【技アリ☆トレーナーズ】プロレスラーとトレーナーの二刀流・金丸義信②

実力派のジュニア戦士として知られるプロレスラー金丸義信選手は、ボディメイクのパーソナルトレーナーとしても活動している。過酷なプロレス界で生き抜いてきた男が、どのような目線で一般の人を指導しているのか?金丸さんが代表をつとめる『BODY RIGHT STUDIO(ボディライトスタジオ)』で、話を伺った。第1回はこちら。

言われたことをやるだけでなく、
興味と好奇心を持って継続すると結果が出やすい

パーソナルトレーナーとして、自然体で指導する金丸さん。「人に伝える」という目的が、よりカラダに対する知識を深め、それがプロレスにも還元されているという。ひとつの効果として、試合でかなりハードなやり合いをしてもケガをしにくくなったことが挙げられる。

「あまり大きなケガをしていません。たとえケガをしてもプロレスラーは簡単には休めませんが、ケガをしているなりに、こういう動きだったら、こういうトレーニングだったら行なっても痛みが出ない、という判断がつくようになってくる。試合ではケガしている部位を攻められたくないんですが、まあ、やられたらやられたで、こっちもやり返しますけどね」と、ニヤリ。このときばかりはヒールっぽい雰囲気が前面に出てきた。

もちろん、ジムでは頼れる優しい指導者であり、クライアントの個性を重んじている。

「カウンセリングでまずお話をうかがいます。約9割はダイエットが目的ですが、皆さん、年齢や性別はもちろん、生活習慣も違います。こうなりたい、という理想像があって、どうしてもここが気になるという悩みもあります。僕とお客様がそれらを共有して、トレーニングメニューや食事指導の内容が決まっていきます」

食事の大切さはカウンセリング時にも丁寧に説明するという。

「ストイックな食事管理を求めているわけではありません。バランス(たんぱく質・脂質・炭水化物の栄養素)をとって、しっかり食べてカラダを作るというのが大切です。ダイエット目的であれば食べない方が望ましいものを最初に指定しますが、あとはその人に合わせて経過を見ながら指導します。食べたもの、食べるものをLINEで送ってもらって判断して、修正していきます」

地方でも試合が頻繁に行なわれる忙しいスケジュールでも、きっちりとクライアントをケアする真摯な姿勢が伝わってくる。

しかし、食事をどうすればバランスよくできるか、どういう食べ方が最適か、その情報は世間にあふれていて、一般人にはどうすればいいか悩ましいところだ。

「理論は大切です。でも、それぞれ体質も違うので、ある理論が全部当てはまるかといったらそうではない。僕が試したり、見てきたりした長年の経験も重視しています。しっかり食べても体重が落ちていくのは、カラダが必要とする食事と、トレーニングによって代謝が高まっていくからです。しっかり食べて、約1ヶ月で4キロ体重が落ちたという方もいます。また、10ヶ月ぐらいかけて無理せずに20数キロ痩せた方もいますよ」

ただ、食事の大切さはわかっていても、自分で毎日作るとなるとハードルが高いという人も多い。

「ダイエットを考えるとき、たとえばオートミールをオススメしています。オートミール自体は美味しいものではないんですが、手間をかけて調理しなくても、玉子スープやポタージュスープ、また味噌汁などに入れて、お湯を注ぐだけで完成ですから気軽に摂取するには向いています。コンビニでも売っているドライスープでいいので試してみてください」

オートミールは、ボディビルダーにとってはよく知られているが、最近は朝食として人気があるグラノーラにも含まれている食材なので、一般の認知度も高まっている。豊富な食物繊維とタンパク質が含まれ、食後血糖値の上昇がゆるやかな低GI値食品として、健康効果が高いことは間違いない。

だから、取り入れたいと思っている人も増えているが、「良薬は口に苦し」というのか、味が付いておらず、また麦特有の雑味や苦味があるため、なかなか手が出にくい。しかし、金丸さんが言うようにスープの素などを活用すれば簡単に食事として習慣化できそうだ。

「食事の改善はもちろん、次回ジムに来るまでに自重トレーニングも少しずつやってほしいとお伝えします。とにかく、言われたことをただやるのではなくて、興味と好奇心を持って継続する方は結果が出やすいですね」

やはり継続の力は大きく、ずっと通い続けているうちに男性並みのウエイトを上げる女性もいるそうだ。この女性にはほとんどスポーツ体験がなかったという。また、継続することで想定以上の効果が見られることもある。

「40代の男性でメンタル的な症状があった方がトレーニングを継続するうちに、最終的には12キロ体重が落ちて、メンタル面でも落ち着いて、かなり良い状態に回復したのは印象的でした」

金丸さんの経験と人柄は、トレーニングに打ち込む気持ちをグっと後押ししてくれることだろう。

プライベートジムBODY RIGHT STUDIO

取材・文/押切伸一 撮影/神田勲

金丸義信(かねまる・よしのぶ)
1976年生まれ。巧みなインサイドワークとテクニックを誇る実力派プロレスラー。現在は新日本プロレスを主戦場としている。ニックネームは「ノブさん」。パーソナルトレーナーとしての活動を経て、完全個室プライベートジム「BODY RIGHT STUDIO(ボディライトスタジオ)」の代表兼インストラクターをつとめている。ジムは16回のコースが基本となり、60分と75分の2パターンがある。