日大vs関学大のアメフト問題から考える。子供の頃に教わる大切なこと【佐久間編集長コラム「週刊VITUP!」第12回】

VITUP!読者の皆様、こんにちは。日曜日のひととき、いかがお過ごしでしょうか? 私は子供の運動会(体育祭)2週目です。

さて、運動会で学校を訪問すると、子供たちは、たとえ知らないお父さん、お母さんであっても「おはようございます!」「こんにちは」と元気に挨拶をしてくれます。挨拶はとても気持ちのいいものです。

運動会の競技でも、ズルをしないでルールを守って頑張っています。応援中も「自分の席から応援するように」と先生から言われたことを守って、一生懸命応援しています。お弁当の時間になったら、手洗い場に順番に並んで汚れた手をしっかり洗います。割り込みをする子はいません。手がキレイになったら家族の待つ席にやってきて「いただきます」と言ってお弁当を食べます。

特別なことは何一つありません。全部当たり前のことです。小学生は親や先生から教わった当たり前のことをしっかりと実行しています。

以前、「筋の旅人」のコーナーで紹介した“カリスマ美容師・トレーナー”の川島悦実氏は、「しっかりした大人の条件は子供の頃に教わったことをちゃんとできる人」と言いました。本当にその通りだと思います。

挨拶をする。遅刻をしない。約束を守る。人に優しくする。親に感謝する。ケンカをしたら仲直りをする。食べ物を粗末にしない……etc。子供の頃に教わることというのは、とても大事なことだから、早い段階で教わるのです。なんとか方程式とか、なんとかの法則とか、机の上で完結することよりも、生きていく上でははるかに大事なことです。

現在、アメリカンフットボールの日大と関学大の定期戦で、悪質な反則行為が行なわれた問題がニュースを賑わせています。すでに多くの報道がなされているので詳細は割愛しますが、この問題の根本も、子供の頃に教わったことができていないことだと思います。

アメリカンフットボールに限らずスポーツを始める時に、最初に教わるのはどんなことでしょうか? 「勝つためには手段を選ぶな」「相手にケガさせても関係ない」「反則してもバレなければいい」……そんなことは教わりませんよね。

どんなスポーツでも、競技を始める時に最初に教わるのは礼儀のはずです。試合前後、練習前後には必ず挨拶をしましょう。ルールをしっかり守りましょう。対戦相手に敬意を払いましょう。最後まで全力でプレーしましょう。負けて悔しかったら練習をもっと頑張りましょう……etc。

誰がいいとか悪いとかをここで論じるつもりはありません。自チームの選手の悪質な反則によって、相手にケガをさせてしまった事実があるわけです。監督、選手はもちろん、そこに関わるすべての人たちが、もう一度スポーツを始めた頃に教わったことを思い出してほしい限りです。

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最後にもう一つ。

ラフプレーをしてしまった選手の名前や写真が、インターネット上で公開、拡散されているという話も聞きます(そういうのは嫌なので見ていません)。確かにあのプレーは許される行為ではないかもしれませんが、インターネット上で自分の姿を隠しながら一人の人間を攻撃する行為は反則ではないのでしょうか? 少なくともフェアプレーとは言えません。

人の悪口は言わない。友だちが嫌がることはしない。そうやって教わったはずです。子供の頃、「ケンカをするな」とは言われませんでした。意見をぶつけ合うことは悪いことばかりではないからです。ただし、「ケンカをしても仲直りしなさい」とは教わりました。闘いが終わればノーサイドです。

スポーツだけでなく、人間が生きていく上ではフェアプレーは欠かせません。小学生の頃に教わったことをしっかりやること。小学校の運動会、アメフトの反則問題から、改めて大切なことを考えさせられました。

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアンの取材を手がける。