【My Training Life】 Vol.03 宮崎陽子(スポーツTV局広告営業)




アスリートから一般のトレーニーまで、それぞれのトレーニングとの向き合い方を紹介する連載「My Training Life」。今回登場するのは、50歳になる年からトレーニングをはじめ、自分の会社で番組まで立ち上げてしまったという宮崎陽子さん。そこまでハマるトレーニングの魅力とは一体どのようなところにあるのだろうか。

トレーニングを始めたきっかけは、49歳のときに見たある一枚の写真だった。そこには、中年太りで背中の丸くなった自分が写っていた。ちょうど同じ頃、テレビ放映でフィットネスビキニという大会を知った彼女は、大会に出場することをすぐさま決意する。2016年1月、50歳という節目の年に一大記念プロジェクトと名付け、ジム通いを開始した。

最初は筋肉をつけることよりも脂肪を落とすことを目的に、有酸素運動ができるジムに通いました。毎朝7時から1時間通って、4カ月で体重を10キロ、体脂肪15%減らしたんです。5月くらいからゴールドジムで鍛え始めて、9月に行なわれたフィットネスビキニの全国大会(以下、オールジャパン)に出場しました(選手名:斉野陽子)。最初は参加するだけでいいやというくらいの気持ちだったので、ファイナリストになれたのはまさかという感じでしたけど、そこから調子に乗っちゃいました(笑)。

思わぬ好成績によってトレーニングの楽しさを知った宮崎さん。さらにボディに磨きをかける中、ある人物の言葉がモチベーションに拍車をかけた。

昔、岩城滉一さんの事務所で働いていたことがあったんですけど、岩城さんにオールジャパンのファイナリストに選ばれたときに、すごく褒めていただいたんです。「今までなんでも中途半端だったのに、よくがんばったな」って。そして「どんな小さな大会でもいいから、てっぺん獲るまでやめるなよ」と言われたんですよね。いつもその言葉が背中を押してくれていました。

3年目の2018年は、どんな大会でもいいから金メダルを獲ることと、もう一度オールジャパンのファイナリストになるという2つの目標を掲げ、トレーニングに励んだ。常にトレーニングができる準備を持ち歩き、出社前や昼休みなどに1時間でも時間を見つければ、ジムで体を動かした。迎えた8月、出身地の広島県で行なわれた中国四国大会で、悲願の初優勝を果たした。

優勝者は最後まで名前が呼ばれないんです。一番最後に自分の名前が呼ばれるという経験ができた瞬間はとても嬉しかったですね。広島の実家が豪雨の土砂災害の被災地になってしまったこともありましたし、家族や友人の前での優勝は、本当に感無量でした。オールジャパンでもファイナリストになることができましたし、掲げていた目標をどちらも達成することができて、やり切ったという気持ちが大きかったですね。

PHOTO/ソネカワアキコ

中国四国大会を含め、2018年は地方大会で3度の優勝を経験。オールジャパンでも5位という好成績を収めた。

トレーニングはやったらやっただけ筋肉がつくし、頑張ったら頑張っただけちゃんと絞れてくるんです。成果が目に見えるのがすごい嬉しくて。トレーニングは裏切らないってよく聞くと思いますけど、本当にそうなんですよ。

トレーニングの成果は大会だけではなく、意外なところでも発揮されることがあるという。

結婚を機に旦那の影響でハマったゴルフは、いいときと悪いときの波があって、上手くいかないんですよね。でもトレーニングを始めてからはゴルフも上手になりました。旦那もそれにビックリして、自分でもゴールドジム通いを始めましたよ。

普段はJ SPORTSの広告営業として働く彼女にとっても、トレーニングは大きなヒントとなったようだ。

自分が選手として大会に出ているうちに、こんなに他の選手(ライバル)の結果を気にする競技ってないなということに気づいたんです。それなのに、情報源はSNSが主流だったんですよね。そのときに仕事のコンテンツとして、このスポーツありだなと思いました。

PHOTO/ソネカワアキコ

思い立ってしまえば、そこからは持ち前の行動力を発揮。企画書の制作や予算集めなど、ときにはトレーニングで広めたネットワークも活用し、自社媒体で番組制作の準備を進めた。会社が開局20周年ということも重なり、無料で行なった初めてのライブ配信には、約1万7000人の視聴があったという。その反響もあり、今年9月には、J SPORTSオンデマンドでフィットネス・ボディビルパックというコンテンツも開始した。

最近は、フィットネスビキニ日本チャンピオンの安井友梨さんのように、表方としてメディアに出ていく方も多くなりました。それを見て多くの方がフィットネスビキニというものを知ってもらえると思うので、私は裏方として、そんな選手たちを見ることができる環境を作っていけたらいいなと思っています。

メディアに出ていく表方と、それをサポートする裏方。そして彼女は選手と仕事の両面で、これからもフィットネス業界を盛り上げていく。

取材・文/中田有香

★VITUP! アンケート★

【はじめたきっかけ】
写真に写った自分の体を見て。

【プラスになったこと】
いろいろなスポーツが上達したこと。

【好きな種目と理由】
最近は上半身を痛めているため、土台を作るという意味でも下半身のトレーニングを中心にしている。

【モチベーションの保ち方】
仕事が忙しく、トレーニングがなかなかできないときはあったが、モチベーション自体が下がったことはない。

【やる気が出た一言】
岩城滉一さんからの「てっぺん獲るまでやめるなよ」。

【トレーニングに求めること】
今までは大会の結果だったが、これからはアンチエイジングも重視。

【これからの目標】
仕事と趣味の両面でトレーニング業界を支えていきたい。