体づくりに年齢は関係ない
自分の努力しだいで変われる
――宮本選手は現在39歳。40代が近づいてきましたが、体づくりの限界はまだ見えない?
宮本:体づくりに関しては、年齢はまったく関係ないと思うんですよ。50歳になっても60歳になっても筋肉は成長するし、自分の努力しだいで何とでもなるんです。それが面白いところですよね。サボればサボった分だけ体は落ちてしまうし、頑張れば頑張った分だけ自分に返ってくるし、体って本当に正直なんですよ。何を食べたか、どんなトレーニングをしたかというのが、確実に表れますから。自分の努力しだいでいくらでも変われるというのが面白いところですよね。
――「筋トレは受験勉強と同じ」と言われますが、やったことは確実に身になる、やらなければできるようにならないというのは本当ですね。
宮本:本当にそうだと思います。年齢を重ねると、筋肉の知識も増えてくるので、いいトレーニング、悪いトレーニングの区別もついて、いろんなことができると思います。また、鈴木雅さんは福島県の同郷でよく話もするんですけど、いい刺激をもらっていますね。
――毎日トレーニングをしていて気分が乗らないときはないのですか?
宮本:やっぱり疲れがあったり、今日は調子悪いなって思ったりするときもありますよ。そんなときは、田代(誠)さんも言っていましたけど、とにかくやってみることだと思います。普段トレーニングをしている人は、やり始めるとエンジンがかかって、もっとやろうという気持ちになるんです。汗をかき始めたら調子もよくなってきますし。だから、とにかくやるということですよね。調子が上がらないときに一歩踏み出すことで、違ったものが見えてくることもありますから。体が疲れているなというときは、栄養を多めに入れてみるとか、そうすることで、疲労が違ってくることもあります。実は、プロテインスイーツ教室に通っていたことがあるんです。
――プロテインスイーツ教室ですか!?
宮本:ケーキとかシュークリームとか、プロテインでスイーツをつくるんです。疲れたときはそういうものを食べていました。スイーツですけど原料はプロテインなので、体にいいものなんですよ。スイーツを摂ったらこのエネルギーを消費しようと思うし、余計にやる気になるんですよね。いろいろな形でモチベーションを高めることが大事だと思います。
――プロレスの試合があるときのトレーニングはどのようにしているのでしょうか? 体が張りすぎても試合に影響が出そうな気がします。
宮本:僕の場合は入場してからポージングをして筋肉をつるということも過去にはありました(苦笑)。パンプアップしてから出てそういうことがないようにするためにも、水分を多めに摂るようにしたり、バナナなどでカリウムを摂ったりしています。筋肉はパンパンに張らせますけど、そこから先でケガをしないようなケアをするということです。
――食事やエネルギーに対する知識は日々学んでいるのですか?
宮本:自分なりに勉強はしています。今はインターネットの時代なので、気になることがあったら調べたりしています。最近で言ったら、えごまオイルを多めに摂ったりしています。えごまオイルは直接飲みますね(笑)。
――そのまま飲むんですか!?
宮本:はい。でもえごまオイルを摂り始めてから、汗の出方が違うんですよね。摂取した瞬間から体がカッカしてきて、これはいいなと思いました。自分に合っていたんでしょうね。
――では、これからトレーニングを始めようかなという読者の方にアドバイスをお願いします。
宮本:体を動かすということは、生きる上でもすごくプラスになります。女性で言ったら「美」に関することと同じなので、やり始めたらパーっと明るい世界が広がってくると思います。今は女性のトレーニーもすごく増えていますし、まずはやってみるというのが大事だと思います。アンチエイジング、美に関してもそうですし、健康に関してもそうですし、何かしら得られるものがあると思います。やらなかったらそこで終わりです。やり始めたら違う世界が広がる。それがトレーニングだと思います。だから後先のことを考える前に、まずは始めてみましょう。トレーニングをすると、みんな性格が明るくなるんですよ。トレーニングで体がよくなるとタイトな服を着られるようになったり、タンクトップを着てみようとか、見せたがりになりますよね(笑)。
ーー最後に宮本選手にとってトレーニングとは何ですか?
宮本:トレーニングはすべてですよね。青春のすべてというか、15歳ぐらいから本格的にやり始めて25年ぐらいになりますし、なくてはならないものです。「NO TRAINING NO LIFE」です。トレーニングをやめるときは死ぬときというか、トレーニングをやめたら死んでしまうかもしれないですね(笑)。泳ぐことをやめたら死んでしまうマグロと同じだと思います。
※次回はトレーニング動画を公開
取材/佐久間一彦 撮影/安 多香子
1979年2月22日、福島県出身。学生時代は相撲、アームレスリング、ボディビルでならす。2000年に全日本プロレスに入門し、2001年8月19日、後楽園ホールでの馳浩戦でデビュー。2004年には無期限アメリカ遠征を行ない、APWテレビジョン王座、HIWヘビー級王座、TWEテキサスヘビー級王座など数々のタイトルを獲得。2005年に全日本プロレス退団後は、さまざまな団体で自慢のパワーを発揮している。