アミノ酸が体に及ぼす効果って何?【アミノ酸の疑問解消vol.2】




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誰でも分かるジャガーさんのアミノ酸講座

2016年日本ボディビル選手権5位入賞、2017年日本クラス別75㎏級優勝など、ボディビルで華々しい成績を残しているジャガーさんこと佐藤貴規選手。ゴールドジムのサプリメントも開発しているジャガーさんのおかげで、アミノ酸のイメージもできてきた頃と思います。今回も引き続き「アミノ酸」について、ジャガーさんにお聞きしちゃいます。

Q.アミノ酸を摂るべきタイミングってあるの?

アミノ酸はタンパク質が分解されたものです。そのまま吸収できる状態になっているので消化に時間がかかりません。アミノ酸はプロテインと比べても吸収がすごく早いため、大体30分くらいで吸収できると言われています。トレーニングの30分前とか、トレーニング中30分おきに摂取してもらうのが望ましいです。

タイミングも重要なんですが、BCAAなど特定のアミノ酸の場合は摂取する際はまとまった量を摂ることがポイントです。体内のアミノ酸濃度を一定以上に高めないと効果が出にくいですね。体内にまとまった量のアミノ酸がないと、筋肉の合成を高めるまでには至らないので、タイミングと同様に摂る量も重要です。

このことを専門的には「閾値(いきち)」と言います。『欽ちゃんの仮装大賞』で例えると分かりやすいでしょうか。合格するには15点以上が必要で、14点を何度摂っても合格に入りませんよね。アミノ酸もその濃度が15点以上にならないと、14点まではスイッチが入らないと言われているんです。14点ではなく15点以上の「合格した状態」「スイッチが入った状態」にする必要があるんですね。

BCAAを4g摂るにしても、1gを小分けにして摂るよりは4gを一度に摂ることで体内のアミノ酸濃度が一定以上に高まります。これは集中力に対しても同じで、ある程度まとまった量がないと中枢系へのスイッチが入らないので、注意が必要です。

Q.アミノ酸は目的別に摂ると効果的なの?

個々のアミノ酸の効果を得たいという場合はそれぞれのアミノ酸を摂摂するのが良いですが、「体をつくるという目的」では体の材料である20種類のアミノ酸をバランスよく摂る必要があります。

しかし、飲み合わせによって効果が相反するアミノ酸もあるんです。例えばBCAAでは集中力を高める働きがありますが、それとは逆に「トリプトファン」というアミノ酸はリラックスさせる働き、または「疲労」に関わりがあります。まとめて摂ってしまうと、どのアミノ酸が効いてるのか分かりにくくなってしまいますし、どんな効果を一番に引き出せるかも分からなくなってしまうんです。やはり目的を明確にすることが重要だと思います。

Q.プロテインとアミノ酸、どちらが効果的なんですか?

プロテインも非常に優れたサプリメントです。しかし、より目的に合った効果を期待したい場合には、そのプロテインの基になっているアミノ酸それぞれの特徴を狙って摂ることで、より効果的に引き出してあげるのが良いということなんです。プロテインもアミノ酸もどちらも効果的ですが、アミノ酸には特徴があるのでパフォーマンスを引き出しやすいんですね。

トレーニングをするならば、まずはプロテインが基本です。タンパク質が筋肉の材料になるのですから、プロテインを摂るのは当たり前ですよね。その上でさらにワンランクアップするためのサプリメントがアミノ酸。そんなイメージで捉えてもらうと良いかもしれません。
(この項続く)

佐藤貴規(さとう・たかのり)
1979年生まれ。株式会社THINKフィットネスにてプロテインやサプリメントの開発を担当。フィットネスプロダクツ事業部GGPグループ主任。現役ボディビルダーとしても活躍し、2007年~08年東アジア選手権65㎏級優勝。12年東京選手権優勝、日本クラス別70kg級優勝、全日本選手権7位。13、14年日本クラス別75kg級優勝。16年全日本選手権5位。

 
 
インタビュアー・立華徳之真(たちばなのりのしん)
パフォーマー。陸上競技・体操・バスケットボール・フィットネス・トレーニング・ジュニアスポーツ・体育施設運営管理・サプリメント・スポーツボランティアなどのスポーツ専門資格を所持。また柔道整復師・美容師・登録販売者・診療情報管理士として美容健康領域および出版・イベント・教育・ITなどの実務をこなす。パフォーマーとしては殺陣やアクション、神経系コーディネーションや能力開発など様々な分野で活動しているハイブリッド。AVEX Entertainment