【鉄人アスリート】サッカー・土屋征夫④~継続の積み重ねで目標達成へ~




スポーツ界の鉄人を紹介していくこのコーナー。今回登場するのは、43歳までJリーグでプレーし、現在も地域リーグでプレーを続けるセンターバック・土屋征夫選手。衰え知らずの身体能力、そして燃え続けるモチベーションの秘訣とは?最終回は、「今後」に対する思いを伺う。
★第3回は→こちら

継続が一番。大きく変えるのではなく、
少しずつ変えながら継続していく

――関東サッカーリーグに所属する東京23FCですが、目標はいずれJリーグにというところだと思います。土屋選手がそこに対してどのようにアプローチしていきますか?

土屋:ここにきて半年ぐらいして、やっとこの環境の仕組みとか、チームの立ち位置とかがわかってきたんですよね。なんとなく聞いてはいたんですけど、Jリーグにいたらリーグの仕組みとかわからないじゃないですか。

――確かに。サッカーのファンでも知らないことは多いと思います。

土屋:そういう中でチームの目標に向かって自分が何をするのかっていったら、僕がこれまでしてきた経験を伝えていくことだと思います。特にこのチームは選手もスタッフも若い人が多いですし、監督も僕より年下ですから。もちろん口で言うのは簡単だけど、実際はそんなに簡単なことじゃありません。でも、J1からJ2までいろんなチームに所属して、大きいチームと小さいチームでやり方が全く違うのは見てきたし、それぞれのチームで選手やコーチ、フロントスタッフの方と話をしてきました。どれがいいと悪いとかじゃなくて、チームによってやるべきことは変わってくると思います。

――それを土屋選手が伝えつつ。

土屋:それぞれがそのことを意識してほしいと思います。もちろん大変なことはいろいろあるだろうけど、自分たちがやるべきことを見つけて、それを行動に移していかないといけない。そうしないとチームとして大きくならないし、目標には程遠いだろうし。みんなで協力してやっていこうという感じですね。

――今後という意味では、東京に戻ったことで、家族と過ごせる時間もまた増えてきたんじゃないですか?

土屋:コミュニケーションをとるやっぱり時間は増えましたね。特に息子は今年、大学生になってプレーしているのですが、話しているとやっと俺のことを認めてくれたのかなって(笑)。同期にはJリーグの下部組織出身の上手い子たちもたくさんいて大変みたいですけど、そういう環境に入ったことで、ちょっとは僕のやってきたことを認めてくれたみたいです。

――息子さんもセンターバックですよね。プレーをご覧になっていかがですか?

土屋:もうまるっきり一緒なんですよ(笑)。身体能力が高くて、足が速くて、ジャンプ力があってヘディングも強くて。身長もほぼ同じで。

――土屋選手が現役を続けることで、いずれ親子対決の可能性もあるんじゃないですか?

土屋:実は先日、息子の大学のサッカー部のコーチに知り合いもいたこともあり、練習試合を組んでもらったんです。でも僕はケガをしていて出場できず、彼はちょうどその日は選抜か何かに呼ばれたかで不在で。両方いないっていうね(笑)。でも、いつかまたやりたいですね。

――最後に、サッカーという年齢厳しい環境のなか現在も現役としてプレーする選手として、何かを頑張ろうって思っている読者の方へメッセージをいただけますか。

土屋:そうですね……。僕は、物事は継続することが大切、だと思っています。一般の方もそうだし、サッカーも含めてアスリートの方もそう。何かを頑張るということは何か変化を加えることだと思うんですけど、今の状態から一気に変えるのって難しいと思うんです。だから、少しずつ少しずつ、何かを変えていくのが良いと思っています。

――土屋選手も、トレーニングや食事面をそうやって変えてきたわけですね。

土屋:自分も正直飽きっぽいん性格をしているんですけど、フィジカルコーチや栄養士の方から、「●●を変えろ」みたいな言われ方をしていたら継続できていなかったはず。でもいい人に出会い、少しずつ変えていったらうまくできたんです。もちろん、本来はプロなんだから、言われたときにガッと変えなきゃいけない部分もあったかもしれないんですけどね。でもそうやって地道に変えていったことで今があると思うし。僕はそれが大切だと思いますね。

――そうすればきっとうまくいくはずだと。

土屋:あとは、自分の好きなものを取り入れていくことかな。誰か「やれ」って言われても、自分が好きじゃなかったらやっぱりやりたくないじゃないですか。好きな部分を少しずつ引き抜いていって、自分に合う部分からやっていくことが必要だと思います。一緒に、頑張りましょう。

取材/木村雄大 撮影/須﨑竜太

土屋征夫(つちや・ゆきお)
1974年7月31日、東京都出身。高校卒業後の3年間のブラジル留学を経て、1997年にヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)に入団。1999年にヴィッセル神戸に移籍し6年間プレー。その後、柏レイソル(2005年)、大宮アルディージャ(2006年)、東京ヴェルディ(2007~2012年)、ヴァンフォーレ甲府(2013~2017年、2017年途中から京都サンガF.C.に期限付き移籍)と渡り歩き、2018年から東京23FCに移籍。身長177cm、体重73kg。身体能力を武器に活躍するセンターバック。2018年、Jリーグ功労選手賞を受賞。
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↓第1回教室の模様は下記からご覧いただけます。
https://ameblo.jp/tokyo23footballclub/entry-12397148206.html