初めてレースに参加するなら【金哲彦の教える“正しい走り方”⑦】

フィットネスに親しんでいる人や、過去に部活などで運動をしていたことのある人のほとんどが“自分は走れる”と考えているのではないでしょうか? でも、プロのコーチから見ると、多くの市民ランナーは“正しく走れていない”ようです。そこで、市民ランナーからオリンピックを走るアスリートまで、幅広いランナーを指導するプロランニングコーチの金哲彦さんに“正しい走り方”についてレクチャーしてもらいます。

雨のレース対策もしておこう

ランニングを継続するための目標として、手軽に出られるレースにエントリーしてみるのもいいでしょう。初めて大会に出るのであれば、普段走っている距離の倍くらいのコースにチャレンジしてみましょう。5kmくらい走れるのであれば10km。10kmを1時間程度で走れるようになっていればハーフマラソンに挑戦しても完走できるはずです。

参加するにあたっては、コースの距離以外にも完走制限時間をチェックしておきましょう。せっかくレースに参加するのであれば、足切りとなる関門に引っ掛かってしまうともったいないですから、初心者向けに制限時間の厳しくない大会を選んだほうがいいですね。

また、同じ距離でも平坦なコースとアップダウンのあるコースでは難易度がかなり異なりますから、コースの高低差も確認しておいたほうがいいでしょう。平坦な道でも向かい風がキツイ場合もありますから、過去に開催された大会の書き込みなどを見ておくといいかもしれません。景色の良い海沿いのコースなどは、初心者にとってはキツイと感じる強さの風が吹いていることもありますから。

© smuki – Fotolia

初心者のうちは、レース以外にも何か楽しめる要素がある大会を選ぶとモチベーションが維持しやすいでしょう。例えば景色が良いところを走れるとか、美味しい名物があるとか。「レースの後にあれを食べよう」と思っているだけで、意外とがんばれたりするものです。もちろん、仲間と一緒に参加するというのもモチベーションになると思います。

大会当日に雨が降ると、初心者にとっては完走のハードルも高くなりますし、モチベーションも低下しやすいので、きちんと準備しておくことが大切です。用具としてはゴアテックスなどの防水透湿性がある帽子と雨が目に入ることを防ぐサングラス、それに捨ててもいいような簡易的なカッパがあるといいでしょう。スタート前は結構待ち時間があるものなので、それを着て体が冷えるのを防ぎ、走り始めて体が暖まったら脱げばいいのです。

あとは濡れても重くならない速乾性のウェアもあるといいですね。これは汗をかいても快適ですから。そして、できれば雨の日に一度走る経験をしておくとベストです。雨が降ると走りたくないという人がほとんどだと思いますが、レースのための練習と考えれば、前向きな気持ちで走れるでしょう。


金哲彦(きん・てつひこ)
プロランニングコーチ、駅伝・マラソン、陸上競技解説者、ランナー。福岡県北九州市門司区出身。早稲田大学教育学部卒業。在学中競走部に属し、中村清監督の下、箱根駅伝で活躍。卒業後はリクルートに入社し、陸上競技部を創設。1987年には別府大分毎日マラソンで3位に入る。1995年より同部監督に就任。同部の消滅後は、陸上のクラブチーム・ニッポンランナーズを創設する。現在は、テレビのマラソン・駅伝中継の解説も務める。最新の著作は『体幹ウォーキング』
NPOニッポンランナーズ Official Web Site