「走るフードコーディネーター」川﨑泰代さんに体づくり、健康づくりのための食事と栄養について教わる連載。身近なテーマに関する質問に答えてもらいます。今回のテーマは、タンパク質を効率良く摂取する方法。
Q.豆乳を飲んだときにタンパク質の量を見たら、いつも飲んでいるプロテインのタンパク質量よりも多かったので驚きました。タンパク質をたくさん摂りたい人は、プロテインよりも豆乳を飲んだほうがいいのではないでしょうか?
A.タンパク質はアミノ酸と呼ばれる分子がつなぎ合わさってできています。アミノ酸には20もの種類があり、中でも必須アミノ酸(イソロイシン・ロイシン・バリン・ヒスチジン・リシン・メチオニン・トリプトファン・フェニルアラニン・スレオニン)と呼ばれる9種類のアミノ酸は体内で合成することができないため、栄養素として体外から摂取することが必須になります。
一般的に、良質なタンパク質と呼ばれるものは、必須アミノ酸をすべて含んでいるものを指すことが多く、必須アミノ酸をバランスよく含んでいるかを100点満点で表したものをアミノ酸スコアといいます。卵や牛乳はアミノ酸スコアが100点、豆乳も86点と高得点のため、ただタンパク質を摂りたいということであれば、このような食材から摂取していただくことも可能です。しかし、ひとつの食材から多くのタンパク質を摂ろうとすると、タンパク質以外の栄養素も過剰に摂取してしまうという危険があります。例えば、牛乳からたくさんのタンパク質を摂ろうとすると、脂肪分も一緒に摂取することになってしまうため、肥満などにつながってしまうことが考えられます。一方で、プロテインは成分が調整されているため、効率よくタンパク質を摂取することができるというわけです。
身体づくりのためにタンパク質を摂るという場合は、平均的な摂取量よりも多くのタンパク質が必要になりますので、ひとつの食材からタンパク質を摂取するというよりも、バランスの良い食事で足りなかった分をプロテインで補うことをおすすめします。牛乳を主成分とするホエイプロテインや、大豆を主成分とするソイプロテインなど、プロテインにも種類があるように、自分の目的に合った摂り方でタンパク質を摂取するとよいでしょう。
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川﨑泰代(かわさき・やすよ)
フードコーディネーター。アスリートフードマイスター。食育インストラクター。IHクッキングクリエーター。小学生のころよりバレーボールを始め、以来スポーツが生活に欠かせないものとなる。「走るフードコーディネーター」として、自らもフルマラソンに挑戦するなどアスリートとしての顔も持つ。自身の経験から「強い体と心は『食事』で作られる」と言うコンセプトのもと、一般アスリートからトッププロまで幅広く食事を指導。テレビ、ラジオ、雑誌などメディアでも活動している。
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