筋トレに必要な負荷【筋活☆超入門④】

初心者~超初心者の皆様、興味はあるけどスタートを切っていない皆様へ、『筋活』を楽しく行なうための情報、筋肉が好きになるヒントをお届けします。

2018年、「筋肉は裏切らない」という言葉が流行語大賞にノミネートされました。
発信源である『みんなの筋肉体操』(NHK)出演者の武田真治さんが「僕のセリフじゃない」と語ったことも一部で話題となりましたが、実際、この言葉は筋肉界の先人たちが事あるごとに発してきたメジャーなセリフです。
本格的な筋トレを経験した人なら、おそらく誰もが感じていることでしょう。

人間が生物である以上、正しい方法でトレーニングを行なえば筋肉は裏切りません。トレーニングによって筋肉が太くなるのは、生物としての「適応」だからです。
生物は与えられた環境に適応していかなければ、生き抜いていけません。ハードな環境を与えられれば、それに耐えられるように機能を強化する必要があります。その仕組みがあるために、重いモノを何度も持ち上げていれば、筋肉は少しずつ太くなっていきます。筋肉が発揮できる力は断面積に比例するため、現状の筋力で足りなくなれば太くなっていくしかないのです。

筋肉のサイズが変わっていく。結果として、自分の外観が変わっていく。これを一種の「進化」と考えると、楽しくなってきませんか?
本来、何十世代~何百世代もかけて進化していくものが、筋トレの場合、自分自身が生きている間に一代で実現してしまう。しかも、ある程度は希望のフォルムを実現することができてしまう。世の中には報われない努力もたくさんあるのに、確実に結果が出るというのは最高です。これも人が筋トレにハマってしまう一つの理由でしょう。

適応を促すには普段と違う環境が必要なので、筋トレには負荷が不可欠。では、どのくらいが適切かと言うと、バズーカ岡田先生も連載で語っているように、8~12回しかできない重さがベストとされています。

筋トレには「RM」という指標があります。RMとは「レペティション・マキシマム」(repetition maximum)の頭文字を取ったもので、たとえば1回だけ上げられる重さを「1RM」、8回反復できる重さを「8RM」というように表わします。

また、1RMの80%の重さは「80%1RM」と表現し、%1RMとRMの関係を示す下の表がよく用いられています(経験などによって誤差はあるので、目安ととらえてください)。8回でギブアップしてしまう重さは80%1RM、12回できる重さは70%1RMの強度に相当します。これを見ると、自分に合った負荷を設定しやすくなりますね。

1RMに対する割合(%)とRMの目安

アメリカスポーツ医学会によると、筋肉を太くするための最低の負荷は65%1RMとされていて、50%1RMになると筋肥大の効果はなくなってしまうそうです。65%1RMは18回反復できる負荷なので、それ以上こなせるトレーニングでは少なくとも筋肥大効果は望めないということになります(筋持久力のアップには効果があります)。

とはいえ、まったくの初心者のうちはあまり難しく考えず、自重トレーニングで筋肉に刺激を与える程度でもいいと思います。ある程度慣れてきた人で、「まだ腕立て伏せが8~12回しかできない」ということであれば、もうしばらくはそれを続けてもいいでしょう。ただ、それ以上の回数ができるようになったら、自重トレーニングだけではあまり意味をなさなくなってしまいます。

そうなったら、8~12回しか上げられない重さのダンベルなどを購入するのも一つの方法ですが、そろそろ「ジム」通いを検討したほうがいいと思います。ジムには様々な部位を鍛えるための専門的な器具があり、負荷も自由に変えられるからです。

女性の中には「本格的に鍛えてムキムキになりたくない」という人もいますが、筋肉はエネルギー消費が大きいので、必要以上に大きな筋肉をつけようという適応は起こりません。もし起こるとしたら、力仕事をしている人はみんな筋肉の怪物になってしまいます。
そう簡単にムキムキになることはないので、安心して強度を上げていきましょう。

文/編集部

※参考文献
『石井直方の筋肉まるわかり大事典』(ベースボール・マガジン社)
『石井直方のトレーニングのヒント』(ベースボール・マガジン社)