目標は国民栄誉賞!
――今の時点での具体的な目標はありますか。
天心:自分が思っているのは、最終的に国民栄誉賞をもらうこと。
博士:あーいいね!! エライ。国民栄誉賞、いいね!
天心:もらいたいですね。やっぱ格闘技でもらうってなかなかないと思って。でも頑張ればいけるんじゃないかと思っています。
博士:将来、オリンピック競技になる可能性もあるしね。うちのたけしさんもそういう妄想ばっかりしてるからね。さんざん世界的な映画の賞も取ってきたのに、71歳で直木賞か芥川賞取るって宣言して小説書いてるし、将来はノーベル賞文学賞も取れるかもって。この間は、急に(野球の)沢村賞もらえないかって言いだしたし(笑)さすがにそれは無理でしょうって。いくらなんでもって。でもそういうのは、まず妄想する人だけが現実化できる例だから、大事なことだし、面白いよね。
天心:(笑)
博士:そう言えば、8月18日生まれなんですよね? 僕と同じなんですよ。
天心:あ、そうなんですか!?
博士:中居(正広)君も同じ。あとBIG BANGのG-DRAGONも。だから8月18日生まれとして、ものすごい意識してる。中居くんだけではなく、柔術の中井祐樹先生(ヒクソン・グレイシーとも闘った元名選手)もそうだし。Wナカイね。ちなみに、清原もだけど……(笑)。
天心:一緒なんですね。自分も8月18日でよかったなって思ってます。なんでなのかは分からないですけど(笑)。
博士:ラッキーナンバーなんだよ。八と十と八で「米」にもなるし。ボクが天心選手に思い入れるのは誕生日が一緒なのもお気に入りの理由。G-DRAGONにも教えてあげたいよ。BIG BANGとドームで興行を一緒にやってよ。BIG BANGの観客動員数は日本一。嵐の遥か上だからね。ドームツアーしかやらない。だからエンタメとして、日本で最も動員しているグループっていうのはBIG BANG。だって100万人以上動員してるんだよ。
天心:なかなかチケット取れないっていいますもんね。
博士:そう。BIG BANGの東京ドーム公演を見て、K-1でのボブ・サップ対アーネスト・ホースト(2002年 12月開催のK-1グランプリ決勝戦:主催者発表入場者74,500人)以来の人が、これほど興奮してるのかっていうのを見た。
天心:東京ドームは目標の一つですね。
博士:うん。あと国立競技場でアントニオ猪木が入場で空からパラシュートで降ってきたりもしたよね。(2002年8月28日に開催されたイベント『Dynamite!』)しかも降りてきて最前列の俺を見つけていきなりビンタしてきた。そのまま俺3秒くらい失神したもん。それでマイクでいきなり「俺は今怒っている」って言って。高所恐怖症で2万メートルのところから落とされて、猪木さん、ギャラがゼロだったの。
天心:(笑)
博士:今まで、あのときの記録は抜けていないんですよ、観客動員では。
天心:何人なんですか?
――主催者発表では9万人を超えています。
博士:だから、ボクの夢としては天心選手には、新しい国立競技場でメインの試合をやってほしい。あとはパッキャオみたいに議員になって、総理大臣になるとか。あ!! 総理大臣になって自分に国民栄誉賞出しちゃえばいい。それがいいよ!
天心:総理大臣か~! 考えたことなかったですね。
博士:そんなこと言う人は、今、他にいないから言っといたほうがいいよ。馳浩(プロレスラー)さんだって文部大臣になったんだから。だって馳さんだって、まだ総理大臣狙ってるでしょ。アントニオ猪木が総理になることはないけど、馳浩は全然あり得るよ。
――壁を作らないという意味ではいいかもしれないですね。階級はどうなんですか。
博士:何階級制覇とか(目標は)あるの?
天心:自分の適正で言ったら52kgとか53kgなんですけど、どんな階級でも大丈夫です。デビュー戦のころからタイトルマッチくらいまではほぼ減量がなかったので。段々体重は上がってきてる感じなので。
――天心選手と話していると夢のある話が多くなりますね。
博士:とにかく、全世界で通用するとなったときに、日本で試合を見たいなというのが僕らの気持ちだからね。
天心:そうですね、東京ドームは昔でできているなら、今もできるはずですよね。
いずれやれると思います!
≪Hakase’s Impression≫
那須川天心選手と実際にお会いするのは2回目。もう放っておいても世界の“テッペン”に駆け上がると思っています。ボクは世代的に、ずっと陰ながら応援するので充分だと思っていたので、今回、対談が実現しただけで光栄でした。5・6の「RIZIN」福岡大会で、ついに30連勝を飾って、将棋の藤井聡太の記録を抜いたけど、もっともっと「恐るべき十代」として大ニュースになるべきだと思います。次の試合は6・17の「RISE」、ボクはリングサイドに駆けつけます。だって、やがて世界中にその名が知られる天才の10代を目撃できるのは今年の8・18までだから。
1986年にビートたけしに弟子入り、翌年、玉袋筋太郎と「浅草キッド」を結成。芸人としてはもちろん、文筆家としても精力的に活動。『藝人春秋2』(文藝春秋)『博士の異常な健康―文庫増毛版』 (幻冬舎文庫)など著書多数。日本最大級のメールマガジン『水道橋博士のメルマ旬報』の編集長、またユーチューバーとしても絶賛活動中。
1998年生まれ。「神童」と呼ばれる天才ファイター。RIZEを主戦場に、KNOCKOUT、RIZINで、キックボクシングルールと総合格闘技ルールの二刀流をこなして現在30連勝中無敗。世界中から注目され、格闘技の枠を超えたスーパースターへの成長が期待されている。TEPPEN GYM
構成/押切伸一 撮影/山中順子