♪はじめてのジム【編集部員コラム「気まぐれVITUP!」】by新人編集部員:須崎竜太




こんにちは、VITUP!新人編集部員の須崎です。以前から体験取材で何度か登場していますが、「気まぐれVITUP!」の原稿を書くのは初めてですので、自己紹介をかね、私のジムとの出会いについて、お話ししようと思います。

私は小学生の頃から、高校3年生までずっとサッカーをしてきました。中学生の頃は地元の強豪ジュニアユースチーム(部活動とは違うクラブチームのこと。野球で言うシニアリーグ)に所属していて、将来はサッカーで食べていきたいなと漠然と考えていましたが、中学生の頃から本を読む楽しさを覚え、これまでサッカーに注いでいた情熱が嘘のように180度反転し、一気にインドアの人間になってしまいました。高校でもサッカー部にこそ籍を置いていたものの、本を読むことを生活の最優先事項にしていたので、部活動は二の次。多くの部員たちからひんしゅくを買っていました。

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高校を卒業してからは、運動するのは、年に数回フットサルをするくらいで、それも、初心者向けの大会に誘われたときのみ参加。中級者向けの大会に誘われた時は、いろんな理由をつくり断ってしまうような始末でした。

大学時代はそんな慢性的な運動不足の中、本をひたすら読んでいたので、気分が暗くなりがちで、お世辞にも明るい大学生活とは言えませんでした。気分が暗くなればなるほど、本に救いを求めるようになり、本を読めば読むほど気分が暗くなってしまうという八方ふさがりの悪循環の中にいました。ところがある日、この袋小路の生活に終止符を打つ、とある出来事に出会います。

それが筋トレです。

高校時代の親友とたまたま電車で再会し、どういう風の吹きまわしか一緒にジムに行くことになりました。家に帰り、長年着ていないスポーツウェアをバッグに入れて、地元の健康センターに併設されたジムへその親友と向かいました。

はじめてのジム、はじめてのマシンを使った筋トレ。初体験だらけでしたが、隣には頼れる親友がいるので不安はありません。早速、器具の使い方をレクチャーしてもらいながら、トレーニングを開始します。もともと痩身なのに加えて、長年体を動かしていなかったこともあり、全身の筋肉が鉄のように錆びきって固まっているのがわかりました。そんなこちらの気も知らず、親友の誘導のもと鬼の追い込みで、バタフライ、ダンベル、フロントネックプルダウン、レッグプレス、アダクションマシン、さらには、はじめてのジムにもかかわらずベンチプレスまで!使いながら全身の筋肉を叩き起こしていったのです。当然いきなり体をフルスロットルで運転させたので、トレーニング後は全身が引きちぎられるかのような激痛が走りました。体がだるく、インフルエンザにでもなったかのような錯覚すら覚え、もう二度と筋トレはしないと心に誓ってその日は親友と別れました。

翌朝、目を覚ますと、これまで体験したことのない激痛に襲われました。やはり筋肉痛ではなくインフルエンザなのではないかと疑っていると、体の痛みとは反対に頭がすこぶる澄んでいることに気づきました。なんだか気分がとてもいいのです。そうです。これまで体を使わなさすぎて内省的になっていた気分が、ジムで肉体を追い込んだことで、一気に晴れやかな気分に変わっていたのです。

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当時はこんなこともあるのかといたく感動し、ネットで似たような体験を持つ人を調べてみたり、「身体論」と呼ばれる、古今東西の身体にまつわるあらゆる研究書、哲学書を見つけては読みふけりながら、ジムに通うようになりました。通ううちに、なぜか根拠のない自信が持てるようになったり、日常の小さな変化にも敏感に反応できるようになったり、しかし些細なことではイライラしなくなったり、「女性にモテたい」と下心ではなく純粋な気持ちで思えるようになったり、筋トレにこんな効果があるのかと、それまでの暗い気分は嘘のようにどこかへ吹き飛んで行ってしまいました。

ジムで体を動かすことの楽しさを知り、その後も現在にいたるまで定期的に通っています。今は当時の親友のように、追い込んでくれるパートナーがいないため、どうしても適度な運動で終わってしまいます。全身が引きちぎられるような激痛は、あの時以来、味わったことがありません。ジムは当時の私にとっては救いの場所でしたが、時がたつにつれて、自分とジムの関係性が変わってきているような気がします。そんな理由も手伝い、最近は自分に合ったトレーニング方法を考えています。ですから、VITUP!でも、自分に合ったトレーニング方法を模索中の人の参考になるような記事を紹介できればと思っています。

その一環として今年は全身が引きちぎられるような激痛を思い出させてくれるようなスポーツイベントに参加しようと思っています。と言っても、格闘技は嫌ですが……。
2019年は、初めてジムに行ったときのような、面白い体験ができるような一年にするべく、動き回っていく所存です。読者のみなさん、今後ともお付き合いの程、よろしくお願いいたします!

文/須崎竜太