海岸沿いに広がる「筋トレ公園」!
アフリカのサッカー言えば、最大の特色とされるのが、選手たちの身体能力の高さ。サバンナや密林での生活の中で自然と鍛えられ、俄かには信じ難い動きをする選手たち。そんなイメージがあるものと思われる。
だが、それは極端なステレオタイプだ。確かに、意表を突いた想像を絶するプレーをする選手もいれば、日本人の想像通りの僻地もあり、貧しい幼少時代を過ごした選手がいるのも事実である。しかし、セネガルの首都ダカールは、結構発達した都市である。
高層ビルに眩い灯、3車線も珍しくない舗装された道。欧州の片田舎よりも、よっぽど都会だ。そもそも、セネガル代表には、フランス生まれやフランス育ちの選手も多い。
では、セネガルの強さの秘密は何なのか?サッカーの専門的な分析は他媒体に任せるが、VITUP!が注目するのは、スポーツに対するセネガル人の情熱の高さだ。それを物語るのが、この光景。
海岸沿いに広がる、この「筋トレ公園」だ。滅茶滅茶盛況!
基本的には、自重を利用するマシンが多い。
これは背中を鍛えるラットプルダウン。
こちらは脚を鍛えるレッグプレス。
腹筋を鍛える台や、ディップスで上腕三頭筋を鍛える器具もあれば、鉄棒などもあり、結構種類は豊富。安全目的なのか盗難防止目的なのかは不明ながら、外れない(外せない?)レールがついているのでフリーウエイトとは呼べないが、バーベルもある。
こちらはスクワット用のマシン。
高さの関係でベンチプレスを行うのは難しいが、これを横から持ち上げる人もちらほら。
この筋トレ公園が位置する海岸線、夕方になると、かなりの数の人がジョギングをしていたりもする。隣接する場所にはサッカーのミニコートがあり、少し先の砂浜でサッカーを行う人もいる。また、市内のあちこちに、フィットネスジムの看板が掲げられているが、他のブラックアフリカ諸国では、あまり目にしない光景である。
ブラックアフリカ諸国の中では屈指の先進国セネガルだが、GDPなどの数値が日本ほど高いわけでもない。それでも、国民、少なくともダカール市民のスポーツ熱、フィットネス意識がどれだけ高いか、筋トレ公園から伝わってくる。誇張であることは充分に承知のことだが、この際だ。フィットネスに対する情熱がセネガルのサッカーの強さの秘密の一つなのだと、強引に理解してしまおう! このW杯、注目は何よりも日本vsセネガル戦なのだ!
なお、この筋トレ公園は、日本vsセネガル戦がおこなわれる6月24日、日本テレビの試合直前特番でも取り上げられる予定である。
次回は、セネガルの草サッカー事情について報告したい。
取材&文&撮影・木村卓二