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【石森太二の「TAIJI THE WORLD」第9回】ハマっている種目




プロレス界でも屈指の筋肉美を誇る石森太二選手の連載コーナー『TAIJI THE WORLD』。ベンチプレス、デッドリフト、スクワット……。胸の日、肩の日、背中の日……。トレーニングにはさまざまな種目がありますが、今回は石森選手がハマっているトレーニングの話です。

戦闘用の体になるために
スナッチを取り入れている

トレーニングをしている人には誰しも、好きな種目や得意種目、あるいは苦手であまり好きではない種目があると思います。

自分の場合、トレーニングを始めた頃の一番好きな種目はベンチプレスでした。ベンチプレスは比較的効果が出やすく、大胸筋なので見た目的にも成果がわかりやすいという部分で好きな種目でした。これは一般トレーニーの方でも同意見の方が多いのではないでしょうか? 一般の方でもベンチプレスは100㎏の壁という目標にしやすい数字もあり、精力的に取り組む人が多いような気がします。ジムに行くとベンチプレスをやっている人が多いのは、そうした理由もあると思います。

しかし、ベンチプレスは高重量に挑戦するようになるとケガのリスクもあります。フォームが良くないと肩や手首を痛めることもあります。自分は数年前に頸椎を痛めたことがあり、それからはベンチプレスでMAXに挑戦するのは控えています。そうしたこともあって、現在は以前ほど熱心にベンチプレスはやらなくなっているというのが現状です。

ベンチプレスに代わって、精力的に取り組んでいるのでは同じビッグスリーのデッドリフトです。自分は現在、クロスフィットの元アジアチャンピオンである、諸正真伍さんにトレーニングの指導をしてもらっています。諸正さんは元スタントマンで、パワーだけでなく体操選手のような動きもできる“達人”のような人です。

その諸正さんのコアをつくっているのがデッドリフトで、しかも彼はストラップもつけず、ベルトもしないで180㎏を何回も上げます。最初にその姿を見たときに「この人は半端ない」と思い、トレーニングを見てほしいとお願いしました。

デッドリフトをやるときはお尻とハムストリングスと足の裏で上げるイメージです。あとは腹筋も大事です。前述したように頸椎を痛めてから握力が落ちているので、デッドリフトをやるときはストラップを使用していますが、諸正さん同様、ベルトは使用していません。コアをしっかり鍛えていれば、ベルトなしでもできるものです。MAXに挑戦するときはさすがにベルトが必要ですが、170㎏まではベルトなしでも十分にこなせます。自分が考えるデッドリフトのポイントは、お腹とお尻をしっかり使って、足の裏で地面を蹴飛ばすことです。

この他、スナッチも最近ハマっている種目と言えるかもしれません。肩関節が固くてうまく支えられないのですが、その矯正という意味もあって取り組んでいます。

スナッチの様子

スナッチは重量挙げの種目であり、普通にウエイトトレーニングをしている人は、あまり取り入れていないかもしれません。自分は戦闘用の体を目指しているので、より試合で生かせる筋肉をつくるトレーニングを取り入れることを意識しています。スナッチはただ力があるだけではできない。そこが面白いところでもあります。

この種目の難しさは上半身と下半身で違う動きをすること。バーベルを持ち上げつつ、体を沈みこませるので、そのタイミングが合わないとうまくできません。諸正さんは沈み込むスピードが速い。一方、自分はそのスピードがまだまだ不足しています。

難しいトレーニングは敬遠しがちで、スナッチも最初はまったくできなかったため、嫌だなと思っていました。しかし、上半身と下半身で違う動きをする、動きながら力を出すという部分でも、競技に生かしやすい力を養っていると言えます。体の使い方を覚えるのは難しくても、その分できるようになると面白いものです。難しくも面白い。今はスナッチをもう少し極めたいと思っています。

 

石森太二(いしもり・たいじ)
1983年2月10日、宮城県出身。闘龍門に入門し、2002年5月11日、メキシコ・アレナ・コリセオでの橋本史之戦でデビュー。2006年からNOAHに参戦し、GHCジュニアヘビー級王座最多防衛記録となる10度の防衛を記録。2018年にNOAHを退団し、現在は新日本プロレスを主戦場として、ジュニアヘビー級戦線で活躍している。プロレス界でも屈指の筋肉美の持ち主。