将来の夢【しみけんインタビュー 第5回】




AV男優のしみけんさんにトレーニングについてインタビューするこの企画。最終回となる今回は、ずばりご自身にとって「トレーニング」とはどういうものか、そしてこれからの夢について、熱く語ってもらった。

”貯金”も”貯筋”も両方大切

――トレーニングを始められてプラスになったのはどういうことですか。

しみけん 22歳でジムに通い始めて、明らかに変わったのは勃起力と、精神的な自信。トレーニングを頑張ると、仕事でも「こんなに頑張っているんだから、俺ができなかったら誰ができんだよ」って、もう「AV界を背負っている!」くらいモチベーションあがったんです。

――最近はどうですか。

しみけん 今のトレーニングに変えてからは、頭の回転が良くなったり、表情が明るくなることを実感しているので、テレビやラジオ、トークライブや講演会などの仕事の前には必ずジムに行くようにしています。

――身体を動かして、頭の働きをよくするんですね。

しみけん そうです。大事な決断をしなければいけないとき、例えば仕事を受けるかとか、契約をするかどうか、そういうのも必ず筋トレ後に決めます。

――絶対にそうされているんですか。

しみけん 筋トレしているときって、本当にもう身体との対話のみで、他の邪念が浮かんでこないんです。で、トレーニングが終わって「脳ミソまっさらな状態」の時にスッと浮かんでくるもの。それを優先していますね。

――直感が冴える、みたいな感じですか。

しみけん 冴えるんでしょうかね(笑)。まあ単純に、気持ちいいですよ。楽しいし。ジム行っています?

――行ってないです。

しみけん なんで行かないんですか。目の前に100万円落ちていたら拾いますよね。それと一緒ですよ(笑)。貯金も貯筋も、金も筋肉も同じくらい大切じゃないですか。

――宅トレを始めるとか…。

しみけん いやもうダメです。そういう考えがダメ(笑)。とりあえずトップのところに行きましょう。中野ゴールドジムに「5年後の全日本目指したいんです!」っていう言葉とともに入会したら変わるから(笑)。めちゃくちゃ楽しいと思いますよ。生活がガラッと変わって。

――ハードルが高いですね…。

しみけん よくね、「本格的なジムはレベル高いんでしょ。ヒョロヒョロの僕が行ったら恥ずかしくないですか」っていう人がいますけど、逆です。中途半端なジムに行ったら中途半端な人が話しかけてきたり教えてきたりするけど、トップのところにいる人たちは自分の身体しか見てないから(笑)。他人はアウトオブ眼中。トレしてる時間より、自分の身体眺めてる時間の方が長いんだから(笑)。

――しみけんさんの一番好きな種目は何ですか。

しみけん キツイけど、スクワットかなぁ。日にちが空くと「あ~、しゃがみたいな」っていう気持ちになってきます(笑)。脚をやり過ぎた日や追い込みすぎた日ってすごいですよね。前に友達と、新宿に美味しい餃子屋さんがあるから夜集まろう!ってなって。餃子沢山食べるために脚をとことん追い込んでから行ったんですけど、合流する前から足がつっちゃって。それでお店に向かう道中のデカい交差点を渡っていたら、青信号が点滅し始めたときに交差点の真んなかで足がビー!ってつって、しゃがみこんじゃったんです。友達に「何のために鍛えてんだよ!」って、抱えられながら餃子屋に行きました。そんなのも楽しいですね。

――これからの目標を、直近のものと長期のもので教えていただけますか。

しみけん ken’s Gymっていうのを作りたいです。「勃起にコミットする」ってコピーで(笑)。いまはフィットネスブームでいろんなすごい人たちがジムを構えているけど、そこで勃起にコミットするって言えるのは僕しかいないのかなと。欲を言えば「しみけんビル」を建てて、1階がコンビニと回転寿司か焼き肉屋、2階にジム、3階が住居にできたら最高ですよね(笑)。

(おわり)

取材・文/安多香子

写真/中田有香