美容も筋トレも趣味。仕事は妥協するけど趣味は妥協しない
――それでは筋トレ美容室についてお聞きしていきたいと思います。最初にうかがったように、生命の危機を感じてトレーニングをするようになったんですよね。川島 そうです。太っているとTシャツ姿になるのも恥ずかしいじゃないですか。39パーセントも体脂肪があるわけですから。だからボクサーが着るサウナスーツを着て雪だるまみたいな格好で汗をかくようにしていました。サウナスーツもあまりタイトなものだと体形が見えてしまうので、スキーウェア一歩手前みたいなところから始めたんです。
――そういう状態だと体を動かすのもきつかったと思いますが、よく挫折しませんでしたね。
川島 僕は途中で挫折したことがないんです。自分が決めたことができなかったら嫌なんですよ。だから自分でやると決めたからにはやり続けようと思ってトレーニングをしていたら、最初の1カ月半、2カ月経たないくらいで15キロくらい痩せたんです。そうしたら美容室のお客様からは「どうして痩せたの?」って聞かれますよね。自分が筋トレにハマっているから、人に喋りたくなるんですよ。普通、美容室はお客様に雑誌を持っていくんですけど、「どうやって痩せたの?」と聞くお客様にはダンベルを持っていって、ストレッチ、スクワットといろいろやらせてみたんです。「三種の神器といったら冷蔵庫と洗濯機とダンベル。三種の神器の中に絶対ダンベルがなきゃダメだよ」って言って。そんなことを続けていたら、お客さんの間でも筋トレが流行ってきたんですよね。そういう流れから、「川島さん1時間パーソナルをやってよ」となって、トレーニングをみるようになったことがスタートなんです。
――なんで痩せたのかをお客様に説明しているうちにパーソナルをやってほしいと言われて、だったらここにジム作ってしまおうとなって、筋トレ美容室が誕生したと。
川島 そういうことです。でも、なかなかそういう発想にはいかないかもしれないですね。
――美容室にトレーニング器具ってマイナス効果になりかねないですからね。
川島 (笑)。美容は仕事じゃなくて遊び。筋トレも遊び。やっぱり遊びは妥協しないですよね。仕事は妥協するけど、趣味って妥協しないじゃないですか。ここにジムを作るなんて仕事で考えたらできないですけど、趣味だからできたんです。
――現在はどのくらいのお客様が利用されているのですか?
川島 今は木・金・土・日の4日間で、朝の9時から僕ともう一人のスタッフで2人みて、10時からも2人みています。営業時間前の朝は4人がMAXなんです。夜は営業終わり間際に4人。1日に8人しか見られないんです。4日間ですから1週間に32人しか見られない。最初のカウンセリングの時に「必ず週に1回は来てください」と話すので、次の週が埋まっていると嘘つきになってしまうんです。だから僕がいない日でも他のスタッフが入ったりして対応しています。これも一切営業はしていなくて、口コミで増えていったんです。
――入口にジムスペースがあるので必ずお客様に見えるわけですからね。
川島 見えているのがいいんですよ。初めての人には必ず「これはなんですか?」って質問されますし、「筋トレをやってるんですよ」と言うとアナウンス効果もありますから。
――お客様の反応も上々のようですね。
川島 あるお客様の旦那様からお礼の電話をいただいたんです。
――お客様の旦那様からですか!?
川島 筋トレをやってすごい経済効果だって言うんです。まず、代謝が良くなって汗をかくので肌もキレイになってエステに行かなくなる。服もそれまでは全身エルメスだったのが、アンダーアーマーやナイキやアディダスになって、エルメスのバーキンがビニールのナップザックで十分になったと。要するに筋肉がお洋服だから、ファストファッションで十分なんですよね。その上、性格も穏やかになったって(笑)。
――筋トレ効果すごいですね!
1973年6月3日生まれ。ヘアメイクアーティスト。HairMake UR代表取締役。美容室の情報はこちらをチェック→http://ur-hairmake.com/
聞き手・佐久間一彦/撮影・山中順子