闘うためのトレーニングを敢行中!①【水道橋博士の体言壮語】

水道橋博士が、かなり追い込んだトレーニングをしている。
毎日のようにパンチを思い切り打ち込む練習までしているという。酷暑の中、なぜここまでのトレーニングをしているのか? モチベーションは一体…? 気になる、本気のチャレンジを追う!

譲れないモノがあるからトレーニングに耐えられる!

訪ねたのは高円寺の「イシイカイロプラクティックオフィス」。指導するのは、代表の石井基善(いしいもとよし)さん。カイロプラクター&上級加圧トレーニングインストラクターで、また現役柔術家として活躍するなど格闘技経験が豊富で、ランニングの指導でも定評がある。

博士と石井氏は縁が深い。加圧トレーニングによって肉体改造し、「浅草キッドが山本KIDになって東京マラソンに挑戦する」という企画をサポートした。この詳細は『筋肉バカの壁 [博士の異常な健康PART2] 』に書かれているが、博士はマスターズ陸上(シニアの陸上大会)&ホノルルセンチュリーライド(100マイル自転車レース)に参戦するなど、これまでも肉体の限界を超えようとしてきた。博士が信頼するカラダのプロフェッショナルだ。

博士と(株)石井道場代表・石井基善氏
http://ishiidojo.com/

だから、本格的なトレーニングを行なっても不思議ではないのだが、最近まで博士の運動といえば水中ウォーキングが主なものだったという。

「ジムに夕方に行って、おじいちゃん、おばあちゃんたちに混じって、ポッドキャストや音楽を聞きながらウォーキングしてた。55歳だからこれぐらいでちょうどいいだろう、やり過ぎは年寄りの冷水だ、と思っていたからね(笑)」

それに博士はタチの悪い腰痛を抱え、定期的に治療しなくてはならない。こうした条件にもかかわらずハードワークをする背景には、ある“対決”に挑むためだった。

事の発端は堀江貴文氏のYouTube番組に博士が出演したことだった。堀江氏が主宰する会員制コミュニティで『HATASHIAI(果し合い)』という、素人同士が戦うイベントが行なわれているとの紹介があった。なんらかの対立項、因縁がある二人が闘い、まったく格闘技経験のない者も少なくない。たとえば「社長vsヒラ」「ラーメン屋vsパスタ屋」「革ジャンvsスタジャン」など。当初は会員のみのイベントだったが、現在は外部から選手や観客を集め、毎回満員となる人気イベントだという。
HATASHIAI
http://weblog.horiemon.com/100blog/44971/

博士はそれを聞いて「参戦したい」と興味を示した。これまでさまざまな素人同士の対戦が行なわれているが、博士は8月4日に幻冬舎の編集者である箕輪厚介氏と戦うことになった。

形としては博士が箕輪氏に挑むのだが、原点には『洵愛』という幻冬舎から出版された本の存在がある。故やしきたかじん氏と妻について、人気作家・百田尚樹氏が“ノンフィクション”として書いたベストセラーだが、たかじんさんの長女がこの作品には虚偽の記述が含まれていると損害賠償などを求めた訴訟で、2016年、東京地裁はプライバシー侵害や名誉毀損を認める判決を下している。

判決のニュース

博士の最新作の『藝人春秋2』(文藝春秋)という著作のなかでも言及していることだが、故やしきたかじん氏の番組にも過去にレギュラー出演し、また自らをルポライター藝人とも称して「ルポライティングとは何か?」を問いかけている博士にとって、この「殉愛問題」は看過できないものだった。

『藝人春秋2』

何十万という読者がノンフィクション、真実として作品を読んでいるのだから、百田氏はもちろん、出版元の幻冬舎(見城徹社長)に説明と謝罪の必要があるのではないかと疑問を投げかけ、ツイッターなどでも発言していた。

芸能人、また出版人として博士のリスクは大きいが、この点を誰も指摘しないのはおかしいと、義憤にかられての言動だ。

「箕輪君はヒット作の多い名物編集者だし、コミュニティ(サロン)を作って若者に影響力もあるので、“事故本”となった自社の問題についてどう思っているのか聞かせてほしい、と問いかけた。すると『はぁ? 何でオレが?』みたいな、ふざけた回答しかしない。その流れで、『格闘技でやってやるよ』、ということになった」

「この問題はもう何年も経ってしまって世間が忘れている。だから、格闘技の試合に出ることによって世間的な関心を得られる、という効果はあるなと思った」

博士は、本来ならば幻冬舎・見城社長からの弁明が最優先と考えている。一時期見城社長が自ら闘うと発言した(以前からかなり筋トレをやっていて、肉体を誇示する写真を掲載している)こともあって話題になったが、この話は消えたようだ。

「箕輪くんはもうすぐ33歳で俺との年齢差は23。身長も体重も向こうがずっと上回っている。それでガチンコで殴り合うのは、狂気の沙汰だと周りはみんな止めたけどね」

ネットではジョークと受け止める声もあったが、双方とも本気だ。

基本的には16オンスのグローブとフェイスガードをつけたボクシングルールで行なわれる予定だが、7月第3週の時点でルールの最終合意に至っていないなど不透明な要素はある。しかしそれとは別に、博士は闘いに備えてほぼ毎日きっちりとした練習を行なっている。

石井トレーナーは、まず筋肉の鎧を付けさせて、その後に動けるようにするための身体作りをしていると言う。シンプルに身体の強度を上げることに重点を置き、それを地道に繰り返す。

この日は、TRXサスペンショントレーナーというギアを使ったトレーニングから基礎練習が始まった。
多くのジムで導入され始めているので、ご存知の方も多いかもしれないが、これは米海軍特殊部隊(NAVY SEALs)の司令官が開発した。

重力と自重を活用した数百種類のエクササイズが可能で構造はシンプルだが、常に体幹部に刺激を入れて、身体のどこかが床と接していなければならないため、複合的な筋力強化ができる。また、身体全体を使うため、競技ごとの動きの向上にも役立つとされている。

博士がはじめに行なったのはTRXでのチェストプレス。石井トレーナーはパンチの動作につながる肩甲骨の動きを意識させていた。

石井氏は博士がほぼ毎日トレーニングに通ってくる熱意に打たれて、情熱と知識をそそいで指導する。

「筋肉痛は当たり前。最後の息上げがあると思うだけで、もうジムに行きたくなくなるくらい辛い」

と博士は苦笑する。

トレーニングはまだまだ続く。博士の肉体もいい感じで造形されてきた。

(つづく)

水道橋博士(すいどうばしはかせ)
1986年にビートたけしに弟子入り、翌年、玉袋筋太郎と「浅草キッド」を結成。芸人としてはもちろん、文筆家としても数多くの著作を発表している。『藝人春秋2』(文藝春秋)『博士の異常な健康―文庫増毛版』 (幻冬舎文庫)など。日本最大級のメールマガジン『水道橋博士のメルマ旬報』の編集長、またユーチューバーとしても絶賛活動中。