見知らぬ“同志”が集まる空間【コラム:ジムほど素敵な場所はない 第1回】

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ウエイトトレーニングと出会ったのは、高校生の時でした。
当時は基本的な筋トレの知識もありません。なんのテーマも計画もなく、校庭の隅にあったバーベルを昼休みに上げられるだけ上げるという幼稚なものでした。

それでも徐々にその魅力にひかれ、大学でも体育館にあった筋トレルームに通いながら、スポーツジムにも入会しました。何度かのブランクはありましたが、なんだかんだで15年ほどトレーニングを続けています。
筋トレだけでなく、プールも利用します。思い切ってエアロビやヨガなどのスタジオプログラムにもトライしました。

編集者という職業柄、これまでに多くのトレーニーやトレーナー、研究者の方々と出会う機会がありました。公営体育館、チェーン展開のジム、個人経営のジム、マッチョしかいない本格派ジム、24時間ジム……と、いろいろな施設も見てきました。そして、こんな素敵で楽しい空間は他にないなと思うようになりました。

老若男女。
初心者から上級者。
多種多様な職業や地位。
鍛えたい場所や鍛える目的も人それぞれでしょう。
しかし共通点があります。みんな汗をかき、顔をゆがめ、「がんばる自分」をさらけ出しています。
偶然いあわせた一つの空間で、「体をより良くしていく」という目標に向かい、ともに努力を続ける“同志”たち。
同じように様々な人が集まる電車やスーパーや飲食店では、このような光景は決して見られません。

きっと昼間はバリバリのキャリアウーマン。そんな彼女が泣きそうになりながらダンベルと格闘しています。
部下が何人もいるんだろうな。そんなオジサマが風呂場のベンチに大の字です。疲れのあまり、隠すべき箇所を隠そうともせず。
部活のTシャツを着た女子大生は、レギュラー獲得が目標かな?
タンニングマシンから出てきたお兄さんは、コンテスト前ですね。
ちょっとそこのカップル、いちゃつくのはウチに帰ってからにしてくれないかな。
40代くらいのオバサマ、そのおなかはちょっと時間がかかりそうですね。がんばってください!

ああ……人が生きている。
そう感じてしまう日々です。

このコラムでは、そんな独特の空間で感じたこと、愛すべき人たちとの体験や出来事などを書いていきたいと思います。すでにジムに通っている人には共感していただければうれしいですし、未経験者の方にはジムの楽しさを知っていただき、それが新たな人生のドアを開くきっかけになれば幸いです。

文/ジェット・ハヤタ