<潜入偏>
トレーニングブームといわれる昨今、巷では24時間営業店舗や暗闇のなかで行うフィットネスなどなど、趣向を凝らしたさまざまなジムがみられるようになった。それらの多くは「フィットネス」「トレーニング」などに、お客さんのニーズなどを掛け合わせて誕生したものがほとんど。
たしかに夜型の人にとって24時間営業のジムは便利であるし、「がんばっている姿をみられたくない」という人には暗闇系フィットネスは最適。今後もこういった「あったらいいね」を形にしたフィットネス空間は増えていくものと思われる。
ところが今年4月、その掛け合わせ方を完全に間違えてしまったかのようなジムが東京・秋葉原に誕生した。その名も「MAID GYM」(メイドジム)。メイドさんがトレーニング指導をしてくれるのだという。なんでも、こんな感じなんだそうで……。
トレーニングの「ト」の字も「きんにく」の「き」の字も感じられないこのビジュアル。そもそも、「筋トレ×メイド」というコンセプトが必要以上に意味不明。あまりにもワケがわからないので、トレーニング歴20年以上のVITUP!編集長が突撃してみることにした。
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ただ、設備はどうせチャラいものに決まっている。エアロバイクと、ちょっとしたエクササイズマシン。あとは申し訳程度のダンベル。なんといっても「メイドジム」である。一応「ジム」とうたってはいるものの、ハードコアなトレーニーを満足させるような器具なんてあるはずがない。
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パワーラックとは、これ一台あればベンチプレス、スクワット、デッドリフトの「ビッグスリー」が行える、ハードコアトレーニー御用達の器具。限られたスペースのなかにパワーラックを2台も設置するとは……。これはかなりトレーニングをやり込んでいる人の発想に違いない。
しかし、どんなに設備が本格的でも、指導してくれるトレーナーさんがショボかったら話にならない。今回、対応してくれたメイドさん(トレーナーさん?)は「ろーず」さん。スポーティー感ゼロなんですが、そもそもトレーニングのこと知ってるんですかね? ラットプルダウンってわかります?
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まあ、「トレーナー」を名乗っているんだったら、それくらいはできるわな! スクワットはどうですかね? なんか、ブーツみたいなの履いてますけど。
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しかも50kgをラクラクと。ズルして挙げてないですよね? ヒザを少し曲げているだけではないの?
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ろーずさんって、あなた何者? というか、このジムなんなの?
(つづく)
取材・文/藤本かずまさ 撮影/神田勲
<取材協力>
MAID GYM
東京都千代田区岩本町2-7-12
ビルックスNO3 地下1階