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家トレならプッシュアップ【佐久間編集長コラム「週刊VITUP!」第68回】




VITUP!読者の皆様、こんにちは。日曜日のひととき、いかがお過ごしでしょうか? ジムを変えて間もなく1年。24時間いつでもトレーニングができる環境になったことで、快適なトレーニングライフが送れています。

さて、今週は偶然にも「筋トレを始めてみたい」という相談を立て続けに受けました。学生時代に筋トレ経験があるならジムに入会すればいいだけの話であり、未経験ならばパーソナルトレーナーをつけてイチから習うのがいいでしょう。しかし、家族がいたり、多趣味だったりで、なかなか時間的、金銭的に余裕がないという人がいるのも事実。そんな方にお勧めしているのが、プッシュアップ(腕立て伏せ)です。

(C) Vasyl-stock.adobe.com

プッシュアップは畳一畳のスペースがあれば誰でもできます。やり方は、つま先・ヒザ・腰・肩が一直線の姿勢で、ヒジを曲げて、床スレスレまで体を下げて元の姿勢に戻ることを繰り返します。慣れていない人にありがちなのが、お尻が上がって体が「くの字」になってしまうこと。間違ったフォームで100回やったとしても効果は上がらないので、まずはきちっとしたフォームを覚えることが大事です。

プッシュアップのいいところは、やり方を変えると異なる部位を鍛えられることです。手の幅を肩幅より少し開いたノーマルバージョンであれば、上腕三頭筋や大胸筋を鍛えることができ、手の幅をノーマルバージョンよりも広げて行なうワイドプッシュアップであれば、より大胸筋に大きな負荷をかけることができます。

手を閉じて行なうナロープッシュアップは上腕三頭筋に効果的であり、体を逆にして(仰向けで)行なうリバースプッシュは上腕三頭筋、三角筋を鍛えることができます。また、プッシュアップは正しい姿勢を保つだけでも腹筋や背筋に効果もあるので、家でできるトレーニングメニューとしては最適だと思っています。慣れてきたら足をイスの上に乗せて行なうなど、負荷を変えることもできます。

プッシュアップがお勧めと言っても筋力がなくてできない人もいます。そうした場合は、ヒザをついた形でやるのがいいでしょう。そのときも背中は丸めず、ヒザから腰・肩と一直線になるようにします。ノーマルバージョンよりも負荷が軽くなるので、筋力の弱い方でも大丈夫です。

私自身、プッシュアップの効果を実感した過去があります。学生時代、足を負傷して松葉杖生活をしていたとき、普通の練習ができないのでひたすらプッシュアップを繰り返していました。日々、繰り返すことによって飛躍的に上腕三頭筋が発達したのです。また、結婚して子供が生まれて、しばらくジム通いができなかったときも、プッシュアップだけは欠かさずやっていました。子供を背中に乗せてプッシュアップをすると負荷もかかり、子供もちょっとした乗り物感覚で喜びます。プッシュアップで親子のスキンシップができるのです。プッシュアップが好きになると、もっと大きな負荷がほしくなり、プッシュアップバーを購入。今では家にも会社にも置いてあります。

やればやっただけ確実に筋力、筋肉がつき、「10回しかできなかったのが20回できるようになった」というように、回数というわかりやすい形で達成感も味わえます。筋トレはしたいけどジムに行くのはちょっと…という方は、自宅でプッシュアップから始めてみてはいかがでしょうか。

 

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアンの取材を手がける。