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食事で紫外線対策をするためには?




「走るフードコーディネーター」川﨑泰代さんに体づくり、健康づくりのための食事と栄養について教わるこの連載。第3回は食事での紫外線対策について。

女性ランナーに紫外線対策は必須

これからの季節、屋外で運動する女性にとって最も気になるのが紫外線でしょう。近年はマラソン人気も定着してきましたが、日中にがんがんと走る女性はあまりいないと思います。朝いちばんに走るか、日が沈んだ夜に走るか。もちろん日焼け止めを塗る、帽子をかぶる、サングラスをするといった対策は鉄則です。その上で、食事でも紫外線対策は可能なのです。今回はその方法をお伝えしようと思います。

© lzf-fotolia

私たちの体は60兆個もの細胞でできています。目も髪も肌も細胞でできていて、その一つひとつに栄養がいきわたることで、私たちの体は機能しています。

「目にいい栄養」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。つまりそれは、食べたものに含まれる「目にいい栄養」が目の細胞に届けられて、そこでプラスの作用をもたらすということです。それと同じように、「肌にいい栄養」というものもあります。つまり紫外線と栄養には関係があり、紫外線対策として有効な食事法もあるのです。

紫外線を浴びすぎると、メラニン色素が増えてきて肌の老化を進行させてしまいます。それはシワやシミの原因にもなります。これを予防するには活性酸素を体の中から除去すること、つまり抗酸化作用のある食材をとることです。

活性酸素を除去する働きがあるのは、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEで、私はこれを「ビタミンACE(エース)」と呼んでいます。これにリコピンなどの抗酸化作用のある食品を加えるとより有効です。

ビタミンAは、皮脂の新陳代謝を促進して日焼けを遅らせる働きがあります。ニンジン、カボチャ、モロヘイヤ、ウナギなどに多く、これらに含まれるβカロチンは油と混じると吸収率がよくなります。

ビタミンCは、メラニンの沈着を抑える働きがあり、メラニン色素を減らしてシミを薄くするなどの作用があります。レモン、オレンジなどの柑橘系に多いのですが、イチゴ、ジャガイモ、ドライフルーツなどにも含まれます。ビタミンCのサプリメントを導入している人も多いかと思いますが、日頃の食事からこれらの食材をとっていただけば効果はより上がると思います。

© Africa Studio-Fotolia

ビタミンEは、新陳代謝を促して老化を抑える働きがあり、アーモンドなどのナッツ類、カボチャやカボチャの種、アボカドなどに含まれます。最近はよくクルミやナッツを1日20粒程度食べるとよいとされています。これは老化、シワやシミを抑える効果があるからです。

リコピンは抗酸化作用のある栄養素です。トマト、スイカなどに多く含まれています。トマトについては毎食食べるようにしてもよいでしょう。

毎食これらの食材を意識して食事をとるとよいと思います。たとえばニンジンは油と一緒にとることで吸収率がアップします。生野菜よりも、少し炒めたり、蒸したりしたほうが吸収率はよくなります。

ただ、一概に言えないのは、熱を加えると酵素を壊すということ。だから酵素を気にする人はジュースやスムージーにしてとるのもよいでしょう。ビタミンCはすぐに排出されてしまうので毎食とるようにしたいもの。サプリメントを利用してもいいのですが、ちょっと小腹がすいた時にはイチゴやドライフルーツをとるものいいでしょう。ビタミンEにはアボカドがおすすめ。若干カロリーは高めですが、アボカドオイルというのがあるように、これはいい油なので積極的に食べていい食材といえます。もちろん食べすぎはNGです。

※本記事は、2017年に公開した記事に加筆・修正を加えたものとなります

構成/石田佳子


川﨑泰代(かわさき・やすよ)
フードコーディネーター。アスリートフードマイスター。食育インストラクター。IHクッキングクリエーター。小学生のころよりバレーボールを始め、以来スポーツが生活に欠かせないものとなる。「走るフードコーディネーター」として、自らもフルマラソンに挑戦するなどアスリートとしての顔も持つ。自身の経験から「強い体と心は『食事』で作られる」と言うコンセプトのもと、一般アスリートからトッププロまで幅広く食事を指導。テレビ、ラジオ、雑誌などメディアでも活動している。
川﨑泰代公式HP