「『ちょうどよくなる』のがヨガ」神秘なるヨガの世界! ACO先生が解説(2)

もともとは宗教上の修行だったヨガ。それが東洋から西洋へと渡り、さまざまな形で枝分かれしていき、今では多種多様なスタイルが存在するようになりました。そういった状況をACO先生はどのように見ているのでしょうか。今回は現在のヨガの状況、そして自分に合ったヨガの見つけ方について伺いました。

 

伝統的なヨガと後発のものは分けて考える

――現在の多岐に渡るヨガの分類に関しては、どのような見解をお持ちなのですか。

たくさんあってもいいと思います。
もともとヨガはヒンドゥー教徒のための、宗教的なバックグラウンドがある中で行なうものです。現在のインドをみても、一般の方がヨガに触れる場所は、やはりスポーツジムなどになってきます。
そういった時代ですので、アシュタンガ、アイアンガ、シヴァナンダなどの伝統的な、古典的な流派以外は、何があってもいいと思っています。今は過渡期なんですよ。日本料理も、世界に広まっていく過程で妙な料理にアレンジされることがありますよね。それは文化・宗教的なバックグラウンドがあったものが、世界的な市民権を得ていく際の必要悪とも言えます。文化というものは、そのようにして流れていくものだと思います。

――では、現在は過渡期なので、さまざまな種類のヨガが生まれて、人口も増えて…。

そうです。伝統的なものと後発のものとを一緒に考えてしまうので、わかりづらくなるのです。

――あまりにも多岐に渡るため、初心者には「どのヨガを選べばいいのかわからない」という人も多いかと思います。

ヨガを始めたいのであれば、とりあえずは何でもいいとは思います。たとえば腹筋運動でも、自宅で滅茶苦茶な方法で腹筋をやったとしてもOK。それが今のヨガの状態です。それでいいとは思います。でも大事なのはそれが示唆しているものは何か、その本質は何かっていうことです。何で腹筋するの? という。
また、腹筋ばっかりに夢中になって、自分の身の回りの人たちが不幸になるのもよくありません。周囲とのバランスを取ることも大事です。そして、腹筋をする理由として、モテたいだとか人の目を気にしているだとか、そういった心があることをちゃんと認めて自覚する。どんな腹筋(=ヨガ)だろうと、本質を理解できていればいいんです。分かっていればいいんです。ですが、今はスタイルに溺れてしまっている人が多いように思えます。

――ヨガの種類というものは、ヨガの「本質」に行きつくための「入口の違い」と考えればいいのでしょうか。

そうです。洋服と一緒です。制服があるとすると、その制服のちょっとした崩し方の違いのようなものです。だから、中身は全部一緒なんですね。手を上げるときに吸うか吐くかなど、ちょっとした違いしかないんです。

――たとえば、「こういう人はヨガを受けたほうがよい」といった指針みたいなものはあるのでしょうか。

答えにならなくて申し訳ないのですが、ヨガの間口が広いもう一つの理由は、ヨガは誰にでも合うものだということです。
太っている人はやせるし、痩せている人は太る。つまり、「ちょうどよくなる」んです。気持ちに落ち着きがない人は落ち着きを、自信がない人は自分らしさを取り戻せます。「中庸」が戻ってくるんですね。

――いろんな人がいろんな角度で楽しめるのですね。

人それぞれ、ライフスタイルも違えばコンディションも違う。結婚した、子どもが生まれた、体重が増えた、自分の思い通りの時間がなくなったなど、自分の生活シーンの変化や経年に応じて、どんなときでもその人に合ったヨガというものはあるんです。今はマタニティヨガやシニアヨガなどが用意されていますが、主体的に考えられる方でしたら、基本的なヨガの中から、そのときの自分の状況に応じたものを見つけられる。ヨガってそれくらい器が大きいんです。

取材・文/安 多香子 写真提供/テンセグリティー・ヨガ事務局

ACO(吉川あこ)
1961年、愛知県名古屋市出身。ACOYOGA代表。愛知大学法経学部経済学科卒業。米国オレゴン州ポートラド州立大学心理学部卒業。ヨガ道場にてハタヨガを学んだ後、内外のスタジオ、ワークショップ、TTにて各種ボディーワークを習得。日本におけるヴィンヤサヨガの草分け的存在として多くのインストラクターに影響を与えている。20年以上にわたる指導経験の後、行き着いた現在のスタイルを「テンセグリティー・ヨガ」と名付け、ボディーワークで学んだ知識を随所に入れて、自己安定能力を引き出しながら全身の気のバランスを調えるアプローチを開発中。2013年からテンセグリティー・ヨガの指導者養成講座を全国主要都市で開催。近年は陰ヨガの普及にも力を注ぐ。
ACOYOGA

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