お米をたくさん食べれば身長は伸びるの?【川﨑泰代の美筋食 第49回】




「走るフードコーディネーター」川﨑泰代さんに体づくり、健康づくりのための食事と栄養について教わる連載。身近なテーマに関する質問に答えてもらいます。今回のテーマは、食事と身長の関係性について。

Q.背を伸ばすために「とくかくお米を食べろ」とか「一日5合」など色々なことを言われるのですが、本当にお米を食べると身長は伸びるのでしょうか? そもそも食べるものと身長は関係あるのでしょうか?

A.これを食べると背が伸びるという食べ物はありませんが、食べる物と身長は関係していると言えます。何事もバランスの良い食事・運動・睡眠の3つのトライアングルが重要であり、身長を伸ばすためにも、そのような環境を整えることが大切です。

身長というのは遺伝もあると思いますが、食べる物を気を付けたり、ケアをしたりすることで、骨が丈夫になって、身体が大きくということも十分にあり得ます。背を伸ばしたいのであれば、「とにかくお米」という意識だけではなく、骨になるような食材も摂るようにしましょう。

骨というのは骨組みになるタンパク質が20%、その中のカルシウムが80%を占めています。牛乳を飲むと身長が伸びるというイメージを持っている方も多いと思いますが、牛乳にはタンパク質とカルシウムが両方入っているので、そういった意味では骨の強化を助ける食材をして適していると言えるでしょう。中学生男子の場合、一日に1000㎎のカルシウムを摂る必要があり、女子の摂取量は850㎎とされています。牛乳200㎖中には約200㎎のカルシウムが含まれていますので、この計算でいくと一日に牛乳1ℓくらいは必要ということになりますが、牛乳以外の乳製品にもカルシウムが含まれていますので、バランスよく摂取することが大事です。

その他にも、骨と栄養素の接着材となるビタミンCや、補強するためのビタミンDに加え、アルギニンと亜鉛を意識して摂るといいと思います。アルギニンは肉、マグロ、エビ、大豆製品に含まれており、亜鉛はカキやレバー、牛肉などから摂取することができます。このように、様々な栄養素が集まって骨の強化にというものはできるので、お米と同様に他の栄養素もしっかり食べましょう。

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実際、「お米を食べなさい」と言われて、食べることを苦痛に感じてしまう選手も多いです。食べないよりは食べたほうがいいですが、それを苦痛に感じてしまうのであれば、なるべくご飯を多く食べられるような一工夫(ふりかけやカレー、混ぜご飯など)をしながら、バランスよく食べてもらうのが一番の近道かなと思います。

それから、ゴールデンタイムと言われている夜の10時~2時の間にしっかりと睡眠を取り、成長ホルモンの分泌を促すことも忘れないようにしてくださいね。

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川﨑泰代(かわさき・やすよ)
フードコーディネーター。アスリートフードマイスター。食育インストラクター。IHクッキングクリエーター。小学生のころよりバレーボールを始め、以来スポーツが生活に欠かせないものとなる。「走るフードコーディネーター」として、自らもフルマラソンに挑戦するなどアスリートとしての顔も持つ。自身の経験から「強い体と心は『食事』で作られる」と言うコンセプトのもと、一般アスリートからトッププロまで幅広く食事を指導。テレビ、ラジオ、雑誌などメディアでも活動している。
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