鬼退治、ケガ退治に豆と筋トレ【佐久間編集長コラム「週刊VITUP!」第49回】




VITUP!読者の皆様、こんにちは。日曜日のひととき、いかがお過ごしでしょうか? 本日2月3日は節分ですね。子どもの頃は年の数だけ食べる豆が少なくて物足りなかったのが、今では豆の数が多すぎて口の中がパッサパサです。もはや一口では食べられません。

それはさておき、節分は季節を分けるという意味があります。暦の上で春が始まる立春は、だいたい2月4日頃(今年は2月4日)。春が始まる前の日、冬と春をわける日を節分と呼ぶことになり、それが2月3日になったのです。

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暦の上では明日から春と言われても、まだまだ寒い日は続きます。毎年、寒さが厳しい2月になると、古傷の左足首が痛みます。寒いと無意識に体に力が入ることで筋肉が固まりやすくなり、それによって痛みが生み出されている部分もあると思います。

痛みは脳が作り出すものでもあります。「痛い」という記憶によって、痛さを生み出すことがあるのです。私の左足首は練習中のアクシデントで内側の靭帯を断裂しました。足首が180度回転してしまい、つま先とかかとの位置が逆になってしまったのです。かかとが前、つま先が後ろという、あってはならない形になった自分の足を見た記憶があり、尋常ではない痛みも脳が覚えているため、何かのきっかけで痛みが蘇ってくるのです。

このケガをしたとき、手術はしませんでした。手術してメスを入れるとリハビリも含めて練習復帰までに8~10カ月。それだけ休んでから練習に戻り、試合で勝つレベルまでもっていくのにはかなりの時間を必要とします。選手活動は学生のうちだけと決めていたので、復帰までに時間がかかる手術は選択できませんでした。早期復帰のためメスは入れず約2カ月固定してある程度まで戻し、あとはインナーマッスルで周辺の筋肉を強化。さらに病院でつくってもらったアンクルブレスを使用して、足のぐらつきを抑えることで、半年足らずで試合に復帰しました。しかし、手術をしていないため足首は現在もグラグラです。将来の生活のことを考えたら、無理はせずケガはしっかり治すのが賢明でしょう。

先日、元プロアスリートの方と食事をしたときにも同じような話を聞きました。引退して数年が経ち、トレーニングをやめたら故障箇所の痛みに悩まされるようになったと言います。現役時代は日々のトレーニングにより、筋肉で故障箇所を補助できていたのが、筋量が落ちたことでそれができなくなってしまったのです。筋肉の大切さを改めて実感したので、トレーニングを再開すると言っていました。

ケガをしていなかったとしても、年をとると腰が痛くなったり、ヒザが痛くなったり、体の節々に痛みを感じることがあると思います。そうした老化による体の痛みの予防のためにも筋肉は必要なのです。

筋肉にはタンパク質。タンパク質といえば豆。豆といえば節分。話が節分に戻ってきました。節分では、なぜ「鬼は外」と言って豆をまくのかご存知ですか? 大豆にはたくさんの栄養素が含まれているから、鬼を退治できるエネルギーがあるという意味なんだそうです。タンパク質は大事ということですね。というわけで、豆からタンパク質を摂取して、ケガに負けない筋肉をつくるために、トレーニングに励みたいと思います。

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアンの取材を手がける。