体感150キロ超の投球!
スピーディな試合展開
ソフトボールは野球から派生したスポーツであり、基本的な試合進行は同じです。9人編成の2チームが、攻守を交代しながら得点を競います。攻撃側がボールを打って進塁し、本塁に帰ることで1点が入り、守備側が3つのアウトをとったら攻守を交代します。攻守交代を7回繰り返した時点で、得点の多いチームが勝利となります。
グラウンドのサイズは投捕間13.11m、塁間18.29mと野球より一回り小さく(野球は投捕間18.44m、塁間27.43m)、スピーディなプレーが展開されます。一塁には打者走者と守備者が接触する危険を回避するため2つのベースが設置され、打者走者が走り抜けるオレンジベースと、守備者が踏む白色ベースによる「ダブルベース」も特徴のひとつです。
プレーにおいては、アンダースローによる投球が最も目を引くポイントでしょう。投手は打者に対して、手と手首が必ず体側線を通過しながら球を離さなければならず、腕を一回転させてその遠心力を用いてボールを投げ込む「ウインドミル」投法が最もポピュラーです。トップレベルになると球速は時速100キロメートルを越え、投捕間の近さから体感速度は時速150キロメートルを上回ると言われます。さらに浮き上がるライズボール、落ちるドロップボールといった球種も繰り出され、それらの組み合わせによる投手と打者の駆け引きが展開されます。
リードなしのルールによって
スラップなど小技が充実
その他、特徴的なルールとして「離塁アウト」があります。ソフトボールでは投手の手からボールが離れるまで走者は塁を離れることが禁止されており、リードをとるとアウトになってしまいます。そのため、試合ではバンドが多用され、攻撃側はさまざまな“小技”で進塁・出塁を目指します。なかでも左打者が走りながら打つ「スラップ」打法は、ソフトボールならではのプレーと言えるでしょう。
また、1979年の国際ルールの改正より「リエントリー(再出場)」が採用されています。スターティングプレーヤーは一旦試合から退いても、一度に限り再出場することが可能です。しかし、リエントリーをする場合には自己の元の打順を引き継いだプレーヤーと交代しなければなりません。
7回を終えて同点の場合は、8回より「タイブレーカー」というルールで試合を継続し、勝敗が決するまでこれを続けます。タイブレーカーでは、前回最後に打撃を完了した選手を二塁走者とし、無死二塁の状況から攻撃を開始します。投手戦になる傾向のある“投高打低”のソフトボールにおいて、これを解消するべく設けられたルールです。
2020年東京オリンピックの追加種目として、3大会ぶりに実施されるソフトボール(女子)。大きな注目を集めるスポーツを、存分に楽しみましょう。
詳しくはこちら→公益財団法人日本ソフトボール協会(http://www.softball.or.jp/)