クエン酸と糖分で「急速充電」
今回はお酢の健康効果についてお話ししましょう。
まずは疲労回復について。お酢に含まれるクエン酸が疲労回復に効果があるといわれています。お酢だけで摂取してもいいのですが、糖分(糖質)を一緒に摂ることでさらに効果が高まります。体のエネルギー源の一つであるグリコーゲンを効率的に再補充できるのです。みなさんの身近なものに例えると、スマートフォンの充電ですね。お酢だけの場合は通常の充電速度、「お酢+グリコーゲン」になると急速充電というイメージです。
クエン酸はお酢、梅干し、レモンなどに含まれています。夏の定番、レモンのはちみつ漬けはとても理にかなっています。酢飯を使ったお寿司は具材のタンパク質がプラスされるので、すごくバランスのいい食事だといえます。
お酢を毎食大さじ1杯摂取することで、脂肪の合成抑制及び燃焼促進が誘導され、肥満気味の方の内臓脂肪が減少したというデータがあります。また、内臓脂肪を増やさないようにしてくれる抑制作用もあるようです。「お酢を飲むだけでダイエット!××㎏痩せます!」ということは言えませんが、取り入れる価値はあると思います。
ただ、同時に食欲増進作用があるのも事実です。夏バテで食欲がない人にとってはうれしい効果である反面、ダイエット中の人には少し気になる情報かもしれませんね。お酢そのもののカロリーは大さじ1杯あたり4㎉~10㎉程度と、そこまで神経質になる必要はないと思いますが、それによっておかずをたくさん食べることにつながると考えられます。
例えばちらし寿司などに使う酢飯は、合わせ酢を使います。砂糖が入っている、少し甘めのお酢です。しっかりカロリー計算をしているのであれば、頭の片隅に入れておいたらいいと思います。
構成/松川亜樹子
川﨑泰代(かわさき・やすよ)
フードコーディネーター。アスリートフードマイスター。食育インストラクター。IHクッキングクリエーター。小学生のころよりバレーボールを始め、以来スポーツが生活に欠かせないものとなる。「走るフードコーディネーター」として、自らもフルマラソンに挑戦するなどアスリートとしての顔も持つ。自身の経験から「強い体と心は『食事』で作られる」というコンセプトのもと、一般アスリートからトッププロまで幅広く食事を指導。現在はサッカーJリーグU-18育成選手の食事指導にもあたっている。テレビ、ラジオ、雑誌などメディアでも活動している。
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