憧れの鈴木雅を目指して前に進む! 17歳のボディビルダー・相澤隼人の素顔③




ボディビル界のスーパー高校生、相澤隼人。高校ボディビル選手権3連覇の期待がかかるその肉体、大人も目を引く高重量のトレーニング、その様は全く高校生らしくない。更に、他人が放置した用具を片付ける姿はスタッフの如く、礼儀正しく丁重な応対は社会人の如く、全く高校生らしくない。今回は、そんな高校生らしからぬ高校生ボディビルダー相澤隼人の、高校生活と将来の展望について、直撃した。

――ボディビルダーであることに対する、高校での周りの反応は、どんな感じですか?
相澤 最初は「スゲー!」みたいな感じでした。でも、学校では、普通の会話をしていますよ。周りから特別扱いされたくないです。ただ、食事は普通の高校生と違いますね。周りが購買でパンとかジュースを買っている横で、自分は胸肉とかブロッコリーとか食べていますから(笑)。

――トレーニングと柔道をやってきて、何か思うことは、ありますか?
相澤 トレーニングをすることで、人は前向きになれると思います。柔道の稽古から、礼節や、人を思いやる心が学べると思います。だから、将来、自分の子供にもやらせたいですね。強制はしませんけど、無言のプレッシャーは、かけると思います(笑)。

――ウエイトトレーニングをしていなかったら、どうなっていたと思いますか?
相澤 それ、自分も時々考えるんですけど……。考えられないですね(笑)。自分から筋肉を抜いたら、ただのうるさくて小さいガキですよ。普段、頭の中の8割はトレーニングのことです。残り2割が、食べることですかね。

――ボディビルにおける、フリーポーズはどうですか?
相澤 好きです。どう演技するか考えるのが好きですね。音楽を聴いていると、頭の中にトントンと浮かんできます。足の運び方とか考えることが、よくあります。

――トレーニング以外の趣味は?
相澤 よくYouTubeで、何か食べている人の映像を見ることがあります。自分が食べられない時にこそ、チートとして見る感じです。2時間ぐらい見ていたこともあります。
(※注:「チート」は、週に1度程度、何を食べても良い日として設ける「チートデー」の略。もちろんボディビル用語)

――本当は好きな食べ物とか、ありますか?
相澤 ラーメン、ピザ、ドーナツ……。考えるだけで、にやけてきますね(笑)。でも、チートデーの時でも、ラーメンは食べないようにしています。大会が終わったら食べると思いますが、そういう心構えですね。

――卒業後の進路は?
相澤 日本体育大学に進学したいです。いろいろ岡田隆先生に教わりたいんです。岡田先生といると、例えば合戸孝二さんや、いろんな人とつながりができます。いろいろな人たちが行っているトレーニングをやってみたいです。岡田先生の経験が欲しいです。

――何か勉強したいことや、取りたい資格などは?
相澤 解剖学の勉強をしたいです。それと、ATやCSCSなど、取れるものは取っておきたいです。(※注:AT=Athletic Trainer、CSCS=Certified Strength & Conditioning Specialist、いずれも認定資格。CSCSは、いわゆるS&Cコーチが取得することが多い)

――さらにその先の夢を教えて下さい。
相澤 将来は、鈴木雅選手のようになりたいです。ゴールドジムに就職するか、自分のジムを開きたいです。でも、まずは自分の知名度を上げないといけないですね。

今は憧れの存在である鈴木雅を、近い将来脅かすことができるか、スーパー高校生相澤隼人の進化と真価が問われるのは、卒業後、高校生の肩書が取れた時だろう。だが、高校選手権3連覇達成なるか、まずは10月9日のステージに注目が集まる。

取材・文/木村卓二

相澤隼人(あいざわ・はやと)
1999年10月21日生まれ。神奈川県出身
トレーニング歴 5年
大会成績
2014年神奈川オープンボディビル選手権 8位
2015年全国高校生ボディビル選手権 優勝
2015年日本ジュニアボディビル選手権 8位
2016年全国高校生ボディビル選手権 優勝
2016年日本ジュニアボディビル選手権 5位