「失敗しても死ぬわけじゃない」
(岡部)友さんの言葉で前向きになれた
――少し時間が経ってしまいましたが、今年の「Fitness Angel」の感想からお聞かせください。
アミン:去年はコンテストだったのが今年はショー形式ということで、だいぶ違う部分はありました。ステージングやダンスなどの覚えることがたくさんあって、トレーナーとして働きつつそれを並行してやっていたので、大変なこともありました。ただ、そこはトレーニングと一緒だなと思っていました。ダンスも最初はできなかったことが練習していくうちにできるようになったり、頑張った期間が自信になったりとか、基本はトレーニングと一緒なんですよね。去年は本当に緊張でガチガチだったので、それと比べると今年は楽しめたかなという感じもあります。
――今年の「Fitness Angel」はショーだったので、エンジェルたちのチーム感もより求められたと思います。初めて会った方もたくさんいたと思いますが、どのようにしてチームワークを高めていったのでしょうか?
アミン:ダンスレッスン中に仲良くなる人が多かったですね。レッスンの後にみんなで食事に行ったりして、コミュニケーションを頻繁にとっていました。レッスンはきつかったんですけど、最後のほうは終わってしまうのが寂しいという感じでした。職業も違えば年齢も違う人が、「Fitness Angel」を通して一つになれるというのは、本当にすごいことだなと思いました。1年前は周りのことを考える余裕はまったくなかったので、そういう面ではだいぶ落ち着いていたと思います。
――その1年前から、今年の「Fitness Angel」までの1年間はどんな1年でしたか?
アミン:去年の「Fitness Angel」を終えてから半年経って、Spice Up Fitnessでトレーナーとして働くことを決めたんです。そこからは生活がガラッと変わりました。NSCAの勉強をしたりとか、ステップが先に進んでいって、自分のトレーニング自体も変わりましたね。
――トレーニングが変わったというのは?
アミン:今までは自分の変化を楽しみながら、健康維持というのがベースでした。そこからトレーナーになるということで、「どうしたらお客様に伝わるかな?」という視点に変わっていきました。まずは自分でやってみて、どういう声かけをしたらいいかなとか考えつつ、トレーニングに取り組むようになりました。
――もともとは健康のためにトレーニングを始めて、それがパーソナルトレーナーを仕事にするようになるなんて予想できました?
アミン:まったくできないです。最初はそういう考えはなかったのですが、「Fitness Angel」を経たことで、やってみようかなと思った面もあります。やっぱり勉強をして、ちゃんと資格を持った上でやりたかったので、トレーナーになると決めてからは、結構急ピッチで時間が進んでいって大変でしたね。
――資格を取ることもそうですが、何かを成し遂げるのは大変だと思います。急ピッチで資格取得までいけた要因というのは?
アミン:やっぱり身近にいる(岡部)友さんの存在は大きいと思います。友さんは簡単なほうか難しいほうか道が2つあったら、難しいほうを選ぶタイプの人です。そこまでストイックではないですけど、私もどちらかというと挑戦していく方向でいきたいなという考え方です。そこは友さんの影響を受けている部分だと思います。
――やっぱり岡部さんの影響は大きいのですね。
アミン:ずっとトレーニングを見てもらっていたので、いろいろな部分で影響は受けていると思います。
――トレーナーの資格を取る際にも相談はされたのですか?
アミン:はい。相談もしましたし、もともとパーソナルトレーニングを受けていたので、レスト中にもいろいろとお話もしていました。
――そのときに聞いた言葉で印象に残っているものはありますか?
アミン:いろいろあるんですよね。最初の「Fitness Angel」のときにも、「やるだけやってみようよ」って言われたんです。そのときに「失敗しても死ぬわけじゃないから」って。「大丈夫、どうせ死なないから」って言われて(笑)。そう言ってもらったことで、「そうだよな。やってみよう」というふうに思えました。そういう言葉があったから、なんでも挑戦していくという前向きな気持ちになれた部分もあると思います。
――岡部さんらしい言葉ですね。
アミン:「失敗しても大丈夫だし、大事なのは次にどうするかだから」って言ってもらえて、まずはやってみることが大事だなって思うようになりました。
第2回に続く
取材/佐久間一彦 撮影/神田勲
1990年7月31日、東京都出身。健康維持を目的にSpice up Fitnessに通い始め、トレーニングを開始。2017年に開催された『Fitness Angel』に出場しグランプリを獲得する。その後、より本格的なトレーニングの追求と、自身の経験と知識を活かした仕事に就くべくパーソナルトレーナーの認定資格であるNSCA-CPTを取得し、現在はSpice up Fitnessにてトレーナーとして働いている。