コンテストシーズン開幕!【マッチョ編集長のマッチョコラム 第5回】




野球やサッカーと同じように、ボディビルにも「シーズン」というものがある。ボディビルコンテストが頻繁に開催される時期は5月から10月まで。例年、5月のゴールデンウイーク期間中に開催される東京オープン選手権大会を皮切りにシーズンが本格的に開幕。各地区でもさまざまな大会が行われるようになる。

東京オープン選手権は「新人ビルダーの登竜門」と呼ばれるコンテストで、現チャンピオンの鈴木雅選手のデビューの舞台もこの大会。ただ「登竜門」といっても、近年は参加者が増加して、かなりレベルの高い闘いが展開されている。オードリー春日さんが出場していた大会、といえばわかりやすいかもしれない。

東京の場合だと、5月に東京オープンがあって、7月は体重別で争われる東京クラス別選手権、8月には無差別級の東京選手権というスケジュール。今年は東京オープンが6月開催となり、5月7日に行われた大阪クラシックボディビルオープン選手権がシーズン開幕戦となった。最終戦は10月9日の日本選手権。この5カ月間はボディビルダーがもっとも気合を入れてトレーニングに打ち込む時期だ。

ごくごくかんたんにいえば、ボディビルは筋肉量を極力キープしたまま、体脂肪を極限まで落としていく競技。多くの選手は、減量に3、4カ月ほどの時間をかける。5月の大会に出場する場合は2月の頭から、早い人は年が明けてすぐに減量に取りかかる。

また、ボディビルダーにとっては「日焼け」も練習の一つ。ステージ上で筋肉のカットをよりよく見せるために、肌をとことんまで焼き上げる必要があるのだ。3月くらいになるとジム内で頬がこけた肌が黒い人をよく見かけるようになるのだが、これはコンテストシーズンの訪れを告げる風物詩のようなものである。

都内のゴールドジムにも、ボディビルダーが多い店舗、そうではない店舗がある。肌の黒い人が、トレーニングの合間に鏡に向かってポージング。ビルダーの多い店舗ではよく見かけるシーンだ。

ただ、そうではない店舗でそんなことをやってしまうと、確実に浮いてしまう。一般のお客さんの目には異様な光景に映るだろう。ボディビルは世間的には理解度の低い競技で、ときとしてジムではボディビルダーが疎まれる存在にもなる。その理由は、ボディビルをやっている側にもある。個人競技であるからこそ、理解度が低い競技であるからこそ、協調性、世間との調和は大事なんじゃないかと思う今日このごろです。