ボディメイク、美ボディ、パーソナルトレーナー、マンツーマンレッスン……。
最近、このような単語を見かける機会が多くなったと感じませんか?
そうです、いま日本には空前の筋トレブームが到来しています。
草食系男子が躍進する一方で、EXILEファミリーのようなたくましい肉体美を目指す男性も増え、ボディビルダーばりの筋肉を披露する芸能人も登場。さらに、トップモデル「ビクトリアズ・シークレット」のエクササイズが注目されたり、「筋トレ女子」なる言葉が現われたり、その波は女性にも広がりつつあります。
そして世間のニーズに後押しされるように、トレーナーの数も急増。エグゼクティブをターゲットにした高級志向のジムから、気軽に行ける小型ジムや24時間ジムまで、ごく自然に街に溶け込んでいます。
「人間の体は、そもそも筋肉を使うことがデフォルトなんです」
そう語るのは、日本随一の『筋肉博士』として知られる東京大学の石井直方教授。
「つまり、筋肉を使って動くことで体の機能が正常に維持されるようになっているのです。にもかかわらず、世の中がどんどん便利になってきたことで、筋肉を使う機会が少なくなっていることがいろいろな不具合を生み出しています。もちろん筋トレさえすればオールOKというわけではありませんが、体のさまざまな問題を解決するうえで筋肉が重要な要素になることはたしかです」
たとえばダイエット。以前なら有酸素運動や食事制限ばかりにスポットが当てられていましたが、最近は筋肉を増やすことでエネルギー消費が増え、リバウンドもしにくい体になるという知識が浸透してきています。
また、筋トレの刺激で分泌が活性化する成長ホルモンは、別名「やせホルモン」と呼ばれ、脂肪を積極的に分解するために働くこともわかっています。
さらに成長ホルモンは骨を丈夫にし、骨粗しょう症の予防にも役立ちます。クオリティ・オブ・ライフやアンチエイジングの観点からも、筋トレはとても大切なのです。
石井教授は「21世紀は筋肉づくりの時代」だと言います。
「ヒトの体は男性であれば体重の約40%、女性は約35%が筋肉ですが、この割合は数千年にわたる歴史の中でつくられた自然なバランスです。少なくとも数百年は、どんなに文明が進んでも大きく変わらないでしょう。体の基本的な機能が変わらないのに、生活パターンは昔と大きく変わっているわけなので、これは自分の力でなんとか調整するしかありません。さいわいトレーニング科学の進歩によって、効果的な筋トレの方法も昔より明確になっています。ぜひそれを活用してほしいですね。これからの社会では、筋肉の価値がますます高まっていくと思います」
おそらく、この筋トレブームは「ブーム」では終わらないでしょう。美容院やエステに通うように、あるいは食事や買い物のついでに筋トレをするという新しい時代が迫ってきているのかもしれません。
これまでなかなか一歩を踏み出せなかったみなさんも、今こそ本気で自分の体に目を向けてみませんか?
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VITUP! 編集部