【知ってる?パラスポーツ】健常者がパラリンピックに出られる種目




今年から2020年に向けてはスポーツのビッグイベントが盛りだくさんです。平昌オリンピック・パラリンピックが終わると、今年は6月からサッカーワールドカップがあり、2019年には日本でラグビーワールドカップが開催されます。そしていよいよ2020年は東京オリンピック・パラリンピックです。2013年9月に決定したときには、まだまだ先のことだなと思っていましたが、あっという間に近づいてきました。

以前、北京&ロンドンパラリンピックの車いすテニスの金メダリスト・国枝慎吾選手を取材したときの言葉が蘇ってきます。
「東京大会に向けてもっとパラリンピックのことを知ってほしいですね。大勢の観客の前でプレーすることは嬉しいし、東京大会でそうなったらいいなというのが一番です。会場がガラガラだったらショックは大きいし、海外から来る選手たちにも申し訳ないですよね」
東京パラリンピックが成功するためにも、もっともっとパラリンピック競技のことも知ってもらいたい。というわけで、不定期でパラスポーツのことも紹介していきたいと思います。

皆さん、健常者の方でも出場できるパラリンピック競技があるのはご存知ですか? しかもメダルまでもらえるんです。
その競技とは、2016年のリオデジャネイロオリンピックで日本チームが銀メダルを獲得したボッチャです。ボッチャは1対1の個人戦、2対2のペア戦、3対3の団体戦があり、赤と青それぞれ6個のカラーボールを投げる、転がす、他のボールに当てるなどして、ジャックボールと呼ばれる目標となる白いボールにいかに近づけるかを競う競技です。平昌オリンピックで注目を集めたカーリングをイメージしてもらうとルールはわかりやすいかもしれません。ジャックボールにもっとも近い色のボールのチームが得点を得るというのも、カーリングの得点方法と同じです。

このボッチャは選手の障害の度合いによってクラス分けがされています。BC3クラス(脳原性疾患、非脳原性疾患)という自分でボールを投げることができない選手のクラスもあります。このBC3クラス選手たちはランプと呼ばれる勾配具(写真の模型参照)を使用して投球をおこないます。この時、選手をフォローするのがアシスタントで、選手の指示にしたいがいながらボールをセットします。アシスタントは1選手につき1名で、アスリートとして扱われるため、健常者であってもパラリンピックに出場することができるのです。さらにメダル獲得の際には、選手同様にメダルが授与されます。

ボッチャは障害者スポーツと思われがちですが、小さい子供からお年寄りまで楽しめる競技で、各地でスポーツ教室などがおこなわれていることもあります。お近くでイベントがある際は参加してみてはいかがでしょうか?
日本ボッチャ協会→http://japan-boccia.net/

文/佐久間一彦