仕事とトレーニングの両立(阿部美早)【マッチョ女子倶楽部⑲】




こんにちは。阿部美早です。今回のテーマは「仕事とトレーニングの両立」です。

私はスポーツクラブに勤めています。体育教師の父の影響で幼い頃から自分も教師を目指し、大学では教員免許を取得したものの、学生生活中にキモチの変化で自衛官に憧れを持ちました。大学の夏の休暇期間を利用して、仙台の駐屯地で予備自衛官補を体験したのですが、卒業後は自宅から自転車で4分のスポーツクラブに勤め、現在に至ります。

私の仕事はシフト制で、早番・中番・遅番と曜日ことに勤務時間が変わります。仕事の業務内容は、大人会員様へのスタジオレッスン、こどもスイミングスクールの指導、クラブ運営に関わる多くの業務に携わっています。コンテスト出場にあたり、トレーニングとタンニング(日焼け)は職場で行いました。

ここからは減量期間に関する話ですが、減量期間は生活リズムが朝型に変わります。摂取カロリーを抑えて消費カロリーを上げる生活です。空腹で眠りますから、朝早くに目覚めますが、私自身トレーニングをするベストな時間帯が朝です。
空腹での有酸素運動は脂肪燃焼に最適です。ですが、減量期間はなるべく有酸素運動を行わず、その分トレーニングに時間とエネルギーを費やします。極力、筋肉量を減らさずに脂肪を落とすためです。

今まで早朝に有酸素運動を行ったシーズンもありました。しかし、いろいろ試行錯誤を繰り返した結果、自分自身にとってベストな流れが掴めるようになりました。朝起きて必要最低限のレベルの軽食を済ませ、トレーニング。その30分後に軽く炭水化物を摂り、そしてタンニングを済ませて仕事というライフスタイルです。

タンニング中は空調をわざと止めて、汗をかくようにします。マシンのなかでドローイン(お腹をへこませる)のエクササイズをしたり、規定ポーズの「フロントリラックス」を取ったり……。

ハードなトレーニング後のタンニングほど、つらいものはありませんでした。タンニングマシンがスタンド型のため、時に睡魔に襲われ、膝やおでこをパネルにぶつけたり……。

伝説のボディビルダーことマッスル北村さんは、自宅の部屋の天井にタンニングの蛍光灯を取り付けていたとの説があります。一時期、私は自分の部屋に、北村さんを真似て取り付けようと、電気工事の業者さんへ相談したことがあります。(土地柄、私の住む地域にはベッド型のタンニングマシンがないのです)。

コンテストに出場していた時に、肌の黒さを周りからよく指摘されました。地道に頻繁にコツコツ焼いていたことと、都内に出てきた時は必ず日サロに通い、強力なマシンで焼いていたこと。そして、マシンよりも直火焼き(太陽)のほうが好きなので、自宅の前で太陽の跳ね返る暑さを浴びながら、ダンベルを持ちランジウォークを行ったりもしていました。その甲斐もあってか、黒さにはよく驚かれたものです。

話が逸れてしまいましたが、各曜日で勤務時間が異なるため、また休憩時間のみに食事のタイミングを設けるとカタボリックを起こしてしまうので、シェーカーにBCAAを入れ持ち歩き、こまめに飲んだりしていました。また減量期間は特に、たくさん水を飲みます。整腸作用や満腹感を与える効果があるからです。

トレーニングを休む日は木曜日または日曜日に設けることが多くありました。数時間プールに入ったり、スタジオレッスンの業務などで、やはり体は疲労します。トレーニングすることで仕事に支障が出ないよう、また仕事の疲労から、集中力が欠けたことで起きる不意なケガを防ぐためにも休養日は必ず設けていました。

減量期間を苦に感じず楽に過ごしたシーズンもあれば、楽ではない減量末期を過ごしたこともあります。私の場合は仕事柄、インストラクターとして常に人に見られ、また「健康」を越えた「競技」としての体づくりを通して、接する方々の興味を惹きつけ関心を持っていただけること、応援していただけることが何よりプラスに働きました。

以前「私はトレーニングするほど暇じゃない」と言われたことがあります。置かれている環境は人それぞれで、どんな職種でも、時間を1分1秒刻みで考えると「時間的に1セットしかできなかったことが3セットできるようになる」と私は思います。物事の正しい選択から自分の目標に近づき、時に立ち止まりながら目標に向かって前進すること……。競技から、働きながら体をつくることから学んだことです。