美ボディFILE 格闘家・渡辺華奈②

 

渡辺華奈選手は、大晦日に開催された総合格闘技「RIZIN」にて、実力者・杉山しずか選手を相手にわずか11秒で見事なKO勝ち。デビュー以来無敗の快進撃を続けている。実力、ルックス、そして鍛え抜かれた美ボディを持つ渡辺選手のインタビュー2回目。今回は柔道のトレーニングと食事面についての話をお届け。

好きな種目はハイクリーン
ベンチプレスはまったくやらない

高校、大学、そして実業団と、名門チームで腕を磨き、着実に実績を残していった渡辺選手。柔道界のトップで闘うためのフィジカルトレーニングとはどんなものだったのだろうか?

――高校や大学時代、柔道のトレーニングで一番きつかったのはどんなトレーニングですか?

渡辺:ランニングですね(苦笑)。中距離、インターバル走とかがすごくきつかったです。400メートル、800メートルを1時間半とか2時間とかずっと繰り返していて、走りの休憩時間に腕立て伏せとかをやったりしていたので、本当にきつかったですね。ウエイトトレーニングは自分のペースで回数と負荷をかけてこなしていく感じだったので、そこまできついというイメージはなかったです。やっぱり心拍数がガーっと上がる系統の練習がきつかったですね。補強系だったらロープ登りとかがきつかったです。

――柔道は道着をつかむので握力が必要なイメージがあります。

渡辺:握力は必要なんですけど、皆さんがイメージしているほどではないかもしれません。握力でつかむというよりは、引っ掛ける感じなんですよね。親指と人差し指はほとんど使わないので、使うのは小指から3本ぐらいなんです。

――以前、東海大相模高校の柔道部の練習を取材したときに、柔道着を鉄棒に引っ掛けて懸垂をやるというトレーニングをしていました。東海大でもそういうトレーニングはありました?

渡辺:ありました。そういうトレーニングは進化していて、ロープ登りだけではなくて、柔道着が天井から一反木綿みたいにぶら下がっていて、それをつかんで登るというトレーニングもやっていました。実業団(JR東日本)のときは、7~8メートルのロープと道着があったので、それをやっていました。

――道着登りはロープ登り以上に大変そうですね。

渡辺:難しいですね。手が痛くなります。

――何本も登るのですか?

渡辺:はい。10本とか登りますね。道着を鉄棒に引っ掛けての懸垂だったら100回ぐらいはやりますね。これをやっていたら力はつきますよね。やっぱり柔道はすごく体の力がつきます。必ず組み合って闘うというすごく限定されたルールなので、腕の力とか体幹は強くなりますね。

――体幹、足腰も重要ですね。

渡辺:足腰もトレーニングしていました。スクワット系はもちろん、デッドリフトとかもやっていました。上半身よりも下半身のほうが大事なので、筋トレもそうですし、走り込みとかもだいぶやっていました。あとは上半身と下半身の連動ですね。もともと足は細かったんですけど、こうしたトレーニングでだいぶ変わりましたね。

――トレーニングの中で好きな種目はありますか?

渡辺:好きと得意は別として、ハイクリーンが一番好きですね。

――女性でハイクリーンが好きって珍しい気がします。

渡辺:全身を使うのがいいんですよね。あとは懸垂も好きです。懸垂にはいろいろな種類があって、反動をつけてバンバン上げたり、ゆっくり上げたり、いろいろやるのが楽しいし、体重の変化で上がり方が変わるのも面白いですね。

――逆に苦手種目は?

渡辺:一切やらないのはベンチプレスです。なるべく格闘技にも生かせるトレーニングをやりたいんですよね。

――なるほど。ウエイトトレーニングをやっていて、筋力とか筋量が変わる過程って自分でわかるものですか?

渡辺:その当時はわからないですけど、昔の写真を見ると、あれ?って思います(笑)。毎日鏡をチェックするわけではないのですが、ふとしたときに筋肉の形とかですよね。くぼみとかカットが前はまったくなかったので。

――トレーニングによって体質も変わってきた?

渡辺:体質の面で一番はトレーニングよりも食事だと思います。食事を気にするようになったのは、柔道の最後のほう、実業団時代の後半なので、27~28歳ぐらいですね。そういう取り組みを始めたのはすごく遅かったんです。

――食事というのは具体的にはどういうことを意識していたのですか?

渡辺:まず、気をつける前の食事がひどかったので(苦笑)。

――どうひどかったのか教えてもらってもいいですか(笑)。

渡辺:ラーメンを食べて、炭水化物を重ねてしまったり、お菓子も気にせず食べたりしていました。あとはたんぱく質とかも一切気にしたことがなくて、プロテインを飲んだこともありませんでした。カロリーを何も把握せずに食べたいものを食べたいときに食べていた感じです。その頃は減量もなかったので体重も気にしないで試合前に少し調整するくらいでした。でも、階級を下げることにして、そのタイミングで食事を見つめなおそうと思ったんです。

――階級変更に伴い、減量の必要が出てきて食事面を見直したのですね。

渡辺:そうです。階級を下げたときに自分のフィジカルが落ちてしまうのが嫌だったので、食事を見直すと同時にトレーニング、筋トレをすごく増やして毎日やるようになりました。それまでは筋トレは週1~2回ぐらいしかしていなかったのですが、柔道部の練習時間がだいぶとれるようになって、毎日練習もトレーニングもできるようになったので。食事も全然知識がなかったので一気に変えたわけではなく、少しずつ変えていきました。

――栄養面についてもご自身で勉強して取り組んだのですか?。

渡辺:自分でやっていました。あとは詳しいコーチにわからないことは聞いたりして教えてもらっていました。ウエイトトレーニングも全部自分でやっていました。

 

第3回に続く。次回は総合格闘技デビューと現在のトレーニング。そしてこれからについて。

取材・佐久間一彦/撮影・菊田義久

渡辺華奈(わたなべ・かな)
1988年8月21日、東京都出身。7歳から柔道を始め、高校ではインターハイ2位、アジアジュニア優勝などの実績を残し、東海大進学後、1年時に全日本ジュニア優勝を飾る。卒業後、JR東日本へ入社し、オリンピックを目指して競技を続けた。2017年に同社を退社し、格闘家に転身。同年12月3日にデビューを勝利で飾ると29日にはRAZIN初参戦で杉山しずかに勝利。18年の大晦日には杉山と再戦し、11秒でKO勝ち。FIGHTER’S FLOW所属。