禁酒、禁煙、ダイエット……。三日坊主にならない方法 【佐久間編集長コラム「週刊VITUP!」第26回】




VITUP!読者の皆様、こんにちは。日曜日のひととき、いかがお過ごしでしょうか?

さて、22日の「気まぐれVITUP!」で編集Yが「継続」について書いていました。彼女なりに私の継続力を分析していましたが、「最高の自分をさらに最高にする」なんて、そんなに大そうなものではありません。せっかくなのでこの場を利用して、Yだけでなく読者の皆さんにも、三日坊主にならないための私なりの継続法を紹介しましょう。

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継続の最大の秘訣は、簡単に言うと「ゴールを決めること」です。「なりたい自分」、「叶えたい目標」を明確に決めてそこに向かっていけば、ゴールにたどり着くまでは必然的に継続していくことになるからです。

ここで大事なのはゴールの決め方です。三日坊主になってしまう人にありがちなのは、このゴールをとてつもなく遠いところに設定してしまうことです。

たとえば180㎝で50㎏のガリガリ君が、「俺はアーノルド・シュワルツェネッガーになる」というゴールを定めたらどうでしょう? ゴールが遠すぎて確実に挫折します。「そんなの関係ねぇ」とは言わず、まずは小島よしおさんぐらいを目標にスタートしましょう。「フルマラソン完走」を目標とするのも同じです。普段まったく運動をしていない人の目標だとしたら、それは現実味がありません。まずは10㎞マラソン、それができたらハーフマラソンと段階を踏んでいくことが大事です。目標を高く持つのはいいことですが、実現できるギリギリぐらいに設定するのがいいでしょう。

心理学用語に「目標勾配」という言葉があります。これは目標が近づくにつれて、やる気がアップするというもの。マラソンで、中盤は苦しくてもゴールが近くなるとエネルギーが沸いてくるという、あれです。シールを集めて非売品のお皿がもらえる「ヤマザキ春のパン祭り」でも同じ現象が起こります。最初はゴールが遠くてやる気が出ないけど、シールが集まってゴールが見えてくると、「絶対に期間内にシールを集めてお皿をゲットしよう!」というモチベーションが大きくなります。これが目標勾配です。

実現可能なゴールを設定すれば目標勾配効果も生まれやすく、継続はそれほど難しいことではなくなります。そして、一つのゴールにたどり着くことができたら、「やればできる」という成功体験を得ることができ、それは自信と次のチャレンジへのモチベーションにつながります。一つのゴールにたどり着いたらまた次のゴールを定める。そうやって人は成長していくのだと思います。

プロレスラーの武藤敬司選手は「プロレスはゴールのないマラソン」と言い、終わりなきレースを走り続けています。ゴールがなくても走れるのは一握りの天才だけであり、凡人にはできません。私も凡人なのでゴールのないマラソンを走ることはできません。ただし、ゴールを決めたら這ってでもそこにたどり着く努力をしてきたという自負はあります。

レスリングの選手時代は「日の丸をつける」という目標がありました。年間360日練習に明け暮れた高校時代にそのゴールにたどり着き、日本代表として日の丸を背負って海外遠征を経験させてもらいました。そこに到達するまでには、「今日の練習をやり切る」というところから始まり、県大会優勝→全国大会出場→全国大会入賞と一つずつ目の前の目標をクリアしていきました。

日本代表時代の筆者(前列左から3人目)

将来はマスコミで働きたいという目標を掲げて大学に進学。中学時代から愛読していた「週刊プロレス」の編集長になるべく、同誌を発行するベースボール・マガジン社への就職を目指しました。あいにく私が大学4年生になるとき、同社は新卒採用を行なっておらず、「採用の予定はありません」という無情の通知が届きました。しかし、自分で決めた目標を簡単にあきらめることはしません。出版セミナーでいろいろなアドバイスを受け、それを実行し、閉ざされていた扉を開けることに成功して、なかったはずの新卒で採用してもらうことができました(長くなるので詳細は割愛)。

入社の際、「10年で週刊誌の編集長になるぐらいのつもりで頑張ってくれ」と当時の人事部長に言われました。目標を現実のものにするべく、取材で国内外を飛び回り、年50冊毎週企画を考える生活を続け、会社の期待よりも2年早く入社から8年で「週刊プロレス」の編集長になることができました。

ここで紹介したこと以外の小さい目標も含め、一つずつゴールにたどり着き成功体験を積み重ねてきたので、今はやろうと思ったことは全部できると思っています。ちなみに余談ですが、学生時代に一目惚れして「この人と結婚したい」と思った女性とも結婚しました。Yのコラムにあった「やってやれないことはない」という私の言葉は、根拠のないものではないのです。誰でも自分で決めたゴールなら絶対にたどり着くことはできます。

最後にもう一つ、大事なことを。

最初に設定したゴールが今の自分には遠いと思ったら、走るのをやめるのではなく、ゴールを再設定してください。近くてもいいんです。簡単でもいいんです。決めたゴールには必ずたどり着くこと、成功体験を得ることがとにかく大事なんです。

ああだこうだとできない理由を探して途中でやめてしまうと、ゴールテープを切る喜びを味わえません。たとえ近いゴールでも、そこに到達するためにできる方法を探して、ゴールテープを切る喜びを感じながら生きたほうが、人生は何倍も楽しくなります。

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアンの取材を手がける。