カリスマトレーナーとプロレス界の鉄人が熱血対談! 小橋建太さん②【髙田一也のマッスルラウンジ 第42回】




大好評「マッスルラウンジ」。プロレス界の鉄人・小橋建太さんとの熱血対談の2回目。ともに実体験から学んだトレーニングが心に及ぼす影響や、「40代」という年齢について語り合いました。

「体を鍛えることで気持ちも強くなっていく」(小橋)
「トレーニングは人生を乗り切るための要素」(髙田)

髙田:「なぜトレーニングをする必要があるんですか?」と質問してくる方もいると思うんですが、それに対してはどう返答されますか?

小橋:健康のためでもあるし、筋肉がつけば格好いいじゃないですか。それに、体が健康になってきたら気持ちも健康になれますよね。みんながみんな気持ちが強いわけじゃないと思うんですけど、鍛えることによって強くなっていくと思うんです。トレーニングをして自分を追い込むことは、心が強くなるための第一歩かなと思います。

髙田:本当におっしゃる通りだと思います。自分も直面したことがたくさんあったんですけど、人ってつらくなるとすぐに言い訳をしようとするんですよね。僕はどこに逃げていたかというと、「もともと自分は素質がない」とか「体が弱かったからだ」とか。そういう気持ちを持っていた時期もありました。でも、マイナスなことを考えるのはやめよう、いろいろなことを乗り越えて次に進まないといけないんだとわかってからは、健康状態がよくなっていったんです。おっしゃる通り、体のトレーニングをしているようで、気持ちのトレーニングになっていたんですよね。つらいトレーニングを乗り切った経験が、人生のすべてを乗り切るための要素になっている気がします。

小橋:僕は引退してから練習量が急激に少なくなったときに、心の中が不安定になったことがあったんです。やはり体を鍛えることと心を鍛えることはイコールなのかなと。

髙田:クライアントさんたちの中には、いろいろな問題を抱えていらっしゃる方も多いんですよね。たとえば経営者で重い責任があって、人には言えない大きな悩みを抱えているとか。そういった方々が、トレーニングをやることによって乗り切っていく過程も見させていただきました。

小橋:体が良くなれば、心も自信がつくんですよね。

髙田:僕は今年で48歳になるんですけど、健康でいられるのはこの経験によってだと思うんですよね。僕が知っていただきたいのは、自分が努力をすれば健康や体はつくれますよと。大人がトレーニングするということを、日本でももう少し普及できたらいいなと思います。

小橋:僕もそうなんですよ。今は高齢化社会で、60歳以上の人が4人に1人くらいいるじゃないですか。健康は自分自身で守ってほしかったので、ジムをやりたいなと思ったんです。ただ、60歳以上の人がどうしたら来やすいか、どうしたらトレーニングに馴染んでくれるのかという入口が非常に難しいじゃないですか。そのくらいの年代だと、インターネットで見てというのはなかなかないと思うので。だから地道に宣伝して、そういう人たちにも来てもらえるようになりました。僕がやっているジムには80歳以上の人もいるんです。

髙田:それはすごいですね。小橋さんは以前「男は40から」と発言されたことがありましたが、その年齢から何か上積みを得られたと実感されたことはありますか?

小橋:39歳でがんになって40歳で復帰したとき、リングで「男は40から」と思わず言ってしまったんです(笑)。でも、実際そうだと思うんですよ。ボディビルでも、50歳近い人がチャンピオンになっているじゃないですか。若いときとは違うテクニックとか人生の経験があるから、40歳以上が強いんじゃないですかね。

髙田:40歳になると、世間の常識に自分を当てはめようとしてしまうところもあるじゃないですか。「もう40だし」とか「もういい歳だから無理じゃないか」とか。でも、じつはそんなに体力が落ちているわけではないと思うんです。それまでの生活習慣にあまり気を遣ってこなかったことによって、悪い習慣が体力に悪影響を及ぼすのが40代なのかなという気がするんですよね。

小橋:その通りだと思います。

髙田:小橋さんがおっしゃられたように、40代というのは経験や分別がつくようになって、自己管理もできるようになるいい年代ではないかなと思うんですよね。

小橋:余裕も出てきますし。

髙田:社会の中での自分の立場も見分けがつくようになりますよね。40代でトレーニングを始めて50代、60代、70代とすばらしい人生を歩もうとか。そういう目標ってすごくいいなと思います。

小橋:僕の師匠はジャイアント馬場さんなんですけど、笑顔が素敵な方だったんです。最近では僕が何度も試合をしたスタン・ハンセン。日本に来たときに会ったりすると、素敵な笑顔なんですよね。世界チャンピオンだったハーリー・レイスもすごくいい笑顔なんです。だから僕も笑顔の素敵なおじいちゃんになりたいと思っています。そのためには今を一生懸命生きないとダメなので、トレーニングをすることも大事だと思います。

髙田:一番身近な道具である体を管理していないといけませんよね。

取材&構成&撮影・編集部

髙田一也(たかだ・かずや)
1970年、東京都出身。新宿御苑のパーソナルトレーニングジム「TREGIS(トレジス)」代表。華奢な体を改善するため、1995年よりウエイトトレーニングを開始。2003年からはパーソナルトレーナーとしての活動をスタートさせ、同時にボディビル大会にも出場。3度の優勝を果たす。09年以降はパーソナルトレーナーとしての活動に専念し、11年に「TREGIS」を設立。自らのカラダを磨き上げてきた経験とノウハウを活かし、これまでに多数のタレントやモデル、ダンサー、医師、薬剤師、格闘家、エアロインストラクター、会社経営者など1000名超を指導。その確かな指導法は雑誌やテレビなどのメディアにも取り上げられる。
TREGIS 公式HP
小橋建太(こばし・けんた)
1967年3月27日、京都府出身。全日本プロレス時代は四天王として活躍。NOAH移籍後、ヒザの大手術を乗り越えてGHCヘビー級王者に輝き、13度の防衛に成功し、絶対王者と呼ばれる。06年に腎臓がんが発覚したが、07年12月に奇跡の復活。13年5月11日に引退し、現在はプロレス興行「Fortune Dream」のプロデュースや解説など、幅広い活動でファンに元気や勇気を与えている。また、2018年4月には自身が代表を務めるジム「エニタイムフィットネス等々力」をオープンした。
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