【My Training Life】Vol.06牧野佳子(医療系会社勤務/薬剤師)

アスリートから一般のトレーニーまで、それぞれのトレーニングとの向き合い方を紹介する連載「My Training Life」。今回はスタジオレッスンを中心にパーソナル指導も受けている牧野佳子さん。バリバリのスポーツ経験があるわけでなく、普通の生活をしている、普通のOLさんにとってのトレーニングライフとはいかなるものなのか?

話しているときも、話を聞いているときも、きついトレーニングをしているときも、ずっと楽しそうに笑っていた。トレーニングとともにある毎日が楽しい。彼女の笑顔がそう物語っているようだった。

医療系の会社に勤務する牧野佳子さんは、大学時代は薬学部に通い、薬剤師の資格も取得している。その歩みや仕事柄、健康には敏感だ。今から約10年前、身近にある健康が失われたことが、トレーニングを始めるきっかけだった。

「婦人科系の病気を患って手術をしました。まさか自分がこんなことになるなんて……と思って、本当に健康の大切さを実感しました。病気のこともあったり、不摂生もあったりで、一時期、体重がすごく増えてしまって、体調も悪いし、その両方を解決する策はなんだ?というところから、運動にたどり着きました」

何もやらなければ何も変わらない。牧野さんは自分の体形や健康状態を変えるために、中学時代以来、まともにやっていなかった運動をすることを決意。インターネットでいろいろと調べて、冷え性にも良さそうなホットスタジオでのレッスンに参加した。

「中学までバトンをやっていたこともあって、音楽に合わせて踊るのは楽しかったです。ただ、翌日は大変な筋肉痛になりまして(苦笑)。これは大変だなと思ったんですけど、大変だからといってやらなかったら何も変わらないじゃないですか。せっかくだから通ってみようと思ったんです」

毎週スタジオレッスンに参加していると、一人のトレーナーとの出会いがあった。それが現在も月に1~2回パーソナルで指導をしてもらっている佐藤哲也トレーナーだ。

「レッスンを受けたときに、めちゃくちゃ辛いんですけど、終わった後に直感で“この先生がいいかも”と思ったんです。先生は婦人科系の症状の改善につながるストレッチとかトレーニングも勉強されていて、病気は治ってはいたのですが、そういう部分でも教えてほしいなと。どうせ辛いんだったらいい先生のもとでやりたいなと思って、スタジオレッスンだけでなく、個別でも見てもらうようになりました」

継続的に佐藤トレーナーのパーソナル指導も受けている

継続的なトレーニングにより、体重は7~8キロ減。自分の体を見て筋肉がついてきていることや、引き締まっていることが見た目に実感できるようになった。また、トレーニングの後は体が動きやすいこともわかる。佐藤トレーナーの指導で、アミノ酸やタンパク質を効果的に摂取するようになると、思いもよらなかった変化も表れた。

「子どもの頃からアトピー性皮膚炎があって、薬でだいぶよくはなったのですが、太ももとお尻の付け根のところにずっと治らない湿疹があったんです。でも先日、皮膚科で診てもらったら、それが治っていたんです。今までと何が違うかな?って考えたら、トレーニングとその後の栄養補給なんですよね。そこを目指していたわけではないですけど、思わぬ副産物というか、すごく嬉しかったです」

トレーニングによる変化は他にもある。自分と向き合うこと、自分と闘うことで、精神的に強くなれたという。

「トレーニングをしているときはすごくきつくて辛いんですけど、そこを優しくしてもらっても意味がないじゃないですか。そのきついことをクリアするために頑張るというのは、自分自身と闘うということで、それは仕事でも同じだと思うんです。与えられた期日とか、やるべき問題があってそれをクリアするためとか、いろいろなことと向き合って自分と闘うというのは仕事もトレーニングも一緒。やっていることは違うかもしれないけど、根本は一緒なのかなって思います」

トレーニングも仕事も自分に与えられた課題は自分でやるべきもの。誰かがやってくれるわけではないし、人に代わってもらうものでもない。トレーニングがきついからといって誰かに代わってもらったら自分のためにならないし、仕事も誰かにやってもらったのでは自分の力にならない。自分との闘いに負けない。それはトレーニングによって得たものだ。

「仕事では“うわー”って思うこともあります。でも、それでも負けずに進まねば!みたいになれたのはトレーニングで精神的に鍛えてもらっているからだと思います。あとは単純にストレスを発散できるのもトレーニングのおかげです」

体調が良くなった。ダイエットもできた。仕事でも頑張れるようになった。一つひとつ目標が達成されていくなかで、これから目指すところはどこなのか? 今後の目標を尋ねると、牧野さんは「現状維持」と即答した。

「今、パッと言えることは現状維持。今のこの形を継続したいです」

「現状維持」という言葉は、ややもすると、同じ場所に留まる、停滞のように受け取られることもある。しかし、牧野さんにとっての現状維持とは、日々変わり続けることを意味している。

「トレーニングに求めるのは楽しさときつさの両方です。ゆるいとこれで効果ありますか?と心配になります。維持できないんじゃないかって思っちゃいますよね」

維持するためにもっと頑張る。楽しいと思えるトレーニングライフを続けていくためにも、変化していくことが不可欠なのだ。

「元気なおばあちゃんになりたい」

牧野さんはそう言って、また笑った。笑って過ごせる毎日がある。そんな日々を継続していくために彼女はトレーニングライフを続けていく。

 

取材&文・撮影/佐久間一彦

★VITUP! アンケート★

【はじめたきっかけ】
健康とダイエットのため。

【プラスになったこと】
体重減少、体調回復、アトピー改善。

【好きな種目と理由】
音楽に合わせて体を動かすこと。終わった後の爽快感が好き。

【モチベーションの保ち方】
やったら楽しいのがわかっているから。いい先生と巡り合うことも継続の秘訣かと思います。

【やる気が出た一言】
姿勢やフォームなど良くなったところを言われるとやる気が出ます。

【トレーニングに求めること】
きつさと楽しさの両方。きつくないと楽しくない。

【これからの目標】
現状維持。