんを見てると「生きる」ことと「フィットネス」ということがすごく結びついているように感じるんです。どこに行っても生きていけるたくましさを持っているとも感じています。

(つづく)

髙田一也(たかだ・かずや)
1970年、東京都出身。新宿御苑のパーソナルトレーニングジム「TREGIS(トレジス)」代表。華奢な体を改善するため、1995年よりウエイトトレーニングを開始。2003年からはパーソナルトレーナーとしての活動をスタートさせ、同時にボディビル大会にも出場。3度の優勝を果たす。09年以降はパーソナルトレーナーとしての活動に専念し、11年に「TREGIS」を設立。自らのカラダを磨き上げてきた経験とノウハウを活かし、これまでに多数のタレントやモデル、ダンサー、医師、薬剤師、格闘家、エアロインストラクター、会社経営者など1000名超を指導。その確かな指導法は雑誌やテレビなどのメディアにも取り上げられる。
TREGIS 公式HP
高田巖(たかだ・いわお)
民間フィットネスクラブを中心に、インストラクターとして活動。東京都内を拠点としエアロビクス、アクアビクス、ヨガ、調整系、ダンス系、リラクゼーションのレッスン、そしてジムパーソナル、スイミングパーソナル等、様々なカテゴリーを担当。2016年JAFスポーツエアロビック仙台オープン優勝、AFスポーツエアロビック福岡オープン準優勝。

インタビュアー
立華徳之真(たちばな・のりのしん)
パフォーマー兼パフォーマー専門の美容家・治療家・スポーツ指導者。陸上競技・体操・バスケットボール・フィットネス・トレーニング・ジュニアスポーツ・体育施設運営管理・サプリメント・スポーツボランティアなどの専門資格を所持。また柔道整復師・美容師・登録販売者・診療情報管理士として美容・健康・医学領域および出版・映像・イベント・教育・ITなどの実務をこなす。ほか殺陣やアクション、神経系コーディネーションや能力開発などの分野で活動しているハイブリッド。
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